実車について |
模型の概要&製品ラインナップ |
比較レビュー1 序・先頭形状・車体各部表現 |
比較レビュー2 屋根上・パンタ周辺 |
比較レビュー3 塗装・灯火類・室内 |
比較レビュー4 床下・連結部分・ギミック |
比較レビュー5 全形式比較 |
比較レビュー6 収納性・付属品 |
比較レビュー7 総評 |
トミックスE2系1000番台レビュー |
比較レビューに用いる製品は以下の通り。
手前からトミックス(あさま)、トミックス(はやて)、カトー(はやて)。
トミックスの2セットは2010年リニューアル(通電カプラー採用)前のものである。「はやて」仕様をメインに、適宜「あさま」仕様を絡めながら比較レビューを行う。
カトー「全線復旧1番列車」はこちらのコラムで紹介。
トミックスの1000番台はこちらで紹介。
各製品ごとの詳細は「模型の概要&製品ラインナップ」ページから「アーカイブ」を参照してほしい。
E223形(東京寄り先頭車)をサンプルとした。カトー・トミックスともに「はやて」仕様で比較。トミックス「あさま」は帯色が違うだけなので、一部を除き扱いを省略する。カトー「あさま」は残念ながら所有していないが、カタログ写真などから判断できることは言及していきたい。
基本的な形状は両者同じだが、それでも随所に差がみられる。
まず、肩からノーズにかけてのライン。トミックスは乗務員扉の上部後方あたりから下がり始め、全体的に緩やかなラインとなっているが、カトーは下がり始めが前方寄りで、少しえぐるようなラインになっていることがわかる。前面窓上部から屋根にかけてのラインもカトーは短めだ。
もう一つは、台車上部の膨らみ(実車編で筆者が「ブリスターフェンダー」と呼んだ個所)。上から見ると顕著だが、カトーは膨らみが前方寄りで、膨らみそのものも大きい。カタログ写真でしか判断できないが、カトー「あさま」も同じような感じである。
左の実車写真(停車目標が邪魔だが)を見ると、肩からノーズにかけてのラインはトミックスの方が実車に近いかもしれない。
真正面から見ても、カトーはブリスターフェンダーの表現が強いことが分かる。実車と比べても、カトーはかなり下ぶくれ気味。ここはトミックスの方が節度感があって程よいバランスだと思う。
トミックスはパーティングライン(金型の継ぎ目)が目立つ。製品の設計が古いこともあるが、特にノーズの中央部にラインが走っているのは残念。光の当たり具合によっては気になることも。
一方、カトーにもパーティングラインはあるが、塗装の塗り分けに巧い具合に溶け込んでいるので気にならないレベルである。「あさま」は古い製品なのでサイド部にラインが目立つが、ノーズの中央にラインがあるような事態にはなっていない。
ノーズ先端の連結器カバー3態。左が東京寄り、右が新青森・長野寄りとなる。実車編も参考のこと。
上段のカトー「はやて」は右が分割式カバーだが、左は分割線がない固定式カバー。プロトタイプのJ68編成は東京寄りも分割式なので(分割併合装置の準備工事)その点は間違い。
中段のトミックス「はやて」もカトーと同じ状況だが、J2〜J6編成と考えた場合はこれで正しい。
下段のトミックス「あさま」は両方とも固定式カバーだが、右の長野寄り先頭車には準備工事がなされているので分割式カバーが正解。カトー「あさま」については不明である。
全体的な大きさや形状は同じような感じだが、カトーは窓枠・ワイパーともに印刷のみで表現しているのに対し、トミックスは窓枠もワイパーもモールドがあり、その上で印刷を施している。
トミックスは全体的にガラスの厚みが目立っている上に、窓の下端中央部にボディと接合するためのツメが見えたり、ボディと微妙に段差があってツライチ感が今一つ(遠目には気にならないが)など、見た目には若干チープな印象を受ける。カトーと結構な差がついてしまっている気もするが、発売(設計)時期に相当間が空いているのでやむを得ないところか。現在の設計だったらトミックスも印刷表現にしていたと思われる。
カトーは窓の周囲に黒い枠があるように見えるが、ガラスパーツにスモークがかかっているので角度によってそう見えるだけである。「J68」という編成番号も印刷済み。トミックスには編成番号の印刷はないが、付属のインレタを施工することで表現可能。
真上から見てみると、カトーは運転台のコンソールやマスコンレバーなどが表現されていることが分かるが、トミックスはなんとコクピットの表現自体がない。窓から見える青いものは、客室座席パーツの一部分である。
下から見ると窓が見えてしまっている。上から見れば床下まで抜けていることはわからないし、遠目にはコクピットの表現があろうとなかろうと気にならないことも確かだが・・・個人的には釈然としない気も。
少なくとも筆者の知っている限り、コクピット表現が省略されている新幹線模型はこれだけである。
どちらも実車の形状をよく表現できているが、メーカーの解釈によるデフォルメの差も出ている。全体的にスマートな印象のトミックスに対し、カトーは肩からのラインやブリスターフェンダーがムキッと表現されてマッチョな印象かと思う。どちらかといえば実車に近いのはトミックスだと思うが、E2系はシンプルな顔立ちなので、カトーはメリハリを付けるためにデフォルメを強めにしているのではないだろうか。どちらのアプローチも間違っているわけではないので、あとは各人の好みの問題か。
ただ、細かく見た場合はトミックスはカトーに対して見劣りすることは否めない。トミックスは2004年(筆者の所有品)、2010年(現行品)にリニューアルされているが、ボディなど大部分のパーツは発売当時と同じものだ。今回比較しているカトー「はやて」とは10年近い発売(設計)時期の差があることも確かなのだが、ノーズ正面中央に走るパーティングライン、ツメがモロ見えの前面窓ガラス、コクピット表現がないなどは、設計が古いというだけでは首をかしげたくなる仕様ではある。E2系以前の製品ではほとんど見られなかったことだし、カタログ写真でしか確認できていないが、同時期のカトー「あさま」にはこのようなことはないのだから。
今後のリニューアルで改善してくれれば・・・と思うが、各種パーツを新規製作しなければならないので期待薄か。全体的なシルエットはカトーより実車に近いだけに惜しい。
扉や窓の位置関係はどちらも実車に忠実な印象だ。実車の0番台(右・J8編成)と1000番台(左・J71編成)にある、乗務員室扉のドアノブもそれぞれの形状で再現されている。カトーの乗務員扉上部がわずかに離れている以外、雨どいの位置もいい感じである。
大きく違うのは乗務員扉窓のサッシ表現で、カトーは実車よりも太めの印象だが銀色のサッシがあるのに対し、トミックスは表現を省略している。カトー「あさま」もサッシの表現はされておらず、この辺は設計が古いのでやむを得ないのかもしれない。トミックスの窓の大きさを見る限りは、サッシ込みの大きさのようだ。
実車編の写真も参考にしていただきたいが、それぞれドアの大きさ・形状ともに全く問題ない。1000番台(カトー)の引き戸、0番台(トミックス)のプラグドアもご覧の通りそれぞれ再現。
カトーにはドア下端にクツズリの銀色印刷が施されているがトミックスは省略。他形式モデルでも見られる、両者の伝統的な手法差である。
実車の0番台は「はやて化改造」で増結された7・8号車が1000番台仕様になっているが、トミックスも6・7号車間を見れば実車と同様の表現がなされていることがわかる(手前がプラグドアの6号車)。
グリーン車にある車掌室の窓はカトーはモールド+銀色印刷でサッシを表現しているが、トミックスはモールドも印刷もないシンプルな表現。大きさ・位置・形状はどちらもよい感じである。カトー「あさま」も銀色印刷はないので(モールドの有無は不明)、結局ここも設計時期の差が出たということだろうか。
なお、トミックスは2010年リニューアル以降のロット(現行品)については、モールド+銀色印刷が追加されている模様。ただし、前述の先頭車の乗務員室扉の窓は変わっていないようだ。
客用扉脇にある点検ハッチも0番台・1000番台の形状がそれぞれ再現されている。もちろん、トミックスの7・8号車は写真上段右の「ツライチタイプ」である。
カトーはハッチ四隅のボルトを省略しているが、これは他のモデルでも見られる特徴だ。
車体全般のモールドについては、カトー・トミックスともに特に問題はないと思う。トミックスの他モデルではモールドが薄かったり、ボッテリした塗装でモールドが埋まってしまうような例もあるが、E2系についてはそんなことはなく、設計が新しいカトーと比べても見劣りしてないんじゃないだろうか。
乗務員扉の窓・車掌室窓はサッシの表現に差があるが、トミックスは地味に改良しているようだ。カタログを見る限りカトー「あさま」も表現がないようだが、腕に自信があればユーザー側でフォローしてもいいかもしれない。
カトー(1000番台)とトミックス(0番台)は窓の大きさが違うので、大きさが近いグリーン車で比較してみた。こうして見る限りでは、トミックスの方が平面性が高くエッジも立っているような印象である。
ただし、車体との関係ではカトーの方がツライチに近く、トミックスはやや奥まり気味。下は普通車で、トミックスにもある大窓車両(7・8号車)で比較してみたがやはり奥まり気味である。ガラスの厚みもトミックスの方が目立っている。
行先表示の窓はどちらも引っ込み気味だが、トミックスは輪をかけて引っ込んでいる。
E2系の窓はツライチではなく、新幹線車両としては標準的な段差がある。このレベルの段差をNゲージで表現するのは無理があると思うが、それでもカトーは結構いい線いってるのではないだろうか。
カトーのガラスはわずかにスモークがかかっていて、トミックスは完全に無色透明。他のモデルでも見られる仕様だが、トミックスで感じられたガラスの厚みはこれが原因かも。
トミックスは連結面にある可動幌というパーツが車内に入ってくる関係で、車端部の客用扉の窓ガラスが省略されている(窓の反射がない)。
可動幌を採用したトミックス製品では定番の仕様だが、近年の製品は窓ガラスが装着されるようになっており、E2系も2010年のリニューアル以降の製品(現行品)には窓ガラスが追加されている。
筆者の所有品は2004年リニューアル製品なので、まだ窓ガラスがないというオチ。
カトーとトミックスの窓ガラスを比較すると、たいていカトーの方が車体に対して引っ込み気味であることが多いのだが、E2系では逆転しているのが面白い。
ただし、カトーも「あさま」についてはトミックスと同等かそれ以上に引っ込み気味で、やはり設計時期が大きく関係しているようだ。引っ込みレベルとしてはカトー「あさま」> トミックス>>>カトー「はやて」という感じだろうか。その後のE4系などではカトーの方が引っ込み気味に戻っていたりするから、E2系は特殊なのかもしれない。
もっとも、引っ込み気味といってもそれほど目立つものではなく、走行させているような状況では気なることはないだろう。
側面の表示機は行先表示がガラス、座席表示がモールドによる表現で、両者共通の仕様である。
客用窓に対する位置関係は両者とも問題ないと思うが、大きさについてはカトーは行先・座席表示とも若干大きめで(特に縦方向)、トミックスの方が実車に近いと思う。
実車の写真は行先・座席表示共に1000番台(J69編成まで)だが、0番台も大きさは同じである。E2系の座席表示はかなり小さいことに気づく。
近年のカトーは行先表示などを印刷済みにしているが、E2系はそれ以前の製品なので従来製品同様ステッカーが付属する。もしかすると、カトーの表示機の大きさはステッカーの貼りやすさを考慮しているのかもしれない。トミックスは伝統的に側面表示のステッカーが付属しないから、実車の大きさにこだわることができたとも考えられる。
トミックスにはステッカーが付属しないので、行先・座席表示を表現したい場合はカトーのを流用するか、サードパーティのステッカーを使うか、自作する必要がある。実車の走行中は消灯しているので、裏から黒で塗りつぶすのも表現方法の一つではある。
トミックスは運転席周辺に残念な点がいくつか見られたので、ユーザサイドで可能な限り改善できないかと、ちょっと試してみたので紹介する。なるべく金銭的にも技術的にもコストがかからない方法でやってみた。一応、全工程で3時間程度である。
トミックスは前面窓の厚みだけではなく、窓下部にあるボディとの接合ツメが目立っていてちょっとチープな印象を受ける。そこで、500系でもやったように、窓の断面を黒く塗装するというのをやってみた。
なお、繰り返してのお願いだが、下記程度の分解・改造でも、ある程度の技術力や知識は要する。それらに自信がない方、自己責任で出来ない方は、絶対に真似しないで欲しい。どのような結果になっても当サイトは一切の責任を負えないので。
床下を外したら、ボディの裏から前面窓パーツを外す。裏側から(今回問題になっている)窓下部の接合ツメを押してやることで外すことができる。ガラスに傷がつかないよう注意したい(金属製の工具は避けた方が無難)。
サンプルは「はやて」だが、「あさま」も全く同じである。
窓周囲の断面を塗ってみた。塗料はクレオスの水性つや消しブラック。この段階ですでにツメが見えなくなった。
窓下端中央部のラインが少し乱れているが、窓パーツの造形が内側に少し盛り上がっているらしく、そのまま断面を塗ると写真のようになってしまう。
ついでに、サイドの窓にスモークも塗ってみたがこちらが塗りムラができて轟沈。やめときゃよかったorz
窓上部にあるツメも塗ってやる。断面に若干塗り漏らしがあるが、窓上部はボディに組み込んでしまえば目立たないので問題ない。
ピントが奥に行ってしまったが、窓下部も塗る。こちらは目立つのできっちり塗りたい。問題のツメ(中央の突起)をきちんと塗るのが目立たなくするポイント。
窓断面を塗るのは結構難しい。形状が形状だけにマスキングも難しいが、それでもできるだけ(片面だけでも)施した方が良い。
ボディに取り付け組み立て、未施工の「あさま(写真左)」と比較してみた。
真上から見ると黒い断面が目立つが、それでもツメが目立つよりは相当マシだと思う。
斜め上から見た場合なら断面も目立たず、全体的にツライチ感が出たし、なにより落ち着いて見える。
この加工の副産物として、ヘッドライト点灯で窓ガラスがプリズム化して光ってしまうという点がかなり改善される。
トミックスは窓にモールドがあるので、窓枠などが光ってしまうのは相変わらずだが、それでも見た目にはかなり改善されたのではないだろうか。
トミックスはコクピットの表現自体がないことも欠点のひとつだ。確かに遠目にはそう目立つものではないが、他の新幹線模型では表現があるので、釈然としない方も少なくないと思う。
そこで、カトーのE2系にはコクピットの表現(パーツ)があるので、それを活用してトミックスにも再現してみることにした。当然ポン付けというわけにはいかないが、E2系同士なので寸法などはそれなりに合うはず。逆に考えると、トミックス単体ではこの改造はできず、カトー製品が必要ということになるが・・・
カトーE2系(はやて)のコクピットパーツを取りだす。運転席上部のプリズム部分が別パーツなので、それも外しておく。
そもそもパーツはそのまま流用できるはずがないが、カトーとトミックスでは運転室のスペースが異なる。カトーはご覧のとおり、運転席の背ずりが見えているし助手席も表現されているのだが・・・
トミックスはカトーの運転席直後のあたりに、黒いパーツが見えている。これはなにかというと・・・
光源やプリズムを格納した黒いボックスだった。前面窓の先端からの距離はかなり短く、やはり運転席直後までを納めるのが精いっぱいだろう。
このボックスごとカトーのパーツに置き換える方法もあるかもしれないが、さすがにそれは気合が入りすぎるので、今回はボックスはそのままにしておく。
工法として考えられるのは、カトーのパーツから運転席部分をトミックスのスペースに収まるように切断し、現物合わせで取り付けることだろう。
ただし、パーツの入手をどうするか。カトーのマニュアルを見てみると、コクピットパーツのみのASSYはなくボディごと購入する必要がある(しかも両先頭車分)。ジャンクで入手することもできるだろうが、そもそもパーツのごく一部しか流用しないので、ちょっともったいない。
もうひとつ考えられるのがパーツの複製だ。
パーツの複製方法としては「レジンキャスト」がメジャーだと思うが、コスト(手間含む)がそれなりにかかる。もともと改造等で常用しているとか、これを機に導入に踏み切るとかならいいけど、今回程度のパーツの大きさだと「そのため」だけに導入するのはお勧めしにくいし、筆者もためらいがある。
そこで、最近モデラー界でにわかに浸透しつつある(?)、「おゆまるコピー」という方法を採用してみた。
雑誌「RMM」でも取り上げられたし、ググると事例がたくさん出てくるので詳細は省くが、要するに「おゆまる」という100円ショップでも売っている玩具があって、それで型取りして材料を流し込み、パーツを複製してしまおうという寸法だ。コストが安いだけに、あまり複雑なものや大きいものは複製が困難だが、今回程度の事例にはちょうどよい。
カトーのコクピットパーツのうち、先端部分を型取りする。助手席(写真左側)の直後くらいまで取れれば十分だろう。
「おゆまる」を加熱すると(茹でるのがいいと思う。熱湯にする必要はないが、火傷注意)、粘土のように軟らかくなる。
そして、柔らかい状態で写真のようにパーツに押しつける。なんかスゴイ絵だ。
型が取れるほどに押しつけたら(気泡などに注意)、このままの状態で冷やす。氷水でもいいし、水道水で数分流せば「おゆまる」が硬化してくる。
硬化するといっても、ゴムのような弾力性があるので簡単にパーツを外すことができる。
パーツを外してみると、シートの背ずりがちょっと甘いが、コンソールやマスコンなど、予想以上にちゃんと型取りできてるではないか。
あとは、この型に材料を流し込めばいいわけだ。
材料はいろいろあると思うが、今回は「おゆまるコピー」では採用例が多いタミヤの「光硬化パテ」を使った(ヨ○バシで880円程度)。文字通り光(日光・蛍光灯など)を当てると固まるという不思議なパテだが、エポキシやポリパテのように混合する必要がないし、意外と粘度が低いので今回のような「キャスト」には向いていると思われる。
厚みのあるパーツは作れないが(2mmまで)、今回の用途には十分だろう。
「おゆまる」で作った型に盛る(流し込む?)。一応、必要な部分にしか流していない。黄色いのがパテで、見ただけだと本当に固まるのか半信半疑だが・・・
蛍光灯の光に当てること数分、なんだか固まってきた。
固まったパテのパーツを取り外すと・・・できてるじゃん!!
コンソールやシートだけではなく、細かなモールドまでコピーできてるとは。ちょっと感動だ。クセになりそう(w。
パテのマニュアルにもあるが、外したばかりのパーツは周囲がベタベタしているので、シンナー(クレオスなどでよい)で軽く拭き取る。
前述のとおり、運転席シートの背ずりあたりまでしか収まらないので大胆に切断・ヤスリで成型。
切削性はかなりよいが、削ると粉塵がかなり出るので吸い込まないよう注意。また、それだけに強度が低いかもしれないので丁寧に扱いたい(破損してもすぐ作れるが・・・)。
運転席の背ずりくらいで切断しているので、助手席は半分くらいしか残っていないのがわかる。
ボディに実装し、現物合わせで位置を調整。コンソールが窓から見えるくらいになっていればよいだろう。場合によってはさらに削って調整。削りすぎたら・・・またパーツを作りなおしてください。
両面テープなどを使って縦位置も検討する。ライトユニットにある屋根状の部分から、0.5mm程度あけるのがベストだろうか。正面から見るなどして、きちんと高さを出しておきたい。
パーツの位置決め(=切削)が終わったら塗装する。色はなんでもよいが、グレーが無難だろう。今回はGMの「ねずみ色9号」を使用。
こうしてみると、パーツとしてはまったく問題ない気がする。シートの裏の塗装が甘いが、見えないから問題ないでしょ。
実装はボディに取り付けるのではなく、ライトユニットに取り付けることにした。可逆性を考えて、接着ではなく両面テープを使用。
片持ち式になってしまうので、強度を得るのと水平を保つためにL字型のプラ製アングルも取り付けた。
高さ・左右位置・傾きなど、よくチェックして取り付けたい。
組み立てて、未施工の「あさま(写真左)」と比較してみた。
上から見ると、「あさま」は内部に青い客席座席パーツが見えてしまってチープな印象だが、この加工をした「はやて」は空洞感が全くなくなり、見た目はかなり改善されたと思う。
コピー元のカトーと比べると・・・ありゃりゃ、今度は窓断面の黒が目立つね。
断面は黒ではなく、グレーで塗った方がよかったか。ただ、ツメが目立たなくなるかどうかは未知数。改造前の状態よりはマシということで手を打ちたい。
カトーはガラスにスモークがかかっているので角度によっては断面が黒くなることがあり、この角度で見るとトミックスにもそれほど違和感はない。
コクピットパーツが少し前寄りなので、運転席の背ずりまでピッタリ削るとちょうどよさそうだ。また、高さももう少し上げたい。両面テープ固定なので、やろうと思えば調整はいつでも可能ということで、今回はこれで完成とした。
今回はE223形(東京寄り先頭車)にしか施工していないが、格納式連結器を装備している反対側のE224形でも問題なく施工できると思う。連結器は客席パーツの下部に取り付けされるが、今回のコクピットは上部の話なので干渉しないはず。
いろいろ不満のあるトミックスE2系だが、かといってメーカーがフォローしてくれる可能性は低いだろう。完全新規製作にでもしないと改善されない点ばかりだし、0系などがそうだが、新幹線模型は未だに30年前の設計のまま使いまわされているのが実情だ。仮に完全新規のリニューアルがあったとしても、2010年にリニューアルしたE2系に回ってくるのは当分先の話だ。
カトーが0番台「はやて」を出す可能性は低いし、0番台「はやて」、そして入手性からして「あさま」もトミックスで行くしかない。でも、不満を嘆いたところでメーカーはなにもしてくれない。ならば、ユーザ側で何とかするしかないだろう。無ければ作る・工夫するというのは、鉄道模型に限らず基本だと筆者は思っている。
ヤフオクなどで高く売るためにノーマル状態を保持しておきたいとかならともかく、そうでないならこうした改造もなかなか楽しいと思う。うまく出来れば愛着もわくしね。まあ、失敗するとイヤになるかもしれないので、キットを組み立てるとか、ある程度工作修業は必要かもしれない。でも、そうした技術を習得しておけば、鉄道模型の楽しみが広がることは間違いない。
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