実車について |
模型の概要&製品ラインナップ |
比較レビュー1 序・先頭形状・車体各部表現 |
比較レビュー2 屋根上・パンタ周辺 |
比較レビュー3 塗装・灯火類・室内 |
比較レビュー4 床下・連結部分・ギミック |
比較レビュー5 全形式比較 |
比較レビュー6 収納性・付属品 |
比較レビュー7 総評 |
トミックス 500系7000番台(V編成)「こだま」レビュー |
500系の模型はカトーとトミックスから発売されている。
実車が東海道新幹線に乗り入れて東京〜博多間の「のぞみ」に投入されたのが1997年11月、両社からは約1年後の1998年11月にほぼ同時期に発売となった。そもそも登場時からインパクトのあった車両なので当然かもしれないが、当時は現在のような「鉄道ブーム」ではなかったことを考えても、製品化は早かったといっていいだろう。
実車がバリエーションに乏しいのでW編成の量産車についてはプロトタイプが同じにならざるを得ず、完全に競作となっている。両者ともホクロなし・車体の分割線が前方まで伸びていない(実車編の解説参照)、W3編成以降の量産車をプロトタイプにしているが、発売当初は形式番号まで同じW3編成だった。トミックスは後述のリニューアルにより形式番号をインレタで変更できるようになったため、両者で編成が重複することはなくなっている。
大規模なリニューアルや商品構成変更も2006年10月と同じ時期に行われているのも面白い。両社相談しているわけではないと思うが・・・なお、カトー製は現在「ベストセレクション」という製品群になっているが、内容は2006年10月以降の商品とまったく同じである。
カトーの2006年10月の商品構成変更は、従来の7+5+2+2両というセット構成を700系と同様に4+4+8両という構成に変え、16両編成が2つのブックケースに収まるようにしたものである。また、従来の2両増結セットは形式番号や号車番号が重複してしまい付属のステッカーで修正するようなスタイルだったが、これも印刷済みに変更されている。ただし、模型自体はほとんど変わっていない。
細かい点ではカトーはヘッドライトのLEDが黄色から白色に変更されている。時期は不明だが、1999年末に700系が白色LEDで製品化され、2004年ごろのカタログでは500系も白色化されているので、おおよそ2000〜2003年頃だと思われる。
一方、トミックスの2006年10月リニューアルは旧製品をベースに可能な限りの改良で最新製品の仕様に仕立てるという同社お得意の方法ながらも、車端の窓ガラスが入ったり、動力をフライホイール化したり、新集電方式にしたり、インレタの内容を刷新するなど、比較的大がかりなリニューアル内容となっている。ただし、セットの構成は全く変わっていない。
2010年9月には500系の最終「のぞみ29号(東京→博多)」を再現した「さよならのぞみ」セットが発売された。模型自体は従来の量産車と同じ仕様であり、動力のフライホイール化や新集電方式を引き続き採用のうえ新たに通電カプラーを採用。ヘッドライトは黄色LEDから電球色LEDに変更されている。「のぞみ」最終運転日に用いられたW1編成の編成番号や形式番号、先頭部の「ホクロ」は印刷済みとなっている。その他、乗務員扉の窓枠が車体色になっているなど実車に沿った変更が行われている。模型は特製パッケージの16両セットで発売され、限定品なのでカタログには記載されていない。
2012年2月には、トミックスから山陽新幹線「こだま」として活躍しているV編成も発売。実車が営業運転を始めたのは2008年12月(V編成化完了は2010年6月)であり、すでにW編成の製品があることを考えると製品化が遅いような気もするが、それでも新規製作が必要なパーツ(ボディなど)がいくつかあること、W編成時代に比べて幾分マイナーな存在になってしまった感もあり(時期的にE5系やN700系S・R編成の話題が強かったこともある)、やむを得なかったのかもしれない。
カトー・トミックスともにW編成は定期的に改良や再生産が行われており、スターターセットも用意されるなど人気商品となっている。V編成はトミックスのみの製品化となるが、カンセンジャーラッピングやプラレールカー、「500TYPE EVA」といった限定品もラインナップに加えている。また、カトーもW編成べースのタイプ製品ながら「500TYPE EVA」を発売した。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-382 | 500系 新幹線「のぞみ」 7両基本セット | 7 | ブックケース | 16,400 |
10-548 | 500系 新幹線「のぞみ」 5両増結セット | 5 | ブックケース(小型) | 8,600 |
10-384 | 500系 新幹線「のぞみ」 2両増結セット | 2 | 紙パック+単品ケース | 3,100 |
形式番号はW3編成のものが印刷されている。2両増結セットは2つ必要で、4・6号車と12・14号車にそれぞれ割り当てるが、号車番号と形式番号は4・6号車で印刷済みとなっているので、付属のステッカーで変更する必要がある(このへんは同社の100系「グランドひかり」の構成に準じている)。車両は16両分用意され形式代用はない。動力車は10号車に1両組み込まれている。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-510 | 500系 新幹線「のぞみ」 4両基本セット | 4 | 紙パック+単品ケース | 11,200 |
10-511 | 500系 新幹線「のぞみ」 4両増結セット | 4 | ブックケース | 8,000 |
10-512 | 500系 新幹線「のぞみ」 8両増結セット | 8 | ブックケース | 13,000 |
商品構成が700系に準じたものになったこと、16両すべてがブックケースに収まるようになったこと(従来品は2両増結セット分の4両が収納できない)、価格が若干上がったこと、品番が従来製品との違いとなる。
形式番号はW3編成のままで変わらないが、同じセットを複数買うことがなくなったので号車・形式番号が重複する点は改善された。
3つのセットで構成される。中央が4両基本セット、後ろのブックケース右が4両増結、左が8両増結セット。すべて揃えて16両フル編成となる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-942 | 500系 新幹線「500 TYPE EVA」タイプ 8両セット | 8 | ブックケース | 30,000 |
車番は実車通りだが、模型自体は従来のW編成の車両をベースにしているため、パンタグラフやカバーが異なる、2、7号車の検電アンテナがない、7号車の窓埋めが塗装で済まされているなど、実車と異なる点が多い「タイプ」製品となっている。描き下ろしのパッケージ、エヴァ仕様のリレーラーが付属、同作品を意識したようなマニュアルなど、模型というより「エヴァンゲリオングッズ」としての性質が強い製品。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92082 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 基本セット | 3 | 紙パック | 8,900 |
92083 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 増結セットA | 4 | ブックケース | 8,600 |
92084 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 増結セットB | 4 | ブックケース | 8,500 |
2872 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 526[4・6・12・14号車]増結用 | 1 | 単品ケース | 1,700 |
2876 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 527-700(M)[11号車]増結用 | 1 | 単品ケース | 4,300 |
トミックスはセットのほか単品製品があるのが特徴。これは発売当時ユーザの懐具合や環境に合わせて編成を選択できるように配慮した結果かと思うが、フル編成志向の強い現在では少々面倒な商品構成ではある。形式番号はW3編成のものが印刷されている。
価格はカトーのほうが価格が安いが、新幹線に限らずもともとカトーは安めであり、動力車が1両多いトミックスは不利でもある。
こちらも形式代用はないが少し補足しておく。4・6・12・14号車には526形と528形という車両が割り当てられているが、外見上はほとんど同じ車両であるため、両者とも模型では同一の車体に印刷(号車番号・形式番号)のみで作り分けとしている。参考までに、2号車も526形だが屋根のみ異なる(ボディは共通)。5・13号車(パンタ車)は同一車両。3・15号車はボディは同じだが屋根板のみで作り分けとなっている。その他の車両はすべて作り分けられていて、カトーもトミックスも全く同じ手法を取っている。
この4・6・12・14号車はカトー初期製品は2両増結セット、トミックスは単品としているのだが、カトーは特になにも言及していないのに対し、トミックスのリニューアル前は「526形」と称して発売していたためか、528形を割り当てる4・12号車は「526形で代用」と表記していた。これはデフォルトでは526形の形式番号が印刷されているために「代用」としていたようだが、実際にはインレタで528形に変更できたので、「代用」というのは結構遠慮がちな表現である。
リニューアル後はすべての形式番号がインレタになり印刷が省略され、品名も「526(528)形」となり「代用」という表現は使わなくなった。カトーは4・6・12・14号車すべてをセット込み・形式番号印刷済みとしたため、最初から作り分けているものとしている。
厳密に言えば526形(6・14号車)と528形(4・12号車)に違いはある。526形の東京寄りの屋根上の高圧線ジョイントがそれで、大型タイプになっているのだ(詳細は屋根上のページで後述する)。トミックスはこの大型ジョイントを付属パーツを取り付けることで対応しているが、カトーはそもそも再現していない。両者とも代用はないといえばないし、あるといえばあるという感じだが、事実上、全形式作り分けされていると考えていいと思う。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92306 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 基本セット | 3 | 紙パック | 8,900 |
92307 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 増結セットA | 4 | ブックケース | 8,900 |
92308 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 増結セットB | 4 | ブックケース | 8,800 |
8835 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 526(528)[4・6・12・14号車]増結用 | 1 | 単品ケース | 1,700 |
8836 | JR 500系 東海道・山陽新幹線(のぞみ) 527-700(M)[11号車]増結用 | 1 | 単品ケース | 4,500 |
商品構成は旧製品と同じだが、リニューアル及び品番の変更と価格の改定が行われている。
形式番号の印刷がなくなりインレタで対応となった。ユーザが編成を選ぶことになるが、いずれの編成でも実車に忠実な番号にできる。車両は16両分用意され形式代用はない。
引き続き単品製品を組み合わせることになるが、「526」は「526(528)」に名称変更している。
基本セットのパッケージで、紙パック+発泡スチロールである。写真はリニューアル前のパッケージで、リニューアル後(現行)は全体のデザインはほとんど同じだが500系の写真が異なる。
増結セットA・Bはそれぞれブックケースに4両ずつセットされていて、その他は上に乗ってる単品でそろえる必要がある。写真ではわかりづらいが、左が「526(528)」で右が「527-700(M)」。フル編成にするには前者は4両分必要。
2006年のリニューアルで変更された点は以下の通り。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92968 | JR 500系 東海道・山陽新幹線「さよならのぞみ」 16両セット | 16 | 特製外箱+ブックケース×2 | 42,800 |
特別限定品「さよならのぞみ」セット。1セットで16両揃うが、車体表記の大部分が印刷済みになったこと、特製パッケージと付属パンフレット、通電カプラーの採用等で価格は大幅にアップした。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92815 | JR 500-7000系山陽新幹線(こだま) 8両セット | 8 | ブックケース | 21,000 |
編成は特定されておらず、インレタによりユーザが編成を選ぶことになるが、いずれの編成でも実車に忠実な番号にできる。従来製品がベースながら必要な車両はボディや屋根上の新規制作を行っているため形式代用はない。動力車は5号車に設定されている。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
98935 | JR 500-7000系山陽新幹線(プラレールカー) 8両セット | 8 | ブックケース | 22,000 |
V編成製品をベースに「プラレールカー」仕様に仕立てた限定品。外観上はロゴが追加された程度で従来製品と変わらず車内もそのままである。余談だがプロトタイプとなるV2編成は「プラレールカー」終了後は「500TYPE EVA」に改装された。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
98936 | JR 500-7000系山陽新幹線(カンセンジャーラッピング) 8両セット | 8 | ブックケース | 23,000 |
V編成製品をベースに「カンセンジャー」ラッピング仕様に仕立てた限定品。プロトタイプはV3編成で実車としては2代目、模型としては初の「カンセンジャー」仕様となる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
98948 | JR 500-7000系山陽新幹線(山陽新幹線全線開業40周年・カンセンジャーラッピング) 8両セット | 8 | ブックケース | 23,000 |
V編成製品をベースに「カンセンジャー」ラッピング仕様に仕立てた限定品。プロトタイプはV6編成で実車としては3代目、模型としては2代目の「カンセンジャー」仕様。山陽新幹線全線開業40周年のロゴも加わる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
98959 | JR 500-7000系山陽新幹線(500 TYPE EVA) 8両セット | 8 | ブックケース | 35,000 |
V編成製品をベースに「500TYPE EVA」仕様に仕立てた限定品。プロトタイプはV2編成で、同編成は「プラレールカー」に続いての製品化。カトーと異なり、こちらは正規のV編成をベースにしている。山陽新幹線全線開業40周年のロゴも加わる。
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