●屋根上表現

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ここはトミックス旧製品(左)にもご登場願おう。300系は当初、屋根上がグレーで塗装されていたので(当時の鉄道雑誌で確認できる)、旧製品の屋根板はグレーでありボディとは別パーツとなっている。旧製品が発売された当時、後年シングルアームパンタ化される想定があるはずもなく、あくまでも塗り分けをシャープかつ手軽に表現するためだと思うが、その設計のおかげで、屋根板と一部ボディの新規製作だけでシングルアームパンタ化を実現できている(旧製品ボディの流用を許してしまったともいえるが・・・)。

マイクロエースはそのような経緯はないものの、今後バリエーション展開で下枠交差型パンタ時代を発売する場合に備えたのだろう、やはりボディを新規製作しなくて済むよう屋根上は別パーツとなっている。

はやぶさ様より、初期の300系の屋根はグレーで塗装されていたとの情報をいただきました。情報提供、誠にありがとうございます(2012/8/31)。
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ただし、マイクロエースの先頭車(写真左)についてはボディと屋根が一体化している。先頭車は下枠交差型パンタ時代から屋根上が変わっておらず、この製品が発表された時期は300系の廃車が始まっていたので、これ以上の変化は考えられず一体型でも問題ないと判断されたのだろう。


鹿本様より、マイクロエースの先頭車はボディと屋根が一体化である旨の情報をいただきました。情報提供、誠にありがとうございます(2012/8/31)。
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トミックスは屋根板が別パーツなので、現行製品の白い屋根ではやはりパーツの分割線が出てしまう。しかし、別パーツではないマイクロエースもモールドで分割線(?)を表現している。屋根板が別パーツである中間車と整合性を取るためだろう。


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実車にも似たような分割線(?)が見えるので、まあ許容範囲ではないだろうか。


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マイクロエースは屋根板とボディの組み立て精度がイマイチで、一部車両では拡大するとこのように盛り上がってしまっている個体もある。この辺はトミックスの方が精度が高く、分割線も全体的に目立たなくなっている。

トミックスはベースが20年前の製品なわけだから、当時からそんな精度を持っていたと考えると何気にすごい。

ただ、走らせているのを見る分には、両者ともほとんど気にならないと思う。


●滑り止め表現

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真っ白なトミックスに対し、マイクロエースは滑り止めのグレーが目立ち、ぱっと見でも表現に差があることがわかる。

マイクロエースは屋根板が艶消しとなっていて、光沢のあるボディとメリハリを付けている。若干黄色がかっているのも特徴。


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トミックスの滑り止めはモールドで表現されていて、塗装も車体色と同じ。新製時や全般検査直後の実車を模した表現であり、500系や700系といった同社他製品にも共通する表現である。

一方、マイクロエースはグレーの塗装のみでモールドはないという、カトーの手法に近い表現になっている。実車はグレーの塗装は施されていないので、汚れを表現したものと解釈できる。

マイクロエースには屋根上に号車番号が印刷されているが、トミックスも付属のインレタで表現できる。


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実車に屋根はこんな感じだが、時期によって変わるのでこれといった正解がない。ただし、汚れの表現といっても(カトーもそうだが)マイクロエースほどくっきり出ることはなく、リアリティよりもデフォルメ表現として考えた方がよいだろう。

一方、トミックスの状態は全検直後とかには確かに見られるものであり、特定のシチューエション下に限り実車に忠実といえる。ただ、あまりお目にかかれる状況でもないので違和感を感じなくもない?


●屋根上のハッチ(?)

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実車の奇数号車(写真は15・16号車間で左が15号車)東京寄りの屋根には、四角いハッチ状のものがある。


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トミックスはモールドで表現していて、マイクロエースはシンプルな印刷表現となっている。これだけ見ると、トミックスに軍配が上がりそうだが・・・


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トミックスは表現があるのは1号車のみ。モールドは各種屋根板を作り分けする必要があるので、専用の屋根板を使う1号車以外は表現が難しかったようだ。

マイクロエースは二重線(?)が引いてあるだけで若干チープな印象を受けるが、高圧線のジョイントがあろうがなかろうが表現するのは簡単なようで、実車に忠実な配置を実現している。


●検電アンテナ

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トミックスのアンテナは同社他製品(0系など)と同じパーツとなるが、マイクロエースは同社他製品で使用していたものとは別パーツのようで、なんとなくだがカトーのアンテナに近い形状な気がする。車体への取り付け精度はトミックスの方が高いようだ。

マイクロエースはアンテナ上部の塗装が剥げてしまっているが、これは筆者が何度か曲げてしまっているから。車両ケースのウレタンはアンテナ周囲の余白が少ないので、油断するとひっかけることがたまにある。注意されたし。


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他形式でもそうだが、実車のアンテナと比べて鋭さは不足しているようだ。強いていうなら、アンテナ先端が細いトミックスの方が実車にやや近いか。


●先頭車無線アンテナ

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300系の無線アンテナは後の700系などと比べるとシンプルな台形となっている。アンテナがあるのは博多寄り先頭車の1号車のみ。


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シンプルな形状なので、ここはそれほど差は付かないようだ。ただ、分かりづらいがトミックスはアンテナ前方(写真左方向)の縁にモールドがあり若干細かい。


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黄色丸がトミックスのみが表現している部分。


●高圧線ジョイント

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300系は当初、連結部はすべて傾斜型ケーブルヘッドだったが、シングルアームパンタ化された際に700系などと同様の直ジョイント方式に変更された(J59〜J61編成は当初から直ジョイント)。模型は両者ともシングルアームパンタ仕様なので、連結部は直ジョイントで表現されている。

ジョイントの形状は大差ないが、土台の部分はトミックスは控えめ、マイクロエースは高さがありはっきりしている。マイクロエースは車端まで高圧線のケーブルが伸びているが、ここもカトーと同じ手法を採っている。ただし、カトーと異なりケーブル先端にあるローラーの表現はない。トミックスはここのケーブルは伝統的に省略している。


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土台部分は意外と高さと幅があるので、マイクロエースの方がそれっぽい気がする。ケーブルは山側(パンタ付近は海側)にたわみがあるが、模型ではストレートに表現。


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あまり目立たないが、マイクロエースは高圧線の横に留め具のようなモールドがある。


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実車の高圧線は車体から浮いた位置にあるので、それを表現したのだろう。従来、カトーもトミックスもやったことがない表現だが、実際には高圧線の真下に支えがあり、横にはみ出ているではないのでリアルかというと疑問が残る。


●高圧線終端処理1

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3号車博多寄りは700系などと同様、高圧線が妻面に引き込まれている。


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トミックスは高圧線が引きこまれる過程の曲がりを表現しているが途中で途切れている。屋根板とボディが別パーツであり、連結方式が可動幌なのでやむを得ないかもしれない。

マイクロエースも屋根板・ボディが別パーツとはいえ、妻面には別パーツを用いて引き込みを表現している。ただ、屋根上から妻面にかけての曲がり表現はカクカクしており、実車と比べると微妙かもしれない。


●高圧線終端処理2

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15号車の博多寄りも700系と同じような形状に改められた。なお、筆者のマイクロエースJ編成は購入時点で妻面の高圧線パーツが欠損していたため(同社はこういうところがダメだよなあ)、F編成で代用した。

両者とも台状になっているカバーから高圧線がリターンしているが、妻面への引き込み処理はおおむね3号車と共通している。


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カバー部分はマイクロエースは絞り込みが強く、トミックスとは形状に若干の差がある。また、リターンする高圧線および留め具のモールドが濃いのも特徴である。

同じような形状のカトーの700系ではカバー上の滑り止め塗装が省略されていたがマイクロエースは再現。トミックスもモールドできちんと再現されている。


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この角度ではどちらが実車に近いのか何とも・・・まあ、両者問題になるほどの差はないと考えてよいと思う。


●その他高圧線処理

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6・12号車のパンタカバーからも高圧線引き込みがあり、ここの表現も3・15号車と共通している。車体間のケーブルを省略しているトミックスは1本だが、マイクロエースは車体間のケーブルと妻面の引き込みを表現しているので2本となっている。


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実車も2本のケーブルが生えているが、トミックスの1本が中央から出ているのはおかしい気がする。妻面に引き込んでいるケーブルであれば、本来はやや山側にずれているべきである。

この点はカクカク表現ながら、マイクロエースの方が実車に忠実といえるだろう。


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次の項目で扱うが、9号車の傾斜型ケーブルヘッドからも高圧線の引き込みがある。ここの表現も他の個所と共通している。


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前述の通り、マイクロエースは妻面に引き込まれる高圧線を別パーツで表現しているが、正直なところ取り付け精度はあまり高くなく、屋根上からの連続感はいまひとつである。


●ケーブルヘッド

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4・5号車間、12・13号車間は傾斜型ケーブルヘッドで高圧線を渡している。元々は小型のケーブルヘッドだったが、シングルアームパンタ化された際に700系と同じ大型のものに変更された。

全体的な感じ(傾斜角度など)はトミックスの方がそれっぽい気がする。マイクロエースはややずんぐりした印象だが、車体接合部のボルトを表現していて細かい。マイクロエースは汚れているように見えるが、屋根上のグレーが反射しているだけである。

ガイシのバランスもトミックスの方がいい感じだが(おそらく700系B編成と同じパーツだと思う)、マイクロエースのガイシ先端部は実車のそれを模したような形状である。

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8・9号車間も傾斜型ケーブルヘッドになっているが、初期車にはこの位置にもパンタがあった関係からか、8号車は小型、9号車は大型という独特なものになっている。

ガイシパーツは前述の4・5号車間、12・13号車間と同じ物が使用されている。9号車(写真右側)の「大型」はあまり差がないが、8号車の「小型」は形状が異なっている(どういうことかは後述する)。なお、マイクロエースは比較しやすいF編成がサンプルである。

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「比較しやすい」というのは、マイクロエースはJ61編成(下)とF9編成(上)で8号車のケーブルヘッドを作り分けているから。

これも後述するが、実車のJ59〜J61編成は8号車側の傾斜部が大きい(4・5号車間のものと同じ)ためである。トミックスとの比較には形状が近いF編成を用いたという訳。


現在のところ実車編の記事がないのでここで書くしかないのだが(後で移行するかも)、8・9号車間のケーブルヘッドについて少々突っ込んだ話をしてみたい。

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実車において、8・9号車間のケーブルヘッドは3種類ある。8号車は写真右側で、中段は分かりやすいように画像を左右反転させているのでご了承を(山側の写真がなかったもんで・・・)。

まず異なるのが8号車側の形状で、「上段」は小型で傾斜角が2段階付けられていて、「中段」は小型だが傾斜角が一定に近い。「下段」は前述したJ59編成以降のもので、4・5号車間と同じものだ。「下段」はともかく、「上段」と「中段」の違いは意外と知られていないかもしれない。また、「上段」は「中段・下段」と比べてガイシが少し高い位置にあり、対応する9号車側の形状も若干異なっている。

とりわけ「上段」と「中段」の違いは、9号車にパンタがあったかどうかに起因している。300系は当初パンタが3基(6・9・12号車に装備)だったが、後に9号車からパンタを撤去した際、8・9号車間には「上段」のケーブルヘッドが設置された。J30編成以降は当初から9号車のパンタがなく、8・9号車間にはやはりケーブルヘッドを設置したが、形状は「中段」のものになった。J59編成以降は700系(C0編成)がすでに登場していたこともあり、「下段」が採用された。なお、F編成は全車パンタ3基時代の車両なので「上段」のみである。

カトー300系レビューの際に過去写真を漁っていたところ、F編成のうちF8編成のみは「中段」であることを確認。同編成はパンタ3基だったのに理由不明だが、なにか試験的な意味があったのかもしれない。(2023/3/30追記)
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写真はJ29編成以前およびF編成のもので、屋根上に歯形のようなパンタカバー撤去跡ある。8号車側も先ほどの写真でいう「上段」になっていることがわかる。


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こちらはJ30編成以降のもので、最初からパンタはないので当然撤去跡もない。8号車側も先ほどの写真でいう「中段」になっている。これがJ59編成以降では「下段」になる。

前述のとおり、ガイシの位置がJ29編成以前よりも低く、対応する9号車側の高さも低くなっていることがわかる。


もうひとつ。300系だけでなく他形式でも見られることだが、傾斜型ケーブルヘッドのガイシ直下の屋根板には、高圧線に対し安全な絶縁距離を保つためスロープ状の切り欠きが設けられている

300系も(それこそ直ジョイント化改造前から)基本的には切り欠きがあるのだけど、J29編成以前の8・9号間にはパンタがあった関係で元々切り欠きが存在しない。パンタを撤去し傾斜型ケーブルヘッドに変更した際、特に切り欠きを設ける改造を行わなかったので、ガイシ自体をハイマウントにし絶縁距離を稼いだ。余談だが、N700系の16両編成のケーブルヘッドがやたら高い位置にあるのは、全周幌化により屋根板に切り欠きを設けられなかったからだろう。したがって、「上段」は「中段・下段」にはガイシの高さだけでなく、屋根板の切り欠き有無にも差があることになる(わかりづらいが、上の写真でもそうなっている)

それらを考慮してみると、トミックスはJ・F編成ともに客用扉がプラグドアの初期車(当初パンタ3基)なので、「上段」が適用されていて正しい。マイクロエースのJ編成(J61編成)は「下段」が適用されていてやはり正しい。しかし、同社のF編成(F9編成)は「中段」が適用されていて実車とは異なっている(F編成は全編成「上段」が正しい)。

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9号車側の大型ケーブルヘッドは、上にあるサイドからの写真を見ても「高さ」の差はほとんどなく、実車も幅が違うのかもしれないけど「幅」のみで作り分けているような感じだ。トミックスは狭く、マイクロエースは広い。

どちらかといえば、トミックスの高さが足りない気がする。そのために絶縁距離を稼いだわけではないだろうが(苦笑)、屋根板の切り欠きも表現してしまっており(ただし、表現自体は控えめ)、プロトタイプを考えると厳密には異なる。一方、マイクロエースはJ61編成は正しく、F9編成は実車と異なっているといえる。


結局のところ、トミックスは大まかには正しいが、ガイシ高さと屋根板の切り欠きが惜しい。マイクロエースはJ編成は実車に忠実、F編成は実車と異なっていることになる。9号車側はJ編成と共用になるのは仕方がないかもしれないが、8号車側は作り分けたのになぜか・・・J30〜58編成あたりを狙って、バリエーション展開を想定しているのだろうか?

Y.Ishii様(「趣味の鉄道模型ホームページ」管理人様)より、8・9号車間ケーブルヘッド直下の屋根板切り欠き有無について情報をいただきました。情報提供、誠にありがとうございます(2014/5/26)。

従来、新幹線は国鉄型ばかり手掛けてきたマイクロエースがJR形の屋根上、特に直ジョイントやシングルアームパンタを手掛けるのは、今回の300系が初めてである。先行するカトー・トミックスに対してどんな表現になるか非常に興味があったのだけど、ここまで見た感じだと、どちらかといえばリアリティよりも模型としてのメリハリを重視した印象で、滑り止めなどの表現方法を見ているとカトーを参考にしたようだ。

一方のトミックスは実車(特に出場直後のシチュエーション)に忠実であり、これは同社他製品でも見られる特徴である。ただ、同社の700系(B編成)もそうだが、模型としては淡白な印象になってしまうことも否めない。

他形式でのカトーvsトミックスと同じような構図となったが、模型では実車に忠実であることが必ずしも正しいとはいえないので、どちらの表現方法がよいかは完全に各人の好みであろう。

ただ、今回カトーの代役(?)となったマイクロエースだが、組み立て精度はイマイチで、全体的に「雑」なのが残念。この辺が改善されると、それこそカトー・トミックスに肉薄した「JR形の屋根」を再現できると思うのだが。

●パンタグラフおよび周辺

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J編成のパンタグラフ周辺で12号車をサンプルとした。ぱっと見の違いとして、全体的に「白い」トミックスに対し、マイクロエースは滑り止めのグレーが目立つ。パンタカバー側面の遮音板、パンタグラフ本体のグレーの色調も異なり、トミックスはニュートラルなグレー、マイクロエースはやや明るい暖色系グレーとなっている。

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こちらはF編成。6号車なのでパンタの向きが先ほどとは逆になっている。どちらもJR西日本車の特徴である白い遮音板を表現しているが、トミックスはますます白さに拍車がかかっている。J編成のパンタと比べ、トミックスはグレーが明るくなっているが(実車がそうなのだろうか?)、マイクロエースは同じである。

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パンタ自体の形状を見比べると、マイクロエースは関節部分がゴツイが全体的なスケール感は悪くなく(カトーの700系も関節がゴツいし)、先行しているメーカーと比べても決して引けは取らない。パンタもなんとなくカトーを参考にしたような感じを受けるが、車体へは4本の脚(ガイシ)で固定していること、ガイシが白くない点は異なる。

トミックスは同社の700系等で使用しているものと同じであり、すでに定評があるというか、特に言及することはない。

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マイクロエースのパンタの欠点はリフト量が少ないこと。目いっぱい上げても必要最低限の高さという感じで、体が硬い人(←筆者)の関節を無理矢理曲げるようで、リフトさせる際はなんか痛々しい。

パンタカバー側面の遮音板はトミックスは上部のRが緩いが、マイクロエースはきつめ。また、カバーにある四角い穴の位置も結構異なっている。マイクロエースは穴が白いが、遮音板に穴があいているため。トミックスは凹モールドで表現している。

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遮音板の形状・四角い穴の位置ともに、トミックスの方が実車に近いといえるだろう。遮音板の形状はともかく、マイクロエースの穴の位置は少々理解に苦しむ。

ただし、車体に対する遮音板の位置はマイクロエースの方が近い気がする。車体の肩のライン(明るくなっている部分)と比べても、トミックスは位置が若干低めだ。


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マイクロエースは遮音板に穴が開いていてリッチな表現だが(それだけに位置が悔やまれる)、奥のガイシ覆い部分には開いていない。なお、パンタはこれが限界まで上げきっている状態。


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真っ白なトミックスに対し、マイクロエースはパンタカバー(ガイシ覆い)のスロープにも塗装があって派手な印象。

遮音板の位置の差も分かるかと思う。トミックスは屋根板とボディの分割線を避ける位置にあるが、マイクロエースは分割線上にあり、結果的に後者の方が高い位置になっている。


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実車は検査時期などにより一定ではないが、この写真を見るとマイクロエースの表現もアリといえばアリだろう。

余談だが、下枠交差型パンタ時代のパンタカバー撤去後がうっすらと見える。


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パンタカバー内部は、マイクロエースはガイシからパンタに高圧線が伸びていたり(白いので色差したい)、内部のモールドが細かったりする。一方のトミックスは必要最低限のモールドとなっている。覗き込まない限り特に不足はないと思うが。


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パンタカバーの構成も異なる。トミックスはカバー全体が一体化しており屋根板とは別体、マイクロエースはスロープの途中まで屋根板にモールドされ、そこから別パーツとなっている。


マイクロエースにとっては、新幹線用のシングルアームパンタも初めてである。同社の在来線用シングルアームパンタは一部を除きスケール的に太い・ゴツイものがあったので少々心配していたが、そのへんは杞憂だったようだ。

こちらもカトーを参考にしたフシがあるが、パンタのリフト量の少なさを見るにつけ、まだまだ慣れていないという印象を受けた。パンタカバー遮音板の穴の位置もちょっと残念。今後JR形の新製品(700系とか)があるのかはわからないが、その時にはぜひ改善してもらいたい。

トミックスは同じような構成のパンタを700系で実現しているし、同じパーツも使われているので極めて安定している印象だった。そんな同社も、初のシングルアームパンタ製品だったE3系では、マイクロエース並みにリフト量が渋かったのだ(現行品もそうだから現在進行形か)。継続して今の安定があると思うので、マイクロエースもそうなることを願ってやまない。


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