実車について |
模型の概要&製品ラインナップ |
比較レビュー1 序・先頭形状・車体各部表現 |
比較レビュー2 屋根上・パンタ周辺 |
比較レビュー3 塗装・灯火類・室内 |
比較レビュー4 床下・連結部分・ギミック |
比較レビュー5 全形式比較 |
比較レビュー6 収納性・付属品 |
比較レビュー7 総評 |
トミックス E4系新塗装 レビュー |
E4系の模型はカトーとトミックスから発売されている。
実車のデビューが1997年だったことを考えると、模型化にはかなり時間を要しているといえる。他の形式はすべて模型化されていた中、E4系はその発売時点までは「最後まで模型化されていない形式」だったのである。
なかなか模型化が進まなかったのは同形式の人気がなかったからではなく、特異な先頭形状に加え、ヘッドライト2灯とテールライトがまとめられた小ぶりな灯火類、さらには連結装置も組み込まなくてはならないという、Nゲージの大きさでは技術的な困難が多かったからだといわれている。しかし、超小型のチップ型LEDが登場したことから模型化のめどが立ったというわけである。
模型化の発表はカトー・トミックスともにほぼ同時期(失念したが2005年の前半くらいだった気が)、発売時期も同じ時期が予定されていたが発売はトミックスが先行。カトーは発売延期が相次いだ結果、その約半年後の発売となった。
その後は実車にも模型にもしばらく動きがなかったが、実車が上越新幹線専用となり2014年4月に帯がピンクに変更された新塗装が登場。模型でもトミックスから発売されることになり、旧塗装も他の製品でも推し進められていた通電カプラー化やセット構成変更を含んだリニューアルがなされた。また、大宮の「トミックスワールド」限定で上越新幹線専用になったあとの旧塗装朱鷺マーク付き製品も発売された。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
10-292 | E4系 新幹線「Max」 4両基本セット | 4 | 紙パック+単品ケース | 12,500 |
10-293 | E4系 新幹線「Max」 4両増結セット | 4 | ブックケース | 8,500 |
実車のP21編成を忠実に再現しており、車両は8両分用意され形式代用はない。動力車は5号車に1両組み込まれている。
両先頭車(1・8号車)には連結器が装備されているため、同社のE3系と連結できるほか、E4系同士の重連も可能。ただし、編成番号は変えられないのでP21編成同士の重連となってしまう。表記は細かいので気にしなければよいのだが、こだわる人は要注意だ。
カトーは2つのセットで構成される。右が4両基本セット、左が4両増結セット。両方揃えて8両フル編成となる。基本セットは店頭で目立つ紙の化粧箱となる。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92764 | JR E4系 東北・上越新幹線(Max) 基本セットA | 6 | ブックケース | 19,600 |
92765 | JR E4系 東北・上越新幹線(Max) 基本セットB | 3 | 紙パック | 9,600 |
92766 | JR E4系 東北・上越新幹線(Max) 増結セットA | 3 | ブックケース | 7,500 |
92767 | JR E4系 東北・上越新幹線(Max) 増結セットB | 2 | 紙パック+単品ケース | 3,900 |
トミックスは2つの商品構成があることに触れなければならない。「基本セットA」を中心とした構成(以下「Aセット」)と、「基本セットB」を中心とした構成(以下「Bセット」)があり、Aセットが標準製品とするとBセットは廉価版という位置づけになる。
編成は特定されておらず、インレタによりユーザが編成を選ぶことになるので形式番号は「x」としたが、いずれの編成でも実車に忠実な番号にできる。車両は8両分用意され形式代用はない。動力車は6号車に設定され、カトーより動力車の位置が偏っている(パンタ付きなら4号車でもよかった気がするが)。
トミックスはAセットが2つ、Bセットが3つのセットで構成される。Aセットで用いる「基本セットA(6両)」は、Bセットで用いる「基本セットB(3両)」と「増結セットA(3両)」を合わせたような感じである。写真右の「増結セットB(2両)」はA・B両セットで共通して用いる。
筆者の所有はBセットで、写真のように基本セットBを増結セットAのブックケースに収めれば、見かけ上はAセットと同じになるともいえる。
基本セットBは紙の化粧箱入りで店頭でも目立ち、廉価版ということも併せて初心者向けという性格が強い。パッケージは処分してしまったので残念ながら写真はない(同社他製品の基本セットとデザイン以外同じ)。
AセットとBセットはセット構成だけではなく、模型の仕様にも以下のような違いがある。
差異 | Aセット | Bセット |
パンタグラフ | プラ製可動式(折りたたみ可能) | エッチング製固定式(折りたたみ不可) |
ヘッドライト光源 | 白色LED | 黄色LED |
先頭部連結器 | 両先頭車に装備 | E444形(新青森・新潟寄り)のみ装備 |
上記のうち、パンタグラフはASSYパーツとして市販されており、少し大きめの模型店やトミックス製品のパーツを通販している「テックステーション」で購入できるため(品切れしていなければ)入手性は高く、Bセットのパンタグラフを可動式にすることは比較的容易。
しかし、ヘッドライトは修理部品扱いなので入手・交換は難しいし、先頭部連結器はカバーも含めて別売もしていない。したがって、BセットをAセットへグレードアップすることは(パンタ以外は)事実上不可能だといえる。
Bセットは廉価版といってもE4系の雰囲気を損ねていることはないが、重連を考えている場合は要注意。片方の先頭車にしか連結器がないという仕様上、Bセット同士の重連はできないという制約がある。トミックスのE4系で重連を行う場合はAセット同士か、Aセット+Bセットでなければならない(後者の場合、Bセットは必ず東京寄りに配置される)。なお、「つばさ(400系・E3系)」との連結はBセットでも特に問題はない。
トミックスが2つの仕様を用意したのは、近年のNゲージは細密化が進んだ結果、価格が上がっていることから、入門者や初心者を遠ざけてしまうという反省があったようだ(「RM MODELS誌」増刊のインタビューより)。そこで、パンタグラフもシンプルな固定式にして、E4系の雰囲気を損なわない程度にコストダウン。基本セットも3両の紙化粧箱にするなど、低年齢層および初心者向けに配慮したBセットを用意することとなった。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92548 | JR E4系上越新幹線(新塗装) 基本セット | 4 | ブックケース | 16,300 |
92549 | JR E4系上越新幹線(新塗装) 増結セット | 4 | ブックケース | 10,100 |
上越新幹線専用となり、ピンクの帯に塗装変更された姿がプロトタイプ。基本セット+増結セットというシンプルな2セット構成で、旧製品でいう「Aセット」に相当する仕様に統合されたため廉価版は存在しない。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
92550 | JR E4系東北・上越新幹線(旧塗装) 基本セット | 4 | ブックケース | 16,300 |
92551 | JR E4系東北・上越新幹線(旧塗装) 増結セット | 4 | ブックケース | 10,100 |
模型の仕様・セット構成・・・帯色以外は新塗装とまったく同じ製品である。
品番 | 商品名 | 両数 | 商品形態 | 価格 |
93525 | JR E4系上越新幹線(旧塗装・朱鷺マーク付) 基本セット | 4 | ブックケース | 16,800 |
92551 | JR E4系上越新幹線(旧塗装・朱鷺マーク付) 増結セット | 4 | ブックケース | 10,100 |
上越新幹線専用になったあとの朱鷺マーク付き旧塗装の製品で、大宮の「トミックスワールド」限定発売。仕様は上記旧塗装通常品と同じで増結セットも同じものを用いる。
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