実車について |
模型の概要&製品ラインナップ |
比較レビュー1 序・先頭形状・車体各部・屋根上 |
比較レビュー2 塗装・灯火類・室内 |
比較レビュー3 床下・連結部分・ギミック |
比較レビュー4 全形式比較・総評 |
トミックス H5系北海道新幹線 レビュー |
2015年7月、トミックスからH5系北海道新幹線が発売された。製品構成は以下の通り。なお、以下は通常品となるが10両1セットの初回限定品も存在する。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92566 | JR H5系北海道新幹線 基本セット | 3 | 紙パック | 9,900 |
92567 | JR H5系北海道新幹線 増結セットA | 3 | ブックケース | 7,700 |
92568 | JR H5系北海道新幹線 増結セットB | 4 | ブックケース | 10,400 |
北海道新幹線開業まで半年以上も前に発売されたトミックスH5系。基本はE5系と変わらないが、JR北海道ならではの意匠が見られる塗装やロゴマークを再現。
基本セットと増結セット2つで構成される。基本セットが紙パック入りという点はE5系と異なる。写真は通常品となるが「はやぶさ」の名称が製品名に入った初回限定品も10両フル編成の特製パッケージ入りでラインナップされる。
E5系と同様、2つのブックケースに10両フル編成を収納可能。
それにしてもパッケージ写真、先頭部の台車カバーがなく思いっきり試運転中。ここまで製品化を先取り(?)した模型も珍しいのではないだろうか。開業後のロットはパッケージ写真が置き換えられるかも?
W7系もそうだったが、新幹線模型は営業運転開始と同じ日に発売されるどころか、その前から発売されるようになってしまったようだ。それでも、トミックスのW7系は1ヵ月早い(これでも十分早いが)程度だったが、今回紹介のH5系は営業運転開始の半年以上前に発売という事態に。W7系と同様にH5系の実車はそれなり早い時期に入線して試運転をこなしているし、少なくとも外観上はE5系の色・ロゴくらいしか差がないから、営業運転開始までに変化しないという前提があるのだろう。模型としてもE5系はすでにあるので製品化は容易だったと思うが、それにしてもこの早さは前代未聞だ。
なお、カトーにもE5系製品はあるが現時点では発売アナウンスはない。常識的に開業時以降に出す可能性はあるが、パンタグラフ周辺が実車と異なるのでパンタ車の屋根パーツは新規制作になるかもしれない。
例によって通常品でレビューを行う。また、前述のとおり従来のE5系製品と(以下略)だから、主に変更点のみ紹介するにとどめる。E5系のレビューも参考にしてほしい。
実車の時点で少なくとも外観についてはそうだと思うが、ぶっちゃけE5系の塗装と印刷を変えただけの製品なので、先頭形状はE5系と全く変わらない(ていうかあっては困る)。
ボディは同じパーツなわけだから側面の各部意匠もE5系と同じ。号車番号やグランクラスマークなど、E5系レベルの印刷クオリティを維持している。通常品の基本セット分(1・7・10号車)にはH1編成の車番が印刷済みとなっている。
E5系との塗装の違い。E5系の「つつじピンク」に対しH5系は「彩香パープル」になっていることがわかる。ホワイトはわずかに明るくなっているようだ。グリーンも違いがみられるが後述する。
H5系は外幌がE5系U28編成以降と同じタイプが採用されているため可動幌は黒1色になった。筆者所有のE5系の可動幌は実車っぽく塗装しているが、用いたクレオスのタイヤブラックと比べるとまさに「黒」という感じである。
ノーズの塗装はE5系と比べてシャープになっているものの、塗り分けラインがやや上方になったようだ。もっとも、気にならないレベルではある。
「E5系の塗装を変えただけ」と書いたが、実は常盤グリーンの塗装はかなり異なっている。カトーと比べてやや黄味が強い色調自体はE5系とあまり変わないものの、メタリックの粒子がかなり細かくなりラメ感が大幅に改善されている。写真じゃわかりにくいかもしれないけど、並べると肉眼でもその差がはっきりとわかるレベル。
なお、比較に用いたE5系は筆者所有の初回ロットのもので、後の再生産ロットではH5系のように細かいメタリックになっている模様。基本・増結で購入する場合はロット差に注意した方がよさそうだ。普段在庫がない店で再生産時に入荷したものを一気に買ってしまえば大丈夫だと思うけど・・・もっとも、個人的にはE5系に限らずフル編成で揃えるときの鉄則だと思ってる。
ただし、グリーン部分の光沢はやや抑えられた(ホワイト部分はE5系と同等)。色調はほぼ同じながら、メタリックの粒子感と光沢の違いでE5系とは見え方に差を感じることがある。
ロゴマークはJR北海道仕様のオリジナルでE5系のものとは異なる。印刷も実車同様に先頭車だけではなく中間車(3・5・7号車)にも施されている。2色しか使わずドットも荒かったE5系と比べると滑らかになった印象で、かなり改善がみられる。
なお、グリーンの色調に差がみられる理由は前述のとおりで、同じ露出・光線状態でもこのくらいの差が出ることがある。
実車ロゴマークはもう少し影が強くてメリハリがあり、模型のはちょっと淡い感じがする。
前述のとおり、可動幌は黒1色になった。カプラーは当然E5系と同じフック&U字型の通電カプラー。
連結させた状態も、見た目・連結間隔ともにまあいつも通りである。筆者はE6系をZ7編成以降に改造した際に外幌の枠を制作したけど、曲線通過を考えるとH5系では難しいかも。簡易な方法として、車体と可動幌の段差(ボディの断面)を黒で塗ってやるといいかもしれない。
別件になるが、今回もE5系のように床下がやや反っていたり、ボディ下部がガバガバで床下カバーと段差ができてしまっているようだ。E5系の時は修理に出したが、ここまで来ると面倒くさくなってきて両面テープでいいかな?とか思っている。室内灯ブチ込んだ後はそうそうボディは開けないしね。
ただまあ、せっかくの素晴らしい造形がぶち壊しになっているわけだから、メーカーには猛省を促したい。
この写真でもボディ下部の段差がわかる。先頭車先頭部はきちんとツライチになっているから余計に目立ってしまう。
なお、台車カバーに吸音パネルが表現されているが、H5系(E5系はU21編成以降)では省略されているので厳密には実車と異なっている。
【悲報】これでも点灯中
「E5系と塗装印刷以外は同じ」ということは、まあ灯火類も全く同じなわけで・・・
10号車にはE5系と同様に格納式TNカプラーを装備。E6系を併結することができる。
インレタは通常品でも「はやぶさ」と記載されている。収録レベルはE5系と同じで先頭部下部側面の編成番号はない。収録編成はH1・3・4編成。限定品はH2編成だから、実車の4編成すべてがカバーされていることになる。
何度も書くように基本的にはE5系と同じなので、長所・短所も概ね共通している。実車と異なる台車カバーはまあ妥協できるにしても、上方からではほとんど見えない灯火類、なによりボディと床下の組み合わせの悪さを考えると、何が何でもというオススメはしにくいかな・・・今後の再生産で改善されるはずもなく、カトーからもH5系が出てくるかもしれないし。
一方で、塗装や印刷に改善がみられることは確かだし、ボディと床下の件も両面テープで対処できなくはないので、いち早く北海道新幹線を味わいたい!というのであれば入手してよいかも。ただ、実車にはしごを外されるようなことはないと思いたいが、開業時に実車の見た目に変化があったら・・・開業まで半年以上もあるだけに、そうした不安もなくはない。だから買うならそんなこと気にせず「勢い」重視で!
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