実車について |
模型の概要&製品ラインナップ |
比較レビュー1 序・先頭形状・車体各部表現 |
比較レビュー2 屋根上・パンタ周辺 |
比較レビュー3 塗装・灯火類・室内 |
比較レビュー4 床下・連結部分・ギミック |
比較レビュー5 全形式比較 |
比較レビュー6 収納性・付属品 |
比較レビュー7 総評 |
トミックスE2系1000番台レビュー |
E2系の模型はカトーとトミックスから発売されている。
E2系の営業運転開始は1997年3月となるが、最初の発売はカトー、トミックスともに同年下旬には発売にこぎつけている。量産先行試作車(S6・7編成)はもっと前から走っているし、実車デビューから半年程度で製品化というのは例がないわけではないが、当時は今のような「鉄道ブーム」ではなかったことを考えると、異例の早さといえる。
両社から発売されることになったE2系だが、カトーが長野新幹線仕様「N編成」、トミックスが東北新幹線仕様「J編成」とプロトタイプが分かれた。トミックスは当時、200系と400系で新幹線車両の併結ギミックを実装していたため、このギミックを採用できるJ編成をチョイスしたのは自然といえる。相棒のE3系「こまち」の発売は2000年12月まで空いてしまったが、当初よりE3系との併結を想定していた節もあり、その後は当然のようにセールスポイントとしていた。また、当時のJ編成はN編成と外観が同じだったし、単独運転ならば「あさま」でも通用するためか(J編成「あさま」は実在したようだが)、J編成のメイン運用であった「やまびこ」を商品名に付けることも特になかった。
対してカトーは当時、まだ併合ギミックを開発しておらず、E3系の発売予定もなかったことから、無難にN編成をチョイス、商品名も「あさま」と明確にしている。
このように棲み分けがなされてきたわけだが、2002年に東北新幹線が八戸延伸し、J編成に1000番台が登場、0番台も「はやて化改造」が実施され10両編成になると、模型の方も動きが出始めた。
トミックスは2004年の下旬にかけて、「はやて」仕様と「あさま」仕様というラインナップに商品構成を大幅変更した。いずれも従来製品のリニューアルとなるが、J編成は塗装変更の反映や増結7・8号車を新規制作し、J2〜15編成の「はやて化改造」を模型にも反映。N編成は併合ギミックを省略し、「あさま」仕様であることを明確化した。
一方、カトーは2006年5月に「はやて」仕様のE2系を発売したが、1000番台(J68編成)をプロトタイプとし、0番台のトミックスと棲み分けがなされた。今度はE3系の製品化も想定し(E3系は2007年11月に発売)、実車のようなギミックである「オープンノーズカプラー」が話題となった。また、同製品のバリエーション展開として、東日本大震災で被害を受けた東北新幹線が全線復旧した、同年4月29日東京発下り1番列車「はやて115号」を再現するセットが2012年4月に限定品で発売された。
カトーのE2系はその後、「はやて」仕様がカタログに記載され再生産が行われる「ベストセレクション」という製品群に分類される一方、「あさま」仕様は長い間再生産されていなかったが、2012年9月に編成・形式番号を変更の上再生産された(リニューアルではない)。また、「はやて」仕様は店舗限定発売のSuicaペンギンラッピング仕様も発売。
トミックスのE2系は再生産をぼちぼち行いつつ、2010年には同社の新幹線製品に採用を拡大していた、「通電カプラー」を装備する等のリニューアルが「はやて」「あさま」の両仕様に実施された。ただし、商品構成は従来から変化していない。
トミックスからE3系2000番台が発売され、特に「つばさ」新塗装は併結相手に1000番台製品が必須だったが、同社からも1000番台製品が2016年に発売された。プロトタイプはカトーとバッティングしない、新青森延伸に備えて増備されたJ70〜75編成が選定された。
E7/W7系の増備により定期運用が終了したN編成だが、2016年3月には大宮のトミックスワールド限定発売で同年1月より側面にロゴマークが追加されたN13編成の製品が追加された(模型自体は従来製品と同じ)。
このように、実車のバリエーションが豊富なE2系は模型でも多彩な商品展開となっており、相談してるのかと勘繰ってしまいそうなほど両社のプロトタイプ選定は絶妙である。
余談だが、トミックスは「'(ダッシュ)」が付いていたり「E2-100系」とか見慣れない表記の製品が存在するが、「'(ダッシュ)」についてはJ編成は当初、N編成と同一の外観だったため(違いは自動分割併合装置の有無のみ)、区別のために「E2'系」という呼び方があったから。はやて化改造が実施されてからは外観が大きく変化したせいか、この呼び方はされなくなった。
「E2-100系」はE2系100番台のことで、「そんな番台あったっけ?」と思ってしまうが、自動分割併合装置の有無を区別するため、装備車には100番台を付番している。具体的にはJ編成の新青森寄り先頭車は100番台となっていて(1000番台は1100番台)、東京寄り先頭車やN編成は0番台である(N21編成・J51編成には例外あり)。トミックスの場合は「あさま」の0番台に対し、区別のために「はやて」を100番台にしたと推測する。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-377 | E2系 新幹線「あさま」 6両基本セット | 6 | ブックケース | 14,500 |
10-378 | E2系 新幹線「あさま」 2両増結セット | 2 | 紙パック+単品ケース | 3,000 |
実車のN2編成を忠実に再現しており、車両は8両分用意され形式代用はない。動力車は編成のほぼ中間位置の5号車に1両組み込まれている。カタログ写真を見る限りでは形式番号が印刷済みなので、N2〜N13量産車のいずれかが忠実に再現されている(筆者はこのモデルを所有していないのでどの編成かは不明、申し訳ない)。なお、2012年9月再生産ではプロトタイプがN13編成に変更され、形式番号もそれに準じたものになっている。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-278 | E2系1000番台新幹線「はやて」 4両基本セット | 4 | ブックケース(小型) | 13,000 |
10-279 | E2系1000番台新幹線「はやて」 6両増結セット | 6 | ブックケース | 10,200 |
実車のJ68編成を忠実に再現しており、車両は10両分用意され形式代用はない。動力車は編成のほぼ中間位置の5号車に1両組み込まれている。
新青森寄り先頭車(10号車)には連結器(オープンノーズカプラー)が装備されているので、同社のE3系と連結することが可能。
基本セットが4両、増結セットが6両という構成で、基本セットのケース(左)はサイズが小さいものが採用されている。
近年のカトーの4両基本セットは紙の化粧箱入りが標準になっているが、E2系は少し前のモデルなので小型のブックケースになっている。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-868 | E2系東北新幹線「はやて」 全線復旧1番列車 10両セット | 10 | ブックケース×2 | 24,000 |
側面ロゴの追加と形式番号がJ59編成に変更されたこと、10両1セットになった以外は通常製品と同じである。
限定品の「全線復旧1番列車」セットも2つのブックケースで構成されているが、2つとも大きさは同じである(5両づつ収納)。
記念品的要素がある限定品にしては、デザインが地味?
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
未設定 | 東北新幹線E2系 ''ご当地''Suicaのペンギンラッピング新幹線 10両セット | 10 | 特製外箱+ブックケース×2 | 28,000 |
2012年夏ごろに運転されたご当地Suicaペンギンラッピング仕様の特定店舗限定製品。J66編成がプロトタイプで特製パッケージ入り10両1セットで発売。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92073 | JR E2'系 新幹線 基本セット | 3 | 紙パック | 9,500 |
92074 | JR E2'系 新幹線 増結セットA | 2 | 紙パック+単品ケース | 3,600 |
92075 | JR E2'系 新幹線 増結セットB | 3 | ブックケース | 6,600 |
J編成が「はやて化改造」される前の製品で8両編成時代のJ編成を忠実に再現しているが、形式番号は印刷されておらず、インレタもロゴマークのみ収録であり編成は特定されていない。動力車が1両なのはカトーの「あさま」と同じだが、こちらは6号車なのでやや偏っている。新青森寄りの先頭車には連結器が装備され、同社のE3系と連結することができる。
後述の「はやて」「あさま」仕様に製品が移行したため絶版品となった。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92759 | JR E2-0系長野新幹線(あさま) 8両セット | 8 | ブックケース | 19,800 |
「E2'系」から連結機能を省略し「あさま」仕様に再構成、リニューアルした製品(リニューアル内容は後述の「はやて」にて)。1セットでフル編成が揃うというシンプルな構成で、編成の構成(動力車など)は前述の「E2'系」時代と同じである。
編成は特定されていないが、インレタによりユーザが編成を選ぶことになるので形式番号は「x」とした。いずれの編成でも実車に忠実な番号にできる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92268 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 基本セット | 3 | 紙パック | 9,500 |
92269 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 増結セットA | 4 | ブックケース | 8,400 |
92270 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 増結セットB | 3 | 紙パック+単品ケース | 5,400 |
「はやて化改造」後のJ2〜15編成を忠実に再現しており、車両は10両分用意され形式代用はない。動力車は編成のほぼ中間位置の6号車に1両組み込まれている。新青森寄り先頭車(10号車)には連結器が装備されているので、同社のE3系と連結することが可能。
編成は特定されていないが、インレタによりユーザが編成を選ぶことになるので形式番号は「x」とした。いずれの編成でも実車に忠実な番号にできる。
10両編成で動力車1両となるが、別売で予備の動力ユニットが用意されている(詳細は後のページにて後述)。
シンプルな「あさま」とは異なり、こちらは3つのセットで構成されている。
右上の基本セットは紙の化粧箱で目立つデザインになっており、「あさま」と比べるとスターター向け製品という色合いが濃いようだ。
2004年の商品構成変更で主に変更(リニューアル)された点をまとめると以下となる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92360 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 基本セット | 3 | 紙パック | 9,900 |
92361 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 増結セットA | 4 | ブックケース | 9,200 |
92362 | JR E2-100系東北新幹線(はやて) 増結セットB | 3 | 紙パック+単品ケース | 6,200 |
2004年の商品構成変更時と比べ、2000円ほど値上がりしている。同世代の他製品(0系や300系)で行われたリニューアルと同じような変更だが、E2系は新集電システムやインレタの採用が2004年時点で行われていたため、変更点はそれほど多くはない。
ヘッドライトのLED化については、公式サイトでは「はやて」のみに記述があるため、「あさま」は従来のままの可能性がある。また、インレタの内容が刷新されたかどうかは不明(まだ持ってないんで・・・)。
「はやて」基本セットは初心者を考慮してか、従来通りエッチング製固定式パンタが採用されている。これについては、増結セットBに可動式パンタが1つ余分に含まれているので、ユーザが基本セットのパンタを交換して対応することとなる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92805 | JR E2-0系長野新幹線(あさま) 8両セット | 8 | ブックケース | 21,400 |
「はやて」と同様の仕様変更が行われている。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92575 | JR E2-1000系東北新幹線(やまびこ) 基本セット | 3 | 紙パック | 9,900 |
92576 | JR E2-1000系東北新幹線(やまびこ) 増結セットA | 4 | ブックケース | 9,600 |
92577 | JR E2-1000系東北新幹線(やまびこ) 増結セットB | 3 | 紙パック+単品ケース | 6,500 |
1000番台の製品でJ70〜75編成の最終増備車がプロトタイプ。製品構成は0番台「はやて」と同じで、増結セットが単品ケース入りであるところまで引き継いでいる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
93536 | JR E2 0系新幹線(あさま・N13編成) 8両セット | 8 | ブックケース | 23,000 |
2016年1月より側面にロゴマークが追加されたN13編成の製品。大宮のトミックスワールド限定発売品となるが模型自体は同社の従来製品「あさま」と同じで、1000番台で採用された運転室表現も省略されている。
<前ページ | Speed Sphereトップ | 次ページ> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0系
300系
500系
700系
N700系
200系
400系
E1系
E2系
E4系
|