●床下機器

E4系には「床下機器」はほとんどないが、車体下部の表現ということで便宜上この項で扱う。

●モールド

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E4系_0603

色が濃いのでわかりづらいかもしれないが、上が先頭部で、下が1号車階下席の側面ハッチ(左が実車)だがどうだろうか。トミックスは一部モールドがないように見えるが、モールドパターン自体はカトーと大差なく、深さもそれなりにある。しかし、このページで扱った客用扉脇の点検ハッチと同じように、トミックスは車体の青(紫苑ブルー)の塗装が厚ぼったいためモールドが埋まり気味で、光線状態によっては見えなくなる場合があるのだ(両者の撮影条件はまったく同じ)。


E4系_0604

ご覧の通り、場所によってはトミックスの方がモールドが深くて濃いのだが・・・この写真でも塗装の厚みが伝わるだろうか?


E4系_0605

レールの上に置いた状態では分かりづらいが、光の当て方によってはモールドが分かりやすくなる。直上の写真のモールドは、実はこんな感じ。

一番下の実車と比べても、ボルト表現があったりとトミックスの方が表現が細かい。しかし、塗装の厚みのおかげで全体的にシャキッとしておらず、カトーと比べてもモールドのエッジ部分がぼやけてしまっていることがわかる(いかにも塗膜がある感じ)。


E4系_0606

2・3号車間海側の床下はダクトが並んでいるが、3号車(右)のダクトはやや大きい。両者ともそれを表現しているが、トミックスはやはり塗装の厚みで目立たなくなっているし、2号車に至ってはダクトがあるのかどうか分からなくなってしまった。

これも光線状態を変えてやれば、きちんとダクトがあることが分かる。カトーに比べてトミックスはダクトが大きめで、特に3号車側のダクトは下端まで伸ているが、実車と比べると少し大きい気がする。


E4系_0607

4・5号車間にある小さなハッチも同じような感じで、やはりトミックスは見えなくなってしまった。これでも撮影条件は全く同じなんだけど・・・

光線状態を変えてやれば、カトーと同じようにハッチ表現があることがわかるのだが・・・撮影しながら世話の焼ける子だと思っている自分がいる(w。


E4系_0625

E4系には台車カバーといえるほどのものはないが、車体に空いた穴は両者とも表現(実車のように抜けてはいない)。左の四角い穴の大きさはトミックスの方が近いと思う。

実車は車体とヨーダンパ受けが結合しているが、Nゲージではさすがに無理なので台車側にヨーダンパ受けを表現。ところで、ヨーダンパ受けだけでなく台車も形が違うような・・・?詳しくは台車の項で後述。


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床下は両者ともフラットで、それぞれのメーカー刻印がモールドされている。カトーはパネル風の表現が施されているが通常は見ることがない面なので、気になるような差はないといっていい。


●バリエーション

E4系は床下機器がないので、バリエーションの写真は割愛する。カトー・トミックス共に、海側・山側含めてすべて実車に忠実なパターンのモールドが施されていることを確認した。

E4系はボディが車体下部まで覆っている上に、8車体すべてが専用設計なのでパーツ流用などがなく、表現方法には差があるものの、結果的にはカトー・トミックス共に海側・山側とも実車に忠実なパターンとなっている。

E4系の青は色自体濃いので、車体下部のモールドはそもそも目立つものでもないが、やはりトミックスの「モールドが塗装で埋もれている」というのは、カトーよりも細かい表現個所があるだけにちょっと残念に思う。一応フォローしておくと、写真は光線状態などに影響されるので(一応レフ板も使ってるのだけど)、目視とは見え方が異なる場合はある。実際、トミックスE4系を手に持って見ると塗装の厚みを感じることもあるけど、写真では消えてしまうモールドもきちんと見える。なので、実際にはそれほど気にする必要はないかもしれない。

●台車

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似てるんだけど似てないような・・・?左の実車を見る限りはカトーの方が似ているようだが・・・

実はどちらもE4系用に製作された台車ではなく、E2系と同じ台車パーツの流用である。もっといえば、カトーはカタログ写真を見る限りはE1系→E2系→E4系の順でキャリーされてきたようである(E2系の後期ロットで台車の支持方式がスナップオン式になったため、厳密には全く同じパーツではない)。

同じ2階建て車であるE1系とE4系の台車は非常に似ているので、カトーのE1系からの流れはある意味正しい。トミックスもE1系を出しているが台車上部の表現の関係(空気ばねとヨーダンパ受けの表現がゴツイ)でE4系に流用するのは難しく、やむなくE2系の台車で妥協したようだ。

ただし、軸箱の大きさや支持板(軸箱につながる2枚の板)のスケール感はトミックスの方が近いかもしれない。ヨーダンパの左下がり具合はどちらも○。蛇腹の表現はトミックスの方がいいと思う。実車の軸箱下にニョキッと伸びた金属板は新潟県中越地震で200系が脱線した教訓から、脱線してもレールから逸脱しないように追加装備されたもので、現在はJR東日本の新幹線車両全車に装備完了している。カトーのE1系、トミックスのE2系はいずれも地震発生よりも前の製品であり、それぞれの台車を流用したE4系には当然表現がない。

双方の台車の上から出ている金属は集電パーツでカトーは金属の板、トミックスはスプリングという違いがあるがこれは両社の在来線も含めた他製品でも見られる違いである。

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カトーはスナップオンという方式(E2系後期ロットの台車と同じ)、トミックスはオーソドックスなビス止めで車体に取り付けされている。

トミックスは台車から連結器が伸びているが、連結方式の関係上フック側とリング側の2種類の台車パーツが存在する。


E4系では残念ながら両者とも台車は新規作成されず、他のモデルの流用となっている。ただし、E1系とE4系の台車は似ているから(というかほとんど同じ)、E1系の台車を流用できるかどうかで対応が分かれた。流用できたのはカトーだが、E1系発売時点では(実車の)E4系はまだなかったので、特にE4系での採用を見越していたわけではないようだ。逆にトミックスはE1系に特化した台車だったためE4系には流用できず、比較的似ているE2系の台車で妥協したというわけだ。結果的には、「E4系の台車」という観点ではカトーの方が実車と似ていることになった。

トミックスのE2系はリニューアルにより通電カプラー化が完了しており、同じ台車を使うならばE4系も簡単に通電カプラー化できることになる。E4系のリニューアル(通電カプラー化)はいずれ行われると思うが、その時には台車を新規制作して欲しいなと思う。なお、E1系も通電カプラー化が完了しているが形状は従来製品と変わりがないため、やはりE4系への流用は難しそうだ。

●連結部分

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カトーは「ダイアフラムカプラー」、トミックスは「改良型フックリングカプラー」という連結方式を採用している。

それぞれの連結方式の特徴は、カトー「ダイアフラムカプラー」、トミックス「改良型フックリングカプラー」、リンク先に解説があるのでそちらをご覧いただきたい。

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おおよそ、同種の連結方式を採用する他のモデルと同じような感じである。カトーは実車同様に内幌・外幌が分かれているのでリアルであることは言うまでもないが、こうして見るとトミックスもそう悪いものではないし、むしろ連続感に関して言えば上かもしれない。

連結間隔については、伸縮式カプラーを採用するカトーの方が有利であり、非伸縮式のトミックスはどうしても広くなってしまう。ただ、E4系は車高がある(縦長)せいか数値ほどの広さは感じないと思う(目の錯覚?)。

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カトーの外幌は後退角があるので、この角度では妻面が見えてしまい連続感を損ねているのに対し、トミックスはボディ断面にも色がきちんと回っているから、なかなかの連続感である。

実車の外幌は上部に切り込みがあるが、カトーはここを表現していて凝っている。トミックスは構造上難しいのか、切り込みの表現はない。幌の高さも若干足りていないようだ(車端部屋根が別パーツだからかもしれない)。


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トミックスのR=317mmのカーブを通過中(アウト側)。曲線通過中の見た目はどちらも・・・まあ、Nゲージなので仕方がありませんな。

500系のページなどでほとんど語りつくしてしまった感があるが(汗、両者ともそれぞれ実績のある方式を採用していて、E4系ならではの特殊な連結機構というのはない。また、どちらも走行性はまったく問題はない。

カトーのカプラーは扱いやすいし、連結間隔が狭くて見た目にも良い。一方、トミックスのフックリングカプラーは走行安定性は良いし、連結方向が決まっているので使い勝手もいい。見た目でなんとなくカトーに軍配を上げてしまいそうだけど、トミックスとて水準には達している。

連結部分は方式も見た目も大きく差の出る個所ではあるが、Nゲージならではの制約があるので仕方がない。模型の構成要素の一つに過ぎないわけだし、評価に結び付けるほど深く考える必要はないと思う(連結部分を最優先に考える人がいても、それはそれでいいんですが)。

●ギミック

カトー・トミックスともに先頭部に分割併合用の連結装置を備えている。詳細についてはこちらもご覧いただきたい。

●先頭部連結器

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カトーは「オープンノーズカプラー」、トミックスは「格納式TNカプラー」を備えている。カトーはご覧の通り、実車同様にカバーが車体内に格納される方式で、カバーの「チラ見せ」がリアル。

一方、トミックスはカバーはキャップのように外れるし、車体のプラも厚めなので見た目では一歩劣るようだ。


E4系_0626

実車と比べると模型の連結器はかなり大きい。強度なども考えると仕方がないのだが。

丸い突起とか、連結器本体の形状はカトーの方が似てるかもしれない。トミックスは連結器本体で連結するので(TNカプラー)、突起の形状をあまり丸くできない。逆に、連結器上部の電気連結器はカトーの方がラフ(KATOカプラー)。

全体的にはトミックスの方が精巧な印象かな。


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8号車(新青森・新潟寄り先頭車)の連結器により、同じメーカー同士の「つばさ」を連結できるほか、カトーとトミックスAセットは1号車(東京寄り先頭車)にも連結器があるので、E4系同士の重連も可能である。

それにしても、模型は連結間隔が広いのを実感させられる絵である。E4系よりもE3系「つばさ」の色の差が気になる方もいるかもしれないが(w、これについては後に執筆予定のE3系の記事にて。


模型の概要でも書いたが、トミックスBセットは片側の先頭車(8号車)にしか連結器を装備していないという仕様上、Bセット同士の重連はできないので注意してほしい(Aセット+Bセットという組み合わせであれば問題ない)。また、カトーとトミックスはカプラーに互換性がないので、重連はあくまでも同一メーカー同士に限られる。

●走行性能

走行性能については、メンテナンス状態、レールレイアウト、個体差などの要素があるので、あくまでも筆者の主観が強いことをお伝えしておく。また、簡単に済ませたい。

動力車はカトー・トミックスともに8両中1両が動力車となる。両者フライホイール動力であり、スムーズかつ静かである。音はトミックスの方が静かだと思った。個人的に、フライホイール動力になってからのトミックス動力は素晴らしいと思う。

車内表現の項でも述べたが、カトーは「シースルー動力」という階下席が見通せる特殊な動力になっているのだが、その代償として1台車駆動となっている。

E4系_0624

動力車である5号車を裏返して見たところで、右側はギアが見える動力台車だが、左側は通常の台車であることがわかる。

モーターを通常台車側に搭載して、階下席床にシャフトを通して反対側の動力台車を駆動する仕組み。


動力車の重量自体はトミックスとほぼ同じなのでトラクションはそれなりにかかるのだが、上り勾配ではやはり苦しい場面もあるようだ。上りで速度低下が起こるのはトミックスも同じだけど、カトーの方がより顕著というか。平坦区間は全く問題ないし、メーカー推奨の勾配ならそれほど問題ないと思うが、急だったり長かったりする上り勾配は注意が必要かもしれない。

ただし、E3系「つばさ」を併結した場合はE3系側の動力がアシストになるのか、速度低下はかなり緩和された。勾配条件の厳しいレイアウトの場合、E3系を併結する方が安心かもしれない。

一方、トミックスはオードソックスな2台車動力であり、8両中1動力でも特に問題はない。

カーブ通過半径はメーカー公称値はカトーがR=315mm、トミックスがR=280mmとなっているが、カトーもR=280mmをクリアすることは可能である(このページのコラム参照)。


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