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カトー 200系東北・上越新幹線 レビュー |
トミックス 200系「大宮開業30周年記念号」レビュー(1) |
トミックス 200系「大宮開業30周年記念号」レビュー(2) |
トミックス 200系リニューアル車 レビュー |
トミックス 200系東北・上越新幹線 F編成 レビュー |
トミックス 200系東北新幹線 H編成 レビュー |
2016年6月、トミックスから200系H編成が発売された。製品構成は以下の通り。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
98603 | JR 200系東北新幹線(H編成) 基本セット | 6 | ブックケース | 17,800 |
98604 | JR 200系東北新幹線(H編成) 増結セットA | 3 | ブックケース | 7,200 |
98605 | JR 200系東北新幹線(H編成) 増結セットB | 7 | ブックケース | 17,400 |
トミックス200系の新たなラインナップは東北新幹線かつての花形、H編成のリニューアル。
セットは100系の限定品を思わせるブックケース3つで構成。基本セットが6両分、他2つが7両分でダブルデッカーはそれぞれに1両づつ収納という、かなりトリッキーなウレタン分けになっている。
トータル20両分のスペースがあるので16両を収納できるものの、ダブルデッカー車の収納位置がケース別になっているのでそのままでは順番に並び替えることはできない。
最近の同社の収納に関する悪癖から、とうとう順番通りの収納さえ放棄したようにも思えるが、ウレタンを加工する必要はあるものの一応順番通り並べる方法はマニュアルに記載されている。ただ、歯抜けが発生するしあまり美しい収納とは・・・
ウレタンを加工して2つのブックケースに収めようと思ったが、ダブルデッカー車もわざわざ屋根部分に隙間を作っているし、パンタ部分も折り畳みできるはずなのにかなりスペースが取ってあって無駄にマージン持たせすぎ。高さを詰めるのも難しく面倒なので断念してしまった。
カトーのE4系やCASCOの8両ウレタンを見ても、新幹線のダブルデッカー8両を1つのケースに収められることは証明されており、200系H編成は大部分が平屋車なのだから16両を2つのケースに収めることは考えなかったのか?と思う。
正直、最近の同社の収納には突っ込むのも疲れたよ・・・
200系H編成はダブルデッカー(二階建て)グリーン車が特徴の16両編成で、現在はE5系など併結による16・17両編成は存在するものの、貫通で16両編成というのは今日に至るまで東北新幹線系統では唯一のものであり、屈指の豪華さを誇る編成でもあった。
H編成は所謂「100系顔」の先頭車にピンストライプ塗装、ダブルデッカーのうち1両階下はカフェテリアになっているなど、100系G編成の東北新幹線版といっていいほど類似点がある。実際、当時東海道新幹線で好評だった100系G編成に影響されて登場したとされているので無理もないと思うが、H編成は車両の入れ替え・改造が頻繁に行われ、フラグシップでありながら寄せ集め感があるのは新造の100系とは大きく異なる点であり、特徴であるともいえる。
H編成はH1〜6編成の6本が存在していた。そのベースとなったのは12両編成・240km/h対応車のF編成であるが、すべて0番台のE編成から改造編入された編成で以下のような経緯となっている。
このうち、H3・4編成に割り当てられた先頭車2000番台は登場が1987年3月と案外古く(新幹線車両としては国鉄最後の新製車でもある)、これはH編成化を想定したものではなくイメージアップのためであり、F52・58編成の時点で存在していた。その他H編成の先頭車は中間車から改造された200番台(もちろん100系顔)で、H5編成を除きH編成組成とほぼ同時期に登場している。なお、H5編成の元であるF42編成もイメージアップ編成であるため、200番台でありながら登場がやや早い。
余談だが、200番台先頭車のF編成が3編成存在した(F5・8・40編成)。このうちF8編成は2006年廃車とH編成よりも長生きしたうえ、マイクロエースからも模型化されたので記憶にある方も多いのではないだろうか。また、H3編成の元となったF52編成は先頭車が2000番台に置き換わるまでのわずかな期間、ピンストライプ塗装ながらオリジナルの0系顔先頭車の時期があり、マイクロエースから出ている「ピンストライプ塗装」はこれを模型化したものである。
H編成は1990年6月、F編成にダブルデッカーのグリーン車249形を先行的に組み込んだ暫定13両編成で登場した。H6編成だけは先頭車がやや遅れて登場しており、前述のF52編成のように0系顔先頭車の時期がわずかに存在した。ほどなく1991年6月の東京駅乗り入れに合わせるように、ダブルデッカーの248形(階下はカフェテリア)と、E8・18・10編成から抜き取った225+226形を5・6号車として挿入し16両編成化された(ユニットを抜かれたE編成は8両編成のG編成となった)。この時の編成はF編成時代からの平屋グリーン車215形、ビュッフェ車237形が組み込まれており、237形は身障者設備の都合で存置されたためビュッフェは非営業だったが、車両だけ見ればなんとも豪華で面白い編成だった。
その後、ビュッフェ車237形は225-200に、続けて平屋グリーン車215形も225-100に置き換えられたが、K編成やG編成への組み換えが並行して行われていたため、暫定13両編成以降、半年〜1年程度のペースで増結や入れ替えが行われており、200系全体が慌ただしかった中で1992年6月、H編成化完了となった。ようやく完成形となったH編成はその後、東北新幹線の最速達「やまびこ」の優先的に充当されフラグシップとして君臨した。
しかし後年、E2系、E3系が登場し東北新幹線の高速化が進むと一線級から退くこととなり、2004年3月で定期運用を終了。その後はH4・5編成がダブルデッカー2両を含む4両を抜いた平屋のモノクラス12両編成となり、上越新幹線での臨時列車として最後の活躍の後2005年に廃車となった。H編成の車両はすべて解体されて現存車はない。ダブルデッカー車の249-1がしばらく新幹線総合車両センターに保管されていたが、これも解体されてしまった。
H編成の模型は1990年6月にトミックスから発売されたものがはじまりで、時期的には暫定13両編成登場とほぼ同時期であり、2000番台先頭車は国鉄時代から存在していたことを差し引いても、驚異的な早さだったといえる。当時のトミックス200系は初期製品しかラインナップになくH編成は2作目ということになるが、2000番台先頭車とダブルデッカー249形のみを新規作成し、他の車両をピンストライプ塗装に変えただけのものである。トミックス200系はもともと225-400がなく形式代用になってしまうこと、パンタが畳めないこと、先頭部は100系の金型を流用したためか試作車のツリ目になっている、といった不備はあったが、暫定13両編成としてなら体裁は保っておりフル編成志向ではないおおらかな時代を考えたら、まずまずの製品といえた。
しかし、実車はほどなく16両化されるも模型へのフォローは全くなく、200系自体も400系と連結できるK編成がラインナップに加わった程度で、同社の300系のように長らく放置されたまま近年のフル編成志向の時代を迎えてしまった。その結果、特に16両編成完成版を組もうとすると形式代用が多くなり、ダブルデッカーも249形2両でお茶を濁さなければならない。パンタカバーのパーツもないし、インレタ等もまったくないし、単品製品が多く揃えるもの面倒だし、それでいてダブルデッカー車は品薄で結構なプレミアが付くなど、製品の出来に対し価格や入手の手間が見合っていない、同社の100系試作車製品のような状態が続いた。かくいう筆者も新幹線模型のコレクションをするにあたり、200系H編成だけはハードルが高くフル編成を揃えることができなかった。ダブルデッカー無しだと価格も入手難易度もグッと下がるんだけどね・・・
そんな200系も2013年にようやくリニューアルされ、「大宮開業30周年記念号」のK47編成とリニューアル車(「製品のリニューアル」と紛らわしいんだよねコレ)が発売。床下は旧製品の流用ながらボディや屋根上は新規制作となり、一部車両の新規制作で形式代用の解消、インレタの付属、パンタカバーパーツの新規制作、通電カプラーの採用など一気に近代化が図られた。また、同じ仕様でF編成も発売。先頭車が新規制作され、ヘッドライトの大きさや表現が改められた。
今回紹介するのは、その流れをくむH編成製品である。引き続き先頭車は2000番台でありプロトタイプはH3・4編成であることに変わりはないが、K、F編成と同様に新規制作車両をいくつか追加し、もろもろ近代化されたリニューアル製品である。旧製品が入手困難+製品クオリティいまひとつだったから、筆者も個人的に発売を熱望していただけに感無量なわけだけど、はたしてどんな製品に仕上がったのか。
今回製品にはK、F編成からのボディやパーツも数多く含まれるため、これらのレビューも参考にされたい。
まずは製品を構成する9形式をざっと見てみる。
形式 | 製品世代 | 備考 |
221-2000 | 旧製品と同じ | 先頭車・LED化、妻面改修 |
222-2000 | ||
225-0 | 2013年製品 | 0番台屋根板とピンストライプ塗装に変更 |
225-400 | ||
226-0 | ||
225-100 | 今回新規制作 | |
225-200 | ||
248 | ダブルデッカー車・床下も新規制作 | |
249 | 旧製品と同じ | ダブルデッカー車・妻面改修・車端ガラス入れ |
以上のような陣容から、H編成化が完全に完了〜晩年期までという最も長い期間のH3・4編成を形式代用なく再現した内容となる。したがって、旧製品にあった215形(平屋グリーン車)と237形(ビュフェ車)はラインナップから姿を消している。概ね旧製品からの流用、2013年リニューアル製品(K・F編成)、今回新規制作の3世代に大別できることがわかると思う。
せっかくなので、今回新規制作された車両を見てみよう。
H編成の目玉、ダブルデッカーの片割れ248形。249形の階下席は個室グリーンだったが、こちらはカフェテリアとなる。屋根上や妻面は249形とまったく同じなので、側面の金型だけ差し替えたのだろう。後述するが、この車両のみ床下が新規制作となっている。また、249形ともども車端の窓ガラスはしっかり入っている。
225-200は暫定編成のビュッフェ車237形を置き換えるための車両で、237形から改造された車両。種車の身障者対応扉と電話室の小窓が存置されている。K編成などもそうだが、ビュッフェがあった側の屋根上の空調装置がやや大きい点は再現されていない。
今回製品とは関係ないが、H6編成は237-1004からの改造なので電話室の小窓がなく、屋根上は1000番台の仕様である。また、H2編成はビュッフェ車ではなく225-1007から改造された225-210という形式で、外観は225-200とほぼ同じだが電話室の小窓がなく、屋根上は1000番台の仕様である。このことからわかるように、元の編成に連結されていた237形を改造したわけではない。
225-100は暫定編成の平屋グリーン車215形を置き換えるための車両で、225-400・225-1400から改造された。種車の車販準備室を乗務員室に改造したもので、外観上は窓が開閉式になったこと、両側面に窓が付いた(種車は海側のみ)点が異なる。
種車は0番台と1000番台があり、H2・3編成が1000番台となる。今回製品の屋根上は0番台仕様なのでH4編成なら問題ないが、H3編成を厳密に再現するなら1000番台の屋根板と交換する必要がある。
またまた今回製品とは関係ない知識となるが、H6編成のみ215形から改造された225-110という形式であり、これは外観はグリーン車のままで客室のみ普通車化したものだった(乗務員室はもともと備わっている)。そのため客用扉は1個所で客用窓とシートピッチが合っていないなど、なかなかの怪作車だった。
前述のとおり、11号車225-100の屋根上がH3・4編成の差異となっている。写真はH3編成で、暫定編成時代は215-0だったので高圧線が山側にあったが、1000番台ベースの車両に置き換えられたために高圧線が海側に移動、カバーには穴だけが残った。
ノーズ形状は特に問題はないが、前述のとおり先頭車は旧製品の流用であり、さらに旧製品は100系試作車の先頭部を流用(同じ金型)していたので、今回も100系試作車譲りのツリ目のままである。100系でも現在に至るまで一度も修正されたことがないポイントだけど、2016年現在においても、同じ顔とはいえ別形式である200系でも古い製品の呪縛からは逃れられなかったようだ(単なるメーカーの怠慢でしかないけど)。トミックスが本気で修正したものを見たかったが、つくづく残念。
今回製品と旧製品は全く差異はないが、同じく100系顔のマイクロエース200番台(こちらはF編成なのでピンストライプがない)と比べると、トミックスのツリ目具合が特にわかる。とはいえ、100系量産車・200系でもわずかに傾斜があるのに対し、マイクロエースのは完全に水平。リムの表現があるのはいいとしてもその分ライトが太めに見えるし位置も低いように思えるので、これはこれで微妙な感じはある。また、トミックスよりもボンネットがやや膨らんでいるのが特徴。
実車はライトが細く見える。0系・丸顔200系の旧製品がそうだったように、トミックスのはリム込みと考えた方がよさそうだ。ただ、ノーズ形状や運転席窓、ノーズから屋根肩に至るエッジなどは旧製品の時点でよく再現できていると思う。
あ、でも前面窓上部の手すりは省略されているな(マイクロエースにはある)。
ヘッドライトは完全に水平ではないが、それでもトミックスはやっぱりツリ目すぎでしょう。また、やはりマイクロエースのは位置が低い感じがする。
正面から見ると特にコレジャナイ感がある。ダブルデッカー車に「NS」マーク付いててもおかしくない(?)。
ただ、上方から見るとツリ目もさほど気にならないことも確か。レイアウトを走っている状態ならなおさらで、その意味では細かいことには目をつぶれ、というメッセージなんだろうか。
目線高さでじっくり観察するのも模型の楽しみ方のひとつだと思うので、それを端から放棄しているのはどうかと思うが・・・
左が旧製品、右が今回製品。アイボリーの色調以外、上方から見てもまったく変わらない。
ヘッドライトがツリ目であることの経緯はメインサイトでもブログでも散々書いたことなので省くが、今回200系H編成がリニューアルされるにあたり、中間車は新形式や屋根上が新規制作されるなか先頭車は旧製品のボディを流用することになり、またもやツリ目が修正されることはなくなってしまった。床下こそ流用だったが、K編成ではボディ・屋根上は全車新規制作、F編成では先頭車も新規制作してヘッドライトの大きさを改善していたので今度こそは、と期待していた人は多いと思う(筆者がそうであったように)。
先頭車を新規制作しなかった理由はおそらく、2000番台先頭車は(人気や知名度を考えると)H編成くらいにしか使えず、バリエーション展開が難しいからだろう。逆に言えば、前作F編成の先頭車を新規制作したのは・・・まあ、今後200系は何作ってもマニアックな編成にならざるを得ないとは思うが、バリエーション展開が見込めるからだと思う。
100系記事でも書いたが、個人的にはツリ目なだけならあまり問題視していない。解釈というかデフォルメというか、それ自体は精悍な印象を与える効果があると思うし、前述のとおり、上方から見る分にはさほど気にならないのも確かである。それでもなぜ、筆者も含めて(まあ、ネット上の声を拾った程度だが)皆不満を口にするのだろうか。
それはやはり、解釈とかデフォルメって次元じゃなくて、100系の試作車と量産車(100系顔200系も)の顔は違うという厳然とした事実に対し、トミックスは「両者は同じ」であると答えてしまっていることだと思う。そのうえ、修正できるタイミングは何度もあったのに試作車のままでお茶を濁し続け、2016年に至っても改善する気ゼロであることを隠さない。本来地力があるメーカーなだけに、「ガッカリした」「期待を裏切られた」「またかよ」という感は余計強くなる。皆ツリ目にではなく、これまでの経緯やメーカーの態度に不満や不信感を抱いているのだ。
後述するが、旧製品のボディ流用の弊害が屋根上にも出てしまっており、さすがに安易すぎじゃないだろうか。
乗務員室扉周りも当然旧製品から変わっていないが、モールドは十分であり再現度に不満はない。多少塗り残しはあるしトミックスはクツズリなどにも銀色を入れないので物足りなさはあるが、そこはマイクロエース製品などを参考に銀色を入れてフォローできると思う(素材としては悪くないという感じで)。
さすがに古い製品なので仕方がないが、乗務員室扉窓、客用扉窓から室内パーツのぺージュが見えてしまう。
1・11・15号車の客用扉周りと雪切室ルーバーのモールドを見る。このチョイスにしたのは3世代(旧製品・2013リニューアル・今回新規)を比較したいためだ。
客用扉や行先表示機は大きな違いはないが、雪切室ルーバーが1・11号車は2段、15号車が4段になっていることがわかる。15号車が4段になっているのは2013リニューアル(K・F編成)のボディを流用しているからだが、旧製品である1号車が2段なのはともかく、今回新規の11号車(13号車も)は先頭車に合わせたのか2段で制作されている。
K47編成のレビューでも書いたけど、このルーバーの考証は難しいところがあって、例えば0番台なら2段、1000番台なら4段、みたいな明確な区分けがない(0番台で4段の車両も存在した)。もしかしたら、模型のように1編成中で混在する例があった可能性もあり、混在自体は間違いとはいえなさそうだ。
モールド自体に着目すると、同じ2段でも旧製品は縦桟、今回新規は横桟が強いようで表現に差がある。
実車の2000番台は4段で、かなり古い写真でも4段が確認できることから旧製品の段階でエラーだったといえる。なお、筆者の手持ち写真を確認した限り、200番台だったら2段も存在したようだ(末期のH1編成は2段だった)。
客用扉下部をドアップしてハッチ類のモールドを比較。意外にも旧製品(上段)が一番ハッキリしている・・・が、客用扉の手かけがない。今回新規(中段)はそれなりに強いがやや眠たい。2013リニューアル(下段)は節度感はあるが物足りない、という感じか。
窓下の小ルーバーも三者三様(並びは上の写真と同じ)。これもモールドが一番ハッキリしているのは旧製品。今回新規、2013リニューアルの順で大人しくなっている。
ダブルデッカー車は100系のそれと同じ構造になっているため、特に窓が大きい249形は階下席の客用窓から集電用金属板が目立つ。気になるなら艶消し黒で塗装して回避を。
古い製品なので仕方がないかもだが、トミックス100系・200系のダブルデッカー車は階下席の室内表現を省略。中央が壁状になっているのは100系の個室グリーンを再現したものだと考えられるが、249形は中央通路式なのでもう少し見通しはいいはずだ。
実車のダブルデッカー車は台車の上に分割線や切り欠きがあるが、模型では旧製品の249形、今回新規の248形ともども省略されている。
ちょっと分かりづらいが、248形は階下の搬入口が下端まで及んでるので床下パーツは新規となった。なお、内部構造は前述のとおり壁状になっており旧製品と変わらない。
上が248形、下が249形で床下パーツの刻印が異なっており、それぞれ専用の床下パーツを使用していることがわかる。249形は「TOMY」のロゴが懐かしい。
車端部を1つづつチェックしていこう。
1.前述のとおり、H編成はE編成が源流の0番台。1000番台であるK・F編成(左)はケーブルヘッドガイシが中央にあるが、H編成(右)は偏った位置にある。1000番台は肩部の高圧線が全車海側にあるが、0番台は(理由は不明だが)奇数形式については高圧線が山側に移動したからである。2013年リニューアルの時点で屋根板は別パーツになった点を活かし、今回は0番台用の屋根板を新規制作したことになる。筆者はどうせ1000番台の流用でごまかすと思っていたので意外であり反省。
2.パンタ周りについては、1.と同様に0番台・1000番台のガイシ位置と土台以外に差はない。パンタ車は偶数形式のため、0番台は高圧線とガイシの位置が右側に移っていることがわかる。
3.旧製品のパンタ周りと比較。可動幌形状の変更により、妻面の土台の表現や別パーツ化された白いガイシなど、見栄えが格段に良くなっている。
4.16号車222-2000で新旧比較。2000番台は1000番台と同様にガイシが中央にある。旧製品の流用である先頭車は屋根がボディと一体なので土台のボリュームが中間車と比べてやや物足りないし、妻面だけは改修したためかパーティングラインが物々しいが、それでもガイシの別パーツ化はかなり効いており、こちらも旧製品より良くなったと思う。
5.今回製品の先頭車221-2000と中間車の車端比較。221形にはガイシはなく、このことが原因かどうかはわからないが、222-2000と異なり妻面にパーティングラインがまったくない。4.よりも先頭車は屋根がボディと一体であることがわかる写真だと思う。
実車は妻面ごとガイシ台もアイボリーに塗装されている。模型の屋根板別体化は大きなメリットをもたらしたと思うが、単純な見た目だったら旧製品の方が実車に近いかもしれない。
奥が今回新規制作された中間車の屋根、手前が旧製品ボディの先頭車屋根。特に空調装置のモールド感は銀色塗装されていることも相まってかなり差を感じられ、上から見ることが多い模型において、離れて見てもわかるレベルなのが残念。
先頭車が新規制作(&屋根板別パーツ化)されていたK・F編成ではこんなことはなかったわけで、ヘッドライトのツリ目だけではない、旧製品ボディ流用の弊害だと思う。
屋根板3形態。上から旧製品流用の2000番台、今回新規の0番台、2013年リニューアルの1000番台。滑り止めや空調装置のモールド差は旧製品vs新規0番台では言わずもがなだが、0番台と1000番台も特に滑り止めの表現には差がある(前者が濃い)。旧製品との差よりはマシだけど、1000番台屋根を流用してH3編成を作る場合は留意のほどを。
また、雨どいも先頭車は銀、中間車はアイボリーと差がある。どちらかといえば実車に近いのは先頭車の方で、皮肉にも別パーツ化した2013年リニューアル後の中間車側の問題が露呈してしまったんだけど・・・
中間車の屋根板は奇数形式(パンタなし)と偶数形式(パンタあり)の2種類のみで、225-200のビュッフェがあった側の空調装置が大型である点は再現されていない。ただ、これはK編成の225-490、F編成の237形も同様である。
旧製品にはなかったパンタカバーは、形状が優れていたK・F編成のパーツと同じものが付属してる。さらに前述のとおり奇数形式は高圧線の位置が変更されているので、パンタ車と対になる側のパーツを新規制作していて抜かりはない。
パンタは可動式に変更。実車では後年撤去された6・16号車においても、撤去前の姿を再現できるよう引き続きパンタが装備されており、撤去後の姿はユーザが加工する必要がある。パンタカバーは1992年ごろから装備されているが、大雑把にはパンタカバー装備=パンタ撤去くらいで考えてよいと思う。
K・F編成ではパンタ撤去後の屋根板が存在していたが、今回は16号車が旧製品流用の先頭車であるためか専用パーツで撤去後の姿を再現することになった。
パーツは2種類用意されており、1つは写真中段の板をかぶせる方法。分解不要かつ両面テープか接着材だけでよいのでかなり簡単だが、見た目は後付け感が残る。もう一つは写真下段の裏側から凸状のパーツをはめ込むタイプで若干跡は残るものの見栄えは良い。ただし、分解しなければならないし特に6号車は屋根板を外す必要があるので難易度はやや高い。屋根板を外すと車端ガイシが一緒に抜けるので、あらかじめ抜いておいた方がよい。窓ガラスパーツも外しておくことを勧める。
パーツで撤去後を再現することにはいろいろ意見はあると思うが、撤去前の姿を再現できるという点は評価したい。んで、余ったパーツはE2系に流用っと(私事)。
2000番台(16号車)は1箇所だけ穴が貫通しているので黒い・・・6号車はこんなことはないんだが。
ボディにはガイシパーツの穴が3つ掘ってあるのを発見。K編成の時点で0番台の屋根板を想定していたといえるだろう。K・F編成の時は分解しなかった(必要がなかった)から気がつかなかった。
フッ、この俺の目を欺くとはな・・・(負け惜しみ)
なお、0番台では車端のガイシは後付けゆえにもう少しはみ出しているが、模型ではボディに穴を開けるために1000番台と同じ位置になっており、多少アレンジされていることがわかる。
ここで唐突にF編成のマニュアルを。記載内容はK編成も同じで、パンタカバーはA・B・C・Dがあり、そのうち小型のC・Dについて取り付け方法を解説したものだ。
K編成のレビューでも紹介したが、C・Dの小型カバーは細かい傾斜の違いまで作り分けられており、マニュアルにしたがえば、Dがパンタ車側、Cが反対側となる。
で、今回製品もこのパーツが引き続き付属しているわけなんだけど・・・
今回製品のマニュアルでは両方ともDになり、どちらに付けるかの指示が無くなってしまっている(Cは表記自体がない)。
これでは間違えて取り付けてしまうと思うが、メーカー的には「どっちでもよい」という解釈なんだろうか。確かにカバーの差異は僅かだし、筆者もK編成の製品を見るまでは知らなかった事案だけども、その僅かな違いを教えてくれたのはあなた方じゃないの?自分で作り分けたんじゃないの?※当件、後述で補足あり。
マニュアルに「C」って書けばいいだけの話だと思うんだが・・・自分らがやっていたことをなかったことにするこの既視感・・・
※当件、筆者の勘違いがあったので【補記2】でフォローします。
ついでに、本来でいうCパーツの取り付け位置もK・F編成は車端寄り、今回製品は車端からやや離れている。この件、某巨大掲示板でも話題になっていたので傍受(?)していたところ、0番台と1000番台(2000番台)ではカバーの取り付け位置が違うという書き込みが気になった。また、「模型で作る東北新幹線」様のブログ、2016年7月8日の記事でもこの差異について言及されており、自分でも何かないかと調べてみた。
動画の切り出しなので画質は勘弁いただきたいが、上がK21編成、下がK42編成で、写真左側のパンタがない車両はそれぞれ215-30、215-1002で、まさに0番台と1000番台ということになるわけだけど、車端からの距離や空調装置の丸型ルーバーとの位置関係から、確かに両者の位置関係には差がある。0番台は肩部に何かの装置か乗っているが、それはこの際スルーしよう。
これらの状況からして0番台と1000番台の取り付け位置が違うというのは、非常に信ぴょう性が高いと思う。
筆者も自分の目で見たわけではなく現在ではH編成の調査もしようがないわけで、「絶対にそうだ」と断言できるものではないのだけど、当サイトはこれらの説を推します。
余談だが、0番台の肩部にあるのは以前に大型パンタカバー(パンタ車の対になる側)があった部分の土台である。K21編成のグリーン車215-30は8両編成時代は5号車に設定され、その時は大型パンタカバーを装備していたが、10両編成化(K1→21編成)された際にグリーン車は9号車に移動したため小型のカバー(写真)に交換された。その際に大型パンタカバーの土台は撤去されずに残った。
というわけで、奥から15・11・1号車。筆者のH4編成セッティングはこんな感じに。取り付けたパーツはもちろんすべて「C」。2000番台の1号車だけが車端寄りとなる。H3編成にするなら1000番台の屋根と入れ替えても替えなくても、11号車も車端寄りにすればよい。あとは各自でご判断を。
それにしても、カバーの形状の件といい、同社のこの手の挙動は毎度「理解不能!理解不能!」なんだけど、まあ、いろいろ面倒くさくなったんだろうなと・・・あ、理解可能。
※当件、筆者の勘違いがあったので【補記2】でフォローします。
当記事を公開後、読者様からいくつか情報をいただいたので補足したい。
まず、「C」パーツの取り付け位置については0番台は車端から離し、1000番台(0番台以外)は車端寄りに付けるのがファイナルアンサーということでよさそうだ。0番台と1000番台では空調機カバーに違いがあり、その関係でカバーの位置にも差が出ているとのこと。この件は「模型で作る東北新幹線」様のブログ、2016年8月16日に鮮明な写真と説明があるので参考にされたい。
次にパンタカバー「C」「D」については、パンタ車と対になる側は0番台が「D」、1000番台(0番台以外)は「C」になる模様。パンタ車はどちらも「D」のようだ。このあたりは前述の「模型で作る東北新幹線」様ほか、「かけやま写真館」様のサイドビュー画像が非常に参考になると思う。H編成は基本的には0番台だから「D」+「D」の組み合わせとなり、今回のカバーは1000番台仕様だからできない組み合わせとはいえ形状は似ているわけで、その意味では「どちらでもよい」のかもしれない。筆者は0番台も1000番台も「C」+「D」の組み合わせだと思っていたので、その辺は勉強不足だった。
しかし、それでも今回のマニュアルはオカシイとはいいたい。なぜなら、パンタ側は「D」で正しいのにわざわざ「C」を付けさせることはないし(今のマニュアルでは間違えてしまう)、1・2号車間とH3編成ならば11・12号車間も「C」+「D」で正しいのだから、やはり「どちらでもよい」にする必要性はない。というか、そもそも「どちらでもよい」のならば、K・F編成マニュアルの「C」+「D」表記のままでも問題ないはずである(結果的に間違いも最小限になる)。
※当件、筆者の勘違いがあったので【補記2】でフォローします。
これを読んでいて「細かいやっちゃなあ」と思われた読者様もいるかもしれないが、ユーザ各自が「どちらでもよい」という判断をするのは自由だと思うし、それを否定するものではないです。
当製品の後に発売された200F編成のレビューした際、小型パンタカバーについて筆者は以下の勘違いをしていたことがわかった。
しかし、実際にはフル編成を揃えれば「C」+「D」のパーツは6組になるので「D」+「D」の組み合わせだけでも充足するし、マニュアルには別ページに「Cは使用しません」との表記があり(当時は見落とした)、「D」+「D」の組み合わせで記載されているのは考えあってのことだと分かった。レビュー当時は筆者の頭では(上記補記にある通り)番台にかかわらず「C」+「D」の組み合わせしかないと思っていたこともあるが、ちょっと視野が狭かったと思う。対するコメントも下品で・・・筆者的には当サイトの下品さはある意味「味」だと思っているのだけど、それが的外れだとなんともみっともないものである。大いに反省したい。
間違った情報に基づいたレビュー(評価)を心からお詫び申し上げます。
とはいえ、実際のところマニュアルの「Cは使用しない」は間違っている(記載が足りない)のも事実である。200系F編成(ブログ記事)で書いたことの再掲になるが、200系の「小型」パンタカバー取り付けの基本は以下である。
H編成の場合であれば以下表のようになる。()内は改造前の番台。参考としてH3・4編成以外も挙げておいた。
1号車 | 2号車 | 11号車 | 12号車 | 15号車 | 16号車 | |
H1編成(参考) | 221-202(0) | 226-141 | 225-101(0) | 226-144 | 225-58 | 222-202(0) |
カバー形状 | D | D | D | D | D | D |
H2編成(参考) | 221-203(0) | 226-176 | 225-104(1000) | 226-179 | 225-72 | 222-203(0) |
カバー形状 | D | D | C | D | D | D |
H3編成 | 221-2002 | 226-151 | 225-102(1000) | 226-154 | 225-62 | 222-2002 |
カバー形状 | C | D | C | D | D | D |
H4編成 | 221-2001 | 226-136 | 225-105(0) | 226-139 | 225-56 | 222-2001 |
カバー形状 | C | D | D | D | D | D |
H5編成(参考) | 221-201(0) | 226-131 | 225-103(0) | 226-134 | 225-54 | 222-201(0) |
カバー形状 | D | D | D | D | D | D |
H6編成(参考) | 221-204(0) | 226-166 | 225-111(1000) | 226-169 | 225-68 | 222-204(0) |
カバー形状 | D | D | C | D | D | D |
上にH4編成カバー取り付け例の写真があるが、パンタなし車両の上2つは「C」を付けているが正しくは「D」になる(位置は正しい)。手持ちの模型は「D」に交換済み。
塗装は従来のK編成(K47編成)、F編成などと色調、光沢ともにほぼ同じ。個体差による色調のバラツキを指摘する声もあるが、筆者の購入品は特におかしな点は見られなかった(当たり引いた?)。
H編成はピンストライプがあり塗装の上端もF編成より低い(行先表示機で比べるとわかる)ため帯の幅が狭くなっており、JRロゴがその分小さくなっている。
雪切室のルーバーのみならず、全体的な色の「乗り」は旧製品とは比較にならないレベルで改善。号車番号、JRロゴが印刷済みとなったが、車番や禁煙マークは他の製品のようにインレタ表現となる。
旧製品はグリーン車マークくらいしか印刷がなかったが、一応車番も印刷されていた。6両セットでは221-2002、226-152、215-31、226-154、237-31、222-2002となっており、249形含む単品の車番もH3編成のものが設定されている。ただし、紙パッケージの3両基本セットはH4編成の車番になっている。
ダブルデッカーグリーン車の客用扉周りには号車番号のほか指定席表示が印刷されている。新幹線はグリーン車=指定席なので、こんな表示があるとは知らなかった。グリーン車マークはいつも通り安定している。
インレタは先頭車の都合でH3・4編成のみ収録。車番、編成記号番号のほか、禁煙喫煙マークも充実している。基本セットに付属する1枚だけなので施工する際には慎重に。
ヘッドライトの光源は電球色LEDとなり、この写真で見るよりも光量はかなりある印象。テールライトも含め、特に不満点ないと思う。
ダイキャスト製のコクピット兼遮光パーツ、ライトプリズム、ノーズ部のカバー。先頭車は骨の髄まで旧製品と同じであることがわかる。写真では見えないが、遮光パーツ上部には遮光用の黒いフィルムまでベロンと貼ってある。
グ、グレートですよコイツは・・・
光源はLED1つでヘッドライトとテールライトを点灯できるタイプに。300系などでも採用実績があるパーツだが、おかげで光の偏りはなくなった。
ヘッドライトは電球色LEDで偏りもなくなったが、旧製品よりも明るくなった分、目じりの「透け」がやや気になる。明るい環境でも結構わかることがあるので、対処するなら裏側を黒く塗るなどすればよいだろう。先頭車が新規だったら、こんなことにはなってなかったかもしれないが。
先頭車の室内パーツも旧製品と同じ。左が旧製品、右が今回製品となるが色調は若干異なる。
ちなみに、旧製品時代から先頭車は221形、222形で共用しているので、客用窓から見えるシートの位置に差異が出る。221形(上段)に合わせて作られているので、222形(下段)はご覧の有様である。
K・F編成以来採用されているフックリング式通電カプラーと可動幌の組み合わせ。ボディが厚みがあるタイプであることも変わりはない。
旧製品は全周幌みたいな形状だったが、K・F編成同様に適切な大きさのものに変更されている(さすがにH型断面ではない)。写真は先頭車222-2000となるが、前述のとおりボディは流用ながら妻面だけは可動幌に対応するため改修されたことになる。
ダブルデッカー車、特に旧製品からの流用である249形も同じように妻面が改修されている。
K・F編成(2013年リニューアル版)と今回新規制作されたボディは、ボディ側の可動幌スペースの上部隅がパーツに合わせてRがつけられているが、旧製品からの流用であるダブルデッカー車と先頭車は角ばっているのが特徴。
新幹線総合車両センターにて。全体的な断面やケーブルヘッドの切り欠きはけっこう似てると思う。100系はダブルデッカーの両端屋根は丸い形状にして空気抵抗を抑えていたが、200系は前後の車両にパンタカバーの片割れを装備して対処していたので、スパッと切り立った断面が特徴である。
この249-1は他のトップナンバー車数両とともに一時期同所に保管されていたが、現地にて全車解体されてしまった。これにより、H編成の現存車は存在していない。
冒頭でも述べたように、筆者も個人的に期待していたH編成。一通りレビューしてみたところ、良くなった点は数多く認められたが、期待はずれな点もまた多し。そんな製品だと感じた。
旧製品からのリニューアルと考えると、ダブルデッカー車248形などこれまで模型化されていなかった形式が新規制作され、形式代用がなくなりきちんとH編成最盛期が組めるようになったし、屋根上も0番台用を新規で作ってきた。通電カプラー化や塗装印刷の向上、付属パーツ・インレタの充実など、2013年リニューアル以降の200系の仕様に沿ったものではあるものの、旧製品から大幅に近代化されていることが確認できた。まあ、リニューアルといったら以前より良くなるのが普通で、800系のように悪くなる方がミラクルなんだけど、200系H編成については元が古すぎるということもあるが、何にせよ旧製品よりも格段に良くなっていることは間違いない。
一方、筆者はK編成のレビューで、この仕様でH編成が出るなら許容範囲と書いたものの、さすがに先頭車が流用で済まされたのは最大のガッカリポイント。理由はこれまで書いてきたので省くが、旧製品のボディ流用の弊害を見るにつけ何とかならなかったのかと思う。また、マニュアルのパンタカバー関連のように、これまであったものをしれっとなかったことにする姿勢。こちらはユーザの取り付けでフォローできるのでまだマシだが、800系以来の久々に感じた気持ち悪さである。3つのブックケースに分かれる収納も面白くない。
先頭車ツリ目の件は経緯を置いておけば、遠目に見れば大して違わない解釈レベルの問題なのかもしれない。屋根上も大きなレイアウトで遠目に見れば・・・まあ。でも、それで良しとしてしまうのは「鉄道模型」メーカーの姿勢としてどうなのかという気はする。要するに「こだわりが無い」ってことだからね。
カトーの「500系EVA」とか「とれいゆ」は今回製品どころじゃない流用だけど、ある意味ライトユーザ向けで許されている部分がある。しかし、200系H編成を待望していたのは、どちらかといえば(筆者も含めて)マニアな人たちだと思うので、先頭車を流用で済ませた判断や姿勢にはやはり疑問を感じる。大手メーカーの完成品は玩具的手法の大量生産であることはわかってるけど、それでも「玩具」ではないし、ましてや道具や日常品でもない。模型はそのものに価値があるのだ。先頭車を新規で作ったらさらに高くなったのだろう。それでも、個人的にはちゃんとやってくれた方が嬉しかったです。
旧製品と新規ボディが混ざっていて、表現が車両ごとに異なってしまっている例としてマイクロエースの0系1000番台がある。あの製品のレビューではメーカーに対して厳しいことは書いてないのだけど、ぶっちゃけ「ま、こんなもんでしょ」とメーカーを少し舐めているところもある。逆に言えば、トミックスはその実力を知っているからこそ期待が大きい。今回だってやっているところはやっているからこそ、余計に残念な点(怠慢に近い)に厳しく言わざるを得なくなるのだ。
もっとも、これまでのレビューで書いてきたように「できるのにやらない」を地で行ってるようなメーカーなので、期待する方が間違っているといえばそれまでだ。お前は何年騙されてんだと。だからさすがに、今回製品は半分「ま、こんなもんでしょ」と妥協してしまっているのも確か。「所詮○○だからね」の○○にトミックスが入るようなことにはなってほしくないですが・・・
とはいえ、離れて見る分にはH編成としての体裁は保っているし、通しの16両編成はやはり迫力。塗装からくるウォームな感じはクールな100系とは違う魅力があり、各種欠点を理解・納得できるのであれば買ってもいいと思います。ツリ目の修正?今は3Dプリンタとかあるから(できるとはいっていない)。
次の200系はどんな製品になるのだろうか。K・F・H編成と主要なところはやってしまったから、今後はマニアックな路線で行くのだろうか。E編成はカトーもマイクロエースも出しているし、G編成はいささかマイナーだ。K編成のリニューアル前も個人的には期待したいが、はたして・・・
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