●概要

マイクロエースの「ドクターイエロー」、922形と922形10番台を中古ながら入手したのでレビューしてみる。922形は2005年12月、922形10番台は初期製品が2002年8月、改良品が2008年12月にそれぞれ発売されたものだ。

マイクロエース922形レビュー01

初代922形(奥)と2代目922形10番台(手前)。「ドクターイエロー」は923形が知名度も人気も抜群だが、やはり0系スタイルの「ドクターイエロー」も忘れちゃいけない。

マイクロエース922形レビュー03

922形は4両編成なので、ケース下部はスリーブで占められていて余裕がある感じだ。同時発売の941形救援車(とその前身1000形A編成)は2両編成だから922形が最少両数というわけではないが、それでも4両で完結というのは新幹線では異例のコンパクトさだ。

細かいことだが、パッケージとマニュアルには「922系」と表記されているが、正式には「922形」。


マイクロエース922形レビュー02

922形10番台は現在の「ドクターイエロー」923形と同じ7両編成。ブックケースにフル編成が収納された1セットのみで、シンプルな製品構成である。


現在は923形「ドクターイエロー」が大人気だが、東海道新幹線開業時から0系スタイルの「ドクターイエロー」が存在していた。今回紹介するのは初代の「T1編成」と呼ばれる922形と、2代目の「T2編成」と呼ばれる922形10番台である。

初代である922形は東海道新幹線開業前からテストを行っていた、初の新幹線車両1000形試作車のうち、「B編成」と呼ばれた4両編成を改造したものである。2両編成の「A編成」というのも存在し、こちらも見た目は「ドクターイエロー」な941形救援車に改造されたが、車両の性質上活躍はまったく無く(ていうかあったら困る)、922形と比べると地味な存在であった。922形は電気・信号関係の検測のみ可能で、軌道検測は別の車両が行っていた。「T1編成」と呼ばれることが多いが、当時は単なる検測車という扱いなのか車体にそのような表記は特になく、後の車両が「T2」を名乗ったため、区別のために「T1」と呼ばれるようになったのかもしれない。

一方、922形10番台は当時の0系(18次車)の仕様をベースにした新造車で、軌道検測車も組み込んだ「電気軌道総合試験車」となり、現在の923形にも通じる新幹線検測車のスタイルを確立した。「T2編成」と呼ばれ、国鉄からJR東海に継承。途中で改造を受けながら、700系ベースの923形(T4編成)が登場するまで活躍した。また、同じく0系ベースながら小窓となった922形20番台(T3編成)というのも存在していた。

模型に話を移すと、2代目の922形10番台の方が先にリリースされていて、その発売は2002年8月とマイクロエースの新幹線模型の中でも古株中の古株である。これはトミックスの923形よりもわずかに早く、一般的なプラ量産品としては初の「ドクターイエロー」製品でもある。国鉄時代の「新製時」とJR時代の「改造後」がラインナップされ、保存版と銘打った木箱入りのセットも用意された。発売当時現役だったT3編成ではなく、すでに引退していたT2編成をチョイスしたのは同社の0系製品が大窓仕様だからだろう。

一方、初代の922形は2005年12月、1000形試作車と同時に発売された。1000形がA編成、B編成、その改造後の姿として941形、そして922形というラインナップである。マイクロエース新幹線模型の中でも、実にニッチな製品群といえるだろう。

その後2008年12月に922形10番台が「新製時」「改造後」ラインナップはそのままに、ヘッドライトのLED化、少し前に発売された、先頭形状などが見直された0系お召列車製品の仕様が盛り込まれ、「改良品」と銘打ってリニューアルされた。この時は木箱セットは用意されなかった。

かくして、マイクロエースは現在に至るまで、カトー・トミックスにはない「0系スタイル」のドクターイエローを受け持つことになったが、922形20番台(T3編成)や東北新幹線版ドクターイエロー925形(S1編成)、925形10番台(S2編成)は製品ラインナップに無いままである。

さて、このたび筆者も遅ればせながら922形&922形10番台を比較的安価(程度もまずまず)で入手できた。前者は1種類しか製品がないが、後者にはいくつかバージョンがあり、今回は「改良品(リニューアル製品)」のうち「改造後」と呼ばれる製品をレビューしてみたい。なお、この後レビューでは922形を「T1編成」、922形10番台を「T2編成」と呼称する。製品の詳細はアーカイブ(T1編成T2編成)も参照のこと。

まずはT1編成の製品構成から。

品番 商品名 両数 商品形態 価格
A1158 922系0番台 電気試験車 4両セット 4 ブックケース 14,500
フル編成価格
4両セット×1 
14,500 円
矢印
新大阪
東京
矢印
CarInfoItem1
1号車 922-1
CarInfoItem2
2号車 922-2
CarInfoItem3
3号車 922-3[M]
CarInfoItem4
4号車 922-4

次にT2編成の製品構成(5号車ェ・・・)。

品番 商品名 両数 商品形態 価格
A0496 922形10番台 新幹線電気軌道試験車 改造後・改良品 7両セット 7 ブックケース 18,800
フル編成価格
7両セット×1 
18,800 円
矢印
博多
東京
矢印
CarInfoItem1
1号車 922-11
CarInfoItem2
2号車 922-12
CarInfoItem3
3号車 922-13[M]
CarInfoItem4
4号車 922-14
CarInfoItem5
5号車 921-11
CarInfoItem6
6号車 922-15
CarInfoItem7
7号車 922-16

今回は実車の写真がなく(T3編成ならあるのだけど・・・)、他社製品との比較でもなく、同メーカー製品合同レビューというこれまでにないスタイル(ホントか?)である。手元にある「鉄道ファン」誌2012/8、2013/2、2013/6の「ドクターイエローT編成の全て」の写真などを参考にしているので、併せて(興味があれば入手して)見ていただけると助かる。なお、941形や1000形試験車、T2編成の旧製品、改良品の「新製時」については所有していないのでレビュー対象外。ご了承いただきたい。

●先頭形状

基本的に1号車(博多寄り先頭車)をサンプルにした。T1編成は博多開業と同年に解体されているので、博多まで行ったことはないと思うが・・・

マイクロエース922形レビュー05

どちらも0系スタイルながらボンネットの長さが結構違っていて、T1編成ずんぐり、T2編成はスマートな印象である。

マイクロエース922形レビュー06

同社の0系も交えて比べてみる。0系は左が初期の18次車「ひかり」、右が改良されたお召仕様である。

T1編成はボンネットが短いことに加え、前面窓は下端位置が高く上下方向に小さいため、全体的にずんぐり見えるようだ。一方、T2編成はあくまでもベース車である0系を基準にしており、今回紹介の「改良品」については、ボンネット形状が若干修正され、ヘッドライトが小さくなったお召仕様(右)の規格に沿っていることがわかる(初期製品なら左の18次車の形状であるはず)。

0系は他社からも発売されていて、どこのが実車に近いか物議を醸すネタとなっているが、実車の写真と比べる限り、ボンネットの「長さ」に関してはマイクロエースはいい線いっている。その意味では、同じ先頭形状であるT2編成もそれなりに実車に忠実であるといえそうだ。

一方、前述の「鉄道ファン」誌の記事によれば、T1編成のボンネット形状は0系と同じとのこと。筆者にはその真偽を確かめるすべはないので(現存してりゃ速攻で調べに行くのに)、その記事を「真」とするしかないのだけど、その前提なら模型のT1編成は実車とは少々異なっているといえそうだ。

マイクロエース922形レビュー07

ここでもT1編成のずんぐり感・・・はさておき、ヘッドライトの大きさに着目すると、マイクロエースの0系は当初は左下の18次車「ひかり」の大きさだったが右下のお召仕様では小型化されており、後者の方が実車に近い(参考)。そしてT2編成「改良品」もまた、お召仕様のヘッドライトと同サイズであることがわかる。ただ、周囲のリム印刷が太めで大味なのが少々残念だ。黄色ボディでは目立ちにくいので少々盛ったか?

一方のT1編成はお召仕様発売前の製品なので、あくまでも初期仕様のヘッドライトの大きさに準じている。しかし、下の18次車が「でかっ」という印象なのに対し、個人的にはT1編成はそれほど違和感がないように思う。ずんぐりしたボンネット形状が巧く馴染んでいるのかもしれないし、まあ、元が試作車だから・・・とヘンに納得しているのかもしれないし、あるいは同じようなアングルの写真ばかりなのでゲシュタルト崩壊しているだけかもしれない。

マイクロエース922形レビュー08

やや上方から見てもずんぐり&スマートの差が目立つが、0系の「丸っこくて愛らしい」雰囲気はT1編成の方が出ている気がする。寸法的にはT2編成の方が実車に近いはずなんだけど、並べるとシャープすぎるというか。改めて、模型って奥が深いと思う。

T2編成の実車には前面窓上に手すりがあるが省略されている(0系も同様)。T1編成にはもともと手すりはない。


マイクロエース922形レビュー09

正面から見ると屋根の高さ違う・・・のではなく、T1編成はボンネットが短い分、前面窓も前方に出ているからそう見えるだけである(実際の屋根高さは同じ)。

また、T1編成は光前頭(先端にある連結器カバー)がやや大きく、これが0系初期製品で感じた「でか目」を中和しているのかもしれない。

T1編成のスカートには実車通りスノープラウがないが、光前頭の下にある四角いハッチのようなラインがある。


マイクロエース922形レビュー10

四角いハッチはツメで抜けるようになっていて、付属のアーノルドカプラーを取り付けることができる。同社の1000形A・B編成、941形を含めて併結運転に対応しているためだが、他社の東北新幹線系統のような上等なものではなく、極めてプリミティブなギミックとなっている。

(筆者は写真すら見たことないが)1000形は試験の過程で併結を行ったことはあるだろうが、922形と941形が併結運転した例があったかは不明だ。それでも、パーツは共用なので一応併結運転対応にしたのだろう。もちろん、模型なので自由に併結運転を楽しむのは全く問題ないのだが所詮はアーノルドカプラー。見た目や連結間隔は覚悟というか、割り切りが必要である。


マイクロエース922形レビュー11

左が1号車、右が4号車。実車の写真を見る限り、1号車の窓枠(縦のサッシ)はボディと同色の黄色だったようだ。一方の4号車は銀色で、模型は両先頭車同じになっている。

1号車の前面窓は1000形当初から922形に改造されてしばらく3枚窓で、その後2枚窓に改造された。一方の4号車は当初から2枚窓で変わらず。いかにも試験車らしい経緯がサッシの色違いになったと推測する。こだわるなら1号車の縦サッシのみ黄色(車体色に調色して)で塗ってみるといいかも。

ただ、ワイパーの形はちょっと微妙なような・・・


マイクロエース922形レビュー12

T2編成の1号車(左)と7号車(右)。7号車は光前頭の下部に切り欠きのようなものがあり、左右の取っ手のようなモールドがないなど形状が異なる。

これは後年自動連結装置を試験していた時の名残で、相方のT3編成は1号車に装備していた。したがって「改造後」製品のみの仕様で、「新製時」は両先頭車とも同じ形状(写真左側)である。また、相方の製品がないので併結ギミックもない。

この時の試験結果が後の東北新幹線系統の自動分割併合に大きな影響を与えたと言われている。


マイクロエース922形レビュー13

T1編成の検電アンテナを見たとき、先端が折れてしまったのかと思ったが、両先頭車とも同じだし、カタログ見てもこんな感じ。1000形時代〜改造直後までは逆L字型の細い針金みたいなアンテナだったが、後に0系と同じ形状のものに交換されている。模型では後者を再現しているのだと思うが、高さもありすぎてちょっとおかしな形状だ。

根元の盛り上がっている部分は実車にもあるので、そこを残してアンテナ部分だけトミックスのに交換すればよさそう。なお、実車写真を見る限りはアンテナの色は白が正しいようだ。


●各部表現

マイクロエース922形レビュー14

T1編成の乗務員扉と客用(?)扉まわり。運転室側面窓の形状も独特だし、頬のあたりにある表示窓も試作車上がりの雰囲気を漂わせる。1000形時代から客用扉は戸袋がない外釣式のプラグドアで、模型でもドアレールがモールドされていることがわかる。量産車(0系)には採用されなかったが・・・

全体的なモールドは可もなく不可もなくといった感じで標準的。ただ、実車の乗務員室窓はもう少し角ばっている感じがする。実車を見ることはかなわないので、気にしなければたいした問題ではないけど。


マイクロエース922形レビュー15

2号車には筆者には全然わからない謎の扉と窓が。車掌室を想定したのだろうか?


マイクロエース922形レビュー16

T2編成はこの位置に客用扉はないので非常にシンプルで、乗務員扉の表現は同社の0系と変わらない。モールドは標準的なレベルで、扉横にある手すりにも銀色印刷が入っている。


マイクロエース922形レビュー17

6号車山側を見てみる。周囲にボルトが張り巡らされた機器搬入口は他の号車にもあるが、6号車は救援車の機能を持っているため、機材搬出用の窓がない扉があるのが特徴。


マイクロエース922形レビュー18

「改造後」では4号車山側と7号車海側の一部の窓埋めが行われている。模型はガラスパーツを車体色で塗装しただけとはいえ、実車も窓の跡が残されるような改造だったため、それなりに雰囲気は出ていると思う。なお、「新製時」は当然透明な窓ガラス表現となっている。


マイクロエース922形レビュー19

同社の0系もそうだが、窓は結構引っ込んでいるので段差が目立つ。特に前述の窓埋め個所は・・・

一方、20系客車のような(?)窓枠がポイントのT1編成はなかなかツライチに近い。


●屋根上表現

T1・T2編成共に923形とはまた違った、アナログでゴテゴテした屋根上を見せてくれる。

マイクロエース922形レビュー20

T1編成は2・4号車、T2編成は2・7号車がダブルパンタとなる(写真は4・7号車)。ただし、2号車については「改造後」は1つ撤去されているので、ダブルなのは「新製時」のみである。

パンタ周囲に高圧線が張り巡らされていて見ごたえがあるが、金属線で表現というのはNゲージ完成品では一部の電気機関車(交流機)で見られる程度で、新幹線としては極めて異例といえる。その線の色はT1編成は銀、T2編成は銅と分けられているが、実車にそうした差異があったかどうかはわからない。ただ、T1編成のガイシの色は実車も白ではないように見えるので、それなりに考証されているのではないだろうか。

マイクロエース922形レビュー21

T1編成の2・3号車の海側には、ガイシ上にハイマウントされた高圧線がビシッと貫く。空気抵抗?騒音?なにそれおいしいの?

マイクロエース922形レビュー22

ケースにはこの高圧線を避けるための切り欠きがあり、非常にユニーク。

金属線は意外と剛性があるのでちょっとやそっとでは曲がることはないが、それでも慎重に取り扱いたい。


マイクロエース922形レビュー23

T2編成2号車の高圧線の張り具合は芸術的?ただし、パンタの操作性は最悪なので、プラ製ドライバーとかピンセットで。前述のとおり、「改良品」はパンタは1つだけだが「新製時」は2つ並ぶ。


マイクロエース922形レビュー24

T1編成の屋根上にあるいろいろなパーツ。このゴテゴテ感が検測車の醍醐味といえよう。

左上は4号車にあるパンタ観測ドームで、ガラス表現はあるものの車内には貫通していない。右上の1号車はモールドのみである。下段は2号車で、なんらかのパーツは乗っているが役割はまったく不明。


マイクロエース922形レビュー25

T2編成はさらに派手で、軌道検測車(5号車)以外の屋根上になんらかの装置が載っている。細かいパーツにもガラスが入っていて芸が細かい。また、後述するが実際に点灯する投光器も備えている。

左上は1号車車端にあるITVカメラ。右上は2号車の架線測定装置(「トロマ」と呼ぶらしい)で、「改造後」に設置されたもので「新製時」はパンタ観測ドームとなる。左中段は6号車のパンタ観測ドーム。ワイパーのモールドまであるが車内に貫通していないのはT1編成と同じ。右中段は4号車のITVカメラ。下段は7号車でダブルパンタに各種装置、高圧線が並んでいて最も派手。


●塗装・印刷

マイクロエース922形レビュー04

T1・T2編成共に黄色5号(カナリアイエロー)がメインカラーであり、ドクターイエローといっても、最新の923形とは実車・模型(写真はトミックス)ともどもかなり異なる。


マイクロエース922形レビュー26

T2編成と923形を並べてみると、前者は赤味があり黄橙色に近い(クレオスの黄橙色と比べるとそこまで橙ではないが)。一方、青帯は大きな違いはないようだ。

それにしても、屋根の高さ違いに進化を感じる。


マイクロエース922形レビュー27

T1・T2編成では黄・青ともに同じだが、T1編成は帯が細い。実車写真を見るともうちょい太めな感じだが、模型では前述の通りヘッドライトの大きさも違うのでアレンジしているのかもしれない。実際に見ても特に違和感はないので、問題にするほどではなさそうだ。

窓上部の帯も太さに差があるが、実車もこんな感じである。


マイクロエース922形レビュー28

検測車なので印刷表記は少ない。特にT1編成は編成番号どころか号車番号もない。形式番号については、T1編成では車体中央部の帯の中にあり、「検測車は別物」みたいな考え方なんだろうか。

その形式番号もそうだが、先頭車側面窓上にある「新幹線電気試験車」の文字はカスレもなくシャープに印刷できている。


マイクロエース922形レビュー30

先頭車ノーズ部横には、1000形時代に出した最高速度256km/hを記念するプレートが掲げられていて、922形に改造された後も存置された(プレートの地色は変更されている)。

かなり細かいが模型でもしっかり印刷されており、「256」はもとより「RECORD」も拡大すれば読めるレベルになっている。


マイクロエース922形レビュー29

プレートの上にある表示窓には、1000形や941形と共通のステッカーが用意されていて、T1編成には「B-021」を使う。

マニュアルには「行先」ステッカーとあって「はぁ?」と思ったが、実車は行先表示を想定していたようで、鉄道ファン2012/8を見ても「大阪-東京」を表示していた写真が確かにある。メーカーがそれを知っていたかは定かではないが、「行先」でもあながち間違いではないようだ。量産車(0系)では採用されなかったが。


マイクロエース922形レビュー31

T2編成は先頭部に限れば営業用車両並みに印刷が充実していて、改良品では車体下部にあるエンド表記(1号車のみ)や四角いハッチ状の印刷が追加され、より賑やかになっている。

ただ、号車番号は特に問題ないにしても、(見づらいが)形式番号は文字が大きく、乗務員扉窓の「T2」も500系とかのJR西日本フォントみたいで大味な印象。小さなオレンジのJRマークは「改造後」のもので「新製時」にはない。


●灯火類

マイクロエース922形レビュー32

T1編成の光源は電球で、光量はそれなりにある。2灯式ながら、トミックス0系のように左右に光の偏りは見られない。


マイクロエース922形レビュー33

T2編成は改良品から黄・赤の切り替え式LEDが採用されている。光量は申し分ないが、車体が透けてしまうのが残念(特に左側)。明るい場所でならあまり気にならないが・・・


マイクロエース922形レビュー34

T2編成は屋根上のサーチライトが光る。同社のE926形やカトー923形でも見られるギミックだが、その元祖といえよう。

サーチライトは5号車以外に装備されていて(ただし、動力車の3号車は点灯しない)、光量はまずまずで走行させるとかなり派手。


●室内表現

マイクロエース922形レビュー35

T1編成の室内パーツはアイスグリーンが基本で、1000形とは異なる検測車仕様として作り込まれた室内となっている。


マイクロエース922形レビュー36

動力車3号車は救援車で、青い座席パーツは1000形と同じようだが、救援機材のラックを別パーツで再現している。


マイクロエース922形レビュー37

検測車に改造されたといっても、一部1000形時代の座席が存置されている。3+3列のボックスシートとか、実車でいろいろ試していたシートの違いも再現していて凝っている。


マイクロエース922形レビュー38

T2編成の室内もアイスグリーン(こちらはやや緑が強い)となるが、一部座席は青で塗装されている。こちらも各車作り分けされているが、動力車の3号車はなにも表現されておらず、救援車の6号車も車端部以外はがらんどうになっている。

前述のサーチライトの光源があるせいか室内灯に対応しているのは3・5号車のみで、他の号車は集電方法を工夫する必要がある。


マイクロエース922形レビュー39

サーチライトの点灯はLEDではなく電球で、そのまま上方を照らす仕様。動力車(3号車)と軌道検測車(5号車)以外は全て光源を装備しているので結構贅沢な感じ。

ちなみに筆者のは7号車が点灯しない。中古なので仕方がないけど、電球周りに少し熱で溶けた跡があって・・・そのうち自分でなんとかするよ・・・


マイクロエース922形レビュー40

4号車には休憩室があり、寝台電車583系の座席が使われていたことは有名。形状もそれっぽくて芸が細かい。


T1・T2編成ともに、現在と異なりブラインドは開けて走行していたようだ。後者はサーチライトがあるので仕方ないとはいえ、室内灯が簡単に取り付けできないのは少々残念か。

●連結部

マイクロエース922形レビュー41

妻面はどちらもほぼ同じで、同社の0系や200系でも見られる汎用的な構成である。T2編成は扉が銀色になっているが、実車もそうなんだろうか。まあ、確かめようもないしそういうことでよいのだろう。カプラーはおなじみの「マイクロエース新幹線カプラー」を採用。

マイクロエース922形レビュー42

同じカプラーながら連結間隔は結構差があり、T1編成は5mmと伸縮カプラーにしては広めながらも常識的なレベルなのに対し、T2編成は7.2mmとハッキリ言って広い。同社の0系、200系もそうだが、外幌の形は相変わらず上下に長すぎ。

マイクロエース922形レビュー43

連結間隔の差はカプラーパーツが変更されたためで、T2編成は2本ステーになり根元が少し長くなったことがわかる(改良品でない初期のロットはT1編成と同じパーツだと思われる)。0系や200系もある時期から広くなっているし、E926形もそうだが、ちょっと余裕持たせすぎな気がする。

しかもだ。T1編成はR=280mmのS字を曲がれないのだけど、間隔が広いT2編成も曲がれないままである。急曲線のS字は避けるべきだし、通常のR=280mmならいけるので実用上は全く問題ないが、曲線通過性能は改善されていないのに間隔だけ広くなっているという、意味不明な改良(?)となっている。


●その他

その他特徴がある部分をざっと見てみよう。

マイクロエース922形レビュー47

T1編成の2号車。1000形から引き継いだ六角形の窓が異彩を放つ。構体骨組みがX状だからだそうだが、加えて屋根上の高圧線も物々しく、試作車+試験車のコンボによる外観は非常にインパクトあり。

マイクロエース922形レビュー46

T2編成の2号車はデータ処理室がシールドされている関係で、海側には側面の窓が1つしかなく、量産車では見られない特異な外観となっている。一方、山側は通路なので窓はそれなりにある。ちなみに、T3編成も同様の構成となるが小窓2枚となる。

マイクロエース922形レビュー45

T2編成の5号車は軌道検測車となるが、他の車両が約25mに対し17.5mと車体が短く、そのうえ台車が3つあるという非常にユニークな車両となっている。小柄な癖して、実車では7両中最も重かったりする。また、この車両は922形の中にあって唯一921形(921-11)を名乗っている。

T1編成は電気・信号関係しか検測できなかったから、それとは別に921形という軌道検測車が別に存在していたが、17.5mmに3台車の構成は同じながら、基本的に自走は出来ず機関車でけん引して検測する車両だった。T2編成では統合され「電気軌道総合試験車」となったが、外観は揃えられたものの引き続き921形を名乗ることに。その後のT3編成、東北新幹線系統のS1・S2編成、S1編成に至っては後年に200系から改造された軌道検測車に置き換わり、17.5mの3台車ですらなかったが、それさえも921形を名乗っていた。

JR化後に登場した923形、E926形でようやく形式が統合され、921形を名乗る車両はなくなった。でも、現在も921形を名乗っていたら(921-3001とか、E921-1とか・・・)、それはそれで面白かったかも?

マイクロエース922形レビュー44

検測台車には明るいグレーのバーが別パーツで表現されている。少々明るすぎる気もするが、ただでさえインパクトがある5号車をより引き立てることに。


●総評

T2編成は概要でも書いたとおり、マイクロエース新幹線の中でも初期の製品である。基本設計が共通である0系もそうだが、残念ながら細かい点ではいろいろ言いたい製品であり、「改良後」になった後でも根本的には変わっていない。T1編成も改めて見るとボンネットの形状とか、なにげに微妙な点が数多くあることも事実だと思う。

しかし、どう考えてもカトーやトミックスが製品化するような題材ではないし、マイクロエースが製品化していなければ、ガレージメーカーのキットとか、0系からの改造で作るしかなかったことも確かだ。「出してくれただけでもありがたい」を製品の問題点の免罪符にはしたくないのだけど、それでも一般的なプラ完成品として存在していること自体、価値のある製品だと思う。大きな目で見れば「0系タイプのドクターイエロー」として特に問題はないし、作り込まれたゴテゴテした屋根上など、見どころもたくさんある。「ドクターイエローコレクション」として他社の923形と並べても、見劣りすることはないだろう。

T1編成は初回ロットのみ、T2編成は初期製品、改良後製品ともに再生産は行われていないので、現在のところ新品で買うのは不可能に近いが、中古品ならヤフオクでたまに出てくる。レア製品に近いと思うがそれでもプレミアが付くほどではなく、筆者もヤフオクで入手したが比較的安価で落札できていたりするから、入手したければ粘ってみるのがいいかもしれない。T1編成はあまり出てこないが、T2編成は結構出品されている。ただ、なるべくなら改良品を狙いたいところ。「新製時」か「改造後」かは好みでいいと思うけど。

今回紹介のT1編成、T2編成、トミックスのT4編成、カトーのT5編成・・・今のところT3編成(922形20番台)だけが欠けているので、マイクロエースしか期待できるメーカーがないが、こちらもそろそろ製品が欲しい。小窓の0系1000番台がベースに必要だって?じゃあそれも製品化しちゃいなさい、買うから(w。また、同社はすでに「200系マニアックス」なメーカーになっている気がするし、E926形も製品化したのだから、東北新幹線系統のドクターイエロー(S1・S2編成)もぜひ製品ラインナップに加えてほしいところだ。

【コラム】T1編成プチ改造

T1編成をちょっとだけいじってみた。

マイクロエース922形レビュー48

まずは、妙な形の検電アンテナをトミックス0系のものに交換。といってもさすがにポン付けはできないので、根元の盛り上がりを残してアンテナをニッパーで切断、切り口をカッターとサンドで整え、トミックスのアンテナのツメ部分をやはりニッパーで切り落とし、そのまま接着しただけである。

前述の通り、実車のアンテナは白だったようなので、パーツの地色をそのまま活かしている。


マイクロエース922形レビュー49

もうひとつやってみたのが、こちらも前述したが1号車(922-1)は前面窓枠が車体色と同じであるため、縦のサッシ3本を黄色で塗装してみた。左が施工した1号車、右がそのままの4号車となる。まずマスキングし1000番のサンドで銀色を軽く荒らし(完全に落とさなくてもよい)、その上で塗装した。


マイクロエース922形レビュー50

ちなみに、窓枠に塗った黄色は奇跡的に調色がうまくいった。テストとして妻面の一部、幌枠右外側の下部にちょっとだけ色のはみ出しがあり、その周辺を適当に塗ったのだけど、車体色との差が全然わからないでしょ?

調色のレシピはクレオスの109番「キャラクターイエロー」と、113番「RLM04イエロー」を2:1の割合で混ぜ、それに対し2〜3の割合でGMの灰色9号を混ぜた。使用した塗料は全て半光沢なので、光沢具合も車体と完全に同化してくれた。



<前ページ Speed Sphereトップ
<前ページ Speed Sphereトップ