800系の模型はカトーとトミックスから発売されている。

●製品ラインナップ

カトー
九州新幹線 800系 「つばめ」
発売日:2004年11月
発売区分:新製品
プロトタイプ:U002編成
2004年の九州新幹線暫定開業時から2011年3月までの「つばめ」ロゴが掲げられた姿を再現。プロトタイプはU002編成。同社の新幹線模型のフォーマットに沿って、堅実かつ模型映えする仕様となっている。
カトー
九州新幹線 800系 「さくら・つばめ」
発売日:2011年7月26日
発売区分:リニューアル
プロトタイプ:U003編成
2011年3月の九州新幹線全線開業に伴い、側面のロゴが「つばめ」から新ロゴに変更された姿を再現。模型の基本仕様は従来品と同じだが、多目的室設置により外観が変化した5号車を新規製作。プロトタイプもU003編成に変更された。
トミックス
九州新幹線 800系つばめ
発売日:2004年11月
発売区分:新製品
プロトタイプ:U003編成
2004年の九州新幹線暫定開業時から2011年3月までの「つばめ」ロゴが掲げられた姿を再現。プロトタイプはU003編成。基本セットと増結セットで構成され、各種バリエーションの基本となる製品。TSカプラー初採用の製品でもある。
トミックス
九州新幹線 800系つばめ U005編成
発売日:2004年11月
発売区分:特別限定品
プロトタイプ:U005編成
U005編成をプロトタイプとした限定品。通常製品と異なり6両編成が1セットで発売されたが、編成番号・形式番号を除き、模型自体は通常版とまったく同じ。
トミックス
九州新幹線 800系つばめ U001編成 (九州キオスク限定品)
発売日:2005年
発売区分:特別限定品
プロトタイプ:U001編成
模型自体はトミックスの通常版と変わらないがU001編成をプロトタイプとし(厳密には実車と差異がある)、九州キオスク名義で発売された限定品。特製のパンフレットなどの付録が多数同梱。中古の取引価格がプレミア傾向にある。
トミックス
九州新幹線 800-0系
発売日:2013年1月31日
発売区分:リニューアル
プロトタイプ:U004編成
同社800系のリニューアル。新ロゴに変更されたU004編成の現在の姿がプロトタイプとなり、連結方式がTSカプラーから通電カプラーに変更されたが、外幌は省略され1980年代前半を思わせる仕様が採用されている。
トミックス
九州新幹線 800-1000系
発売日:2013年1月31日
発売区分:新製品
プロトタイプ:U007編成
800系1000番台(新800系)も同時にリリースされ、こちらはU007編成がプロトタイプとなるが、先頭車以外は0番台と共通仕様。0番台ともども旧製品にあったロゴやレタリングが一部省略されており、完成度はいまひとつ。
808
トミックス
九州新幹線 800-2000系
発売日:2017年3月24日
発売区分:新製品
プロトタイプ:U008編成
新800系のうち、架線・信号・通信検測が可能な2000番台(U008編成)の製品。側面の帯がウエーブを描いている点が従来製品の1000番台と異なる。基本仕様は従来製品から変更はなく、連結部は相変わらず外幌無しと思われる。

●概要

2004年3月に九州新幹線が暫定開業(新八代〜鹿児島中央先行開業)し、800系が同時に営業運転を開始することとなったが、カトー・トミックスともに同年11月には製品化しており、かなり早い展開だったといえる。カトーはU002編成、トミックスはU003編成をプロトタイプとしたがバリエーション的には同一の仕様であり、完全に競作となった。

時期的に側面に「つばめ」ロゴが掲げられた初期の姿を再現し、先頭部の形状などに両社の味(解釈)がそれぞれ出ている。800系は車体に細かなレタリングが多数施されていて、表現が細かくなるNゲージにはきつい車両といえるが、両社ともきちんと再現。ただし、印刷精度はトミックスに軍配が上がるようだ。

カトーは他形式の従来製品から大きく仕様が変わっておらず堅実な印象を受けるが、トミックスは同社の新幹線模型としては初採用となった伸縮式のTSカプラーを新開発。レタリングなど全体的な表記類が細かすぎるのか、編成・形式番号は特定の編成のものが印刷済みでインレタよる選択ができないなど、ある意味同社らしくない製品となった。

6両編成と手ごろなためか、トミックスは発売当初よりバリエーション展開が豊富で、通常製品と同時期にU005編成を限定品として発売している。内容的には編成・形式番号の変更(通常版U003編成→U005編成)、6両1セットに製品構成変更、パッケージデザインの変更(通常版赤基調→白基調)といった程度で、大部分は通常版と変わらない(後年、N700系R2編成限定品で同じような商品展開をしている)。

また、九州キオスク名義(トミックス名義ではないので品番は未設定)でU001編成の限定品も発売されており、こちらも模型自体は編成・形式番号を変更しただけとなるが(U001編成はパンタ周辺に検測機器があるため厳密には実車と異なる)、特製パンフレットなどの付録が多数同梱されたコレクターズアイテム的な製品となっている。出回りが少なかったのか、ヤフオクなどの中古市場ではプレミア気味である。

2011年3月に九州新幹線が全線開業すると、800系は「つばめ」だけでなく「さくら」にも充当されることとなり、側面の「つばめ」ロゴは新しいロゴに変更された。また、全線開業に備えて増備された新800系(U007〜009編成)に合わせて多目的室を設置、一部窓が埋められるなど外観に変化が生じた。この動きにいち早く対応したのはカトーで、同年7月に従来品をベースに新ロゴに変更し「さくら・つばめ」として発売。多目的室が設置された5号車も新規製作された。

2013年1月にはトミックスからも新ロゴに変更された後の旧800系に加え、新800系(1000番台)が発売された。プロトタイプはそれぞれU004編成、U007編成となり、基本的な仕様は共通。大きな変更点としてTSカプラーをやめて通電カプラーに変更されたが、ボディの新規製作が面倒くさかったのか可動幌への変更すら行われず、外幌がない30年前の仕様が採用された。その他、ロゴやレタリングの印刷が一部省略化されるなど、カトーや旧製品よりも見劣りする個所も多く、残念な製品となってしまった。

カトーからは今のところ新800系の製品化予定はなく、実車の増備計画もないことから、ひと段落したと思われる。現時点の発売済み製品をざっと見てみると、

  • U001編成(九州キオスク限定品)
  • U002編成(カトー「つばめ」仕様)
  • U003編成(カトー新ロゴ仕様、トミックス「つばめ」通常品)
  • U004編成(トミックス旧800系新ロゴ仕様)
  • U005編成(トミックス「つばめ」限定品)
  • U007編成(トミックス新800系)

U003編成が重複しているが、実車が9編成しかないことを考えると模型化率はかなり高いといえるだろう。一方、模型になっていないのはU006・008・009編成ということになる。個人的には、トミックスの旧800系はU004編成ではなくU006編成にしてほしかった・・・旧800系のうち、U006編成のみ外幌が黒いという違いがあり(U001〜U005編成は白、U007〜U009は黒)、カトーのU003編成と差別化できると思ったので。しかし、実際に発売された製品は外幌が省略されたため、そんな期待は無駄になってしまった。


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