E6系の模型はカトーとトミックスから発売されている。
実車の営業運転開始前から、早くも二社競作の展開となっていた。
カトーはE5系発売の時点でE6系の発売もほのめかしていたが、量産車が登場してほどない2012年12月に正式に製品化発表。実車の運転開始と同日の2013年3月16日(店頭に並んだ日)に発売された。相変わらずタイトなスケジュールに感じるが、E5系の時とほぼ同じスケジュールであり、量産先行試作車がかなり前から走っていたこと、量産車と外観の変化はほとんどないこと、KATOダイアフラムカプラーや先頭部連結器といった、E5系に準じたある意味こなれた仕様ということもあって、こちらが思っているほどスケジュールに無理はないのかもしれない。
基本と増結の2セット構成で、基本セットは紙パックの3両セットであり、E5系、ドクターイエローのような初心者向けを意識した製品となっている。プロトタイプは量産編成のトップナンバーZ2編成で、例によって行先表示なども印刷済みである。
一方のトミックスは2013年のカタログで相方E5系と共に製品化発表し、カトーより4ヶ月ほど後の2013年7月に発売された。セット構成はカトーと全く同じで、基本セットがやはり初心者向けの目立つ紙パックになる点も同じだ。ただし、こちらはフル編成の初回限定品も用意され、通常品との差異はほとんどないがZ3編成の車番が印刷済みで、同社のN700系などと同様の発売戦略を採っている。ちなみに、通常品は基本セットのみZ4編成の車番が印刷されている(増結セットのインレタで変更可能)。
トミックスE6系で興味深いのは、ミニ新幹線の先輩格、400系・E3系と異なり、「ミニ新幹線はフル規格車両ありき」という前例から外れ、相方のE5系よりも先に発売された点。とはいえ、やはりE5系の発売も前提になっており、先頭車には併結のための格納式TNカプラーを装備。また、ミニ新幹線では初めて通電カプラーが採用されたが、新型の「フック・U字型」となった。可動幌ゆえに全周幌の再現は比較的容易で、名指しはしていないもののカトーに対するアドバンテージと考えていたためか、発売前からアピールしていた。ちなみに、先頭車が動力車ではないことも400系・E3系とは異なる。
E6系にはやはりE5系が欠かせない。両社ともその点は十分承知していたようで、当初からE5系・E6系はパックで考えていたのだろう。発売タイミングは異なったがE5系も出揃っており、ともども違いを楽しめる。実車のE6系はZ7編成以降、パンタカバーや連結部外幌の形状が変更されたが、模型は発売タイミング上変更前のみのラインナップである。量産先行試作車でも外観がほとんど変わらないこともあり、今後のラインナップは当分変わらないと思われる。
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