E7/W7系
E7系北陸新幹線 簡易比較レビュー

●概要

E7系北陸新幹線の模型は2014年4月にトミックス、6月にカトーから発売された。

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北陸新幹線金沢開業を待たず、東京〜長野間で「あさま」として運用開始したE7系。模型もほどなく発売となった。手前がカトー、奥がトミックス。

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通常品は3両の基本セット、3両の増結セット、6両の増結セットで12両編成を構成。通常品よりも約1週間早く発売された限定品は12両フル編成で1セットとなる。

写真は通常品で、2つのブックケースに12両を収納可能。今回はすべてのウレタン形状が同一なので、どんな並び順位も対応。素直に1〜6、7〜12号車の順で収納するのが一番無難だと思うけど・・・限定品は最初から編成順の並びになっている。


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カトーもトミックスと同じ3両の基本セット、3両の増結セット、6両の増結セットで構成。こちらも2つのブックケースに収納できるが同社他製品と同様に編成順で並べることはできない。しかも、ウレタンは号車位置がかなり厳密に決められているため、「少しでも編成順に近い」並びに変更することも困難。正直、使い勝手はかなり悪い。

基本セットにはリレーラーが付属し(今回は濃いブルーで成形)、増結セットAのケース(左)の下部に収納することができる。


実車の登場から間もない時期に発売されたため必然的にプロトタイプも初期編成となり、トミックス通常品はF2編成(付属のインレタで変更可能)、同限定品とカトーはF1編成となる。

両社の製品が出そろった現在、当サイトではとりあえず簡易比較レビューとして書いてみた。E5、E6系と同様にトミックスは今回も通常品をチョイスしているが、限定品もセット構成と表記類が異なる程度なので、今回の記事の内容はそのまま当てはまると思う。時期は不明(汗)だが後日さらに詳細な比較レビューにリライトしたいと思っている。

なお、2015年2月にトミックスからJR西日本所有W7系が発売されたが、模型自体はE7系とほとんど変わらないため次ページのレビュー総評後のコラムでの紹介に留めた。また、カトーからもW7系の発売とE7系の仕様変更が予定されているが、こちらも以下で紹介するE7系製品から大きな変更はないと思われる。

●先頭形状

東京寄り先頭車(E723形)をサンプルとした。

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どちらも、どこからどう見てもE7系としか言いようがない造形。これに不満を持つ人いるのだろうかと思うくらい。

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あまり飾り立てる言葉出てこないが・・・カッコいい。シンプルな形状ながら、運転室のキャノピー状の盛り上がりや、各部のエッジが身を引き締めている。ヘッドライトの位置や大きさも、実車を忠実にスケールダウンできていると思う。

塗装の光沢も相まって、カタマラン(双胴船)な造形も見事に再現できているがその盛り上がり具合には差があり、カトーは若干控えめだ。トミックスはヘッドライト周囲のガラスが光ってしまっているが、「目チカラ」みたいなものが感じられてこれはこれでいいかも。

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スノープラウとその前にあるフィンのバランスも申し分ない。トミックスはスノープラウが別パーツながらフィッティングは良好だと思う。カトーはボディと一体型である。

車高というかレールクリアランスはカトーの方がやや開いている。トミックスはスノープラウがレールスレスレなのがド迫力だが、リレーラーを使うときは注意されたい。

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この角度だと両者の造形に大きな違いはないようだ。側面ノーズ横のくぼみについては、谷折りのエッジは実車はやや上方にあるように見える。

銅色のラインの描き方がカトーは台車カバーのあたりで少し下がっている感じなのに対し、トミックスはそのまま乗務員室扉まで緩く上昇し続けるライン。どちらかといえば後者の方が近い気がする。


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ノーズ横のくぼみは、カトーはエッジを強めにつけていることがわかる。左の「KITTE」屋上から撮影したアングルと比べてみると・・・トミックスの方が適切かもしれない。その他の陰影も比較してみてほしい。

ノーズ先端から前面窓周りブラックアウトまでの距離も若干異なり、ここもトミックスの方が近いと思う。また、後述するがカトーは前面窓の構造上、写真のような角度だと少し窓が浮いているように見えることがある。


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この写真だとノーズ先端からブラックアウトまでの距離の違いがわかるだろうか(トミックスは若干前方寄り)。キャノピーを描くラインも異なっており、カトーはブラックアウトと銅色が接触しているが、トミックスはブルーの隙間がある(どちらが正確かは後述)。

なお、トミックスはノーズ先端から屋根に至るまでボディ一体型なのでブルーの部分は塗装で表現しているが、カトーはブルーと銅色の塗り分け、実は別パーツの分割で行っているのだ。


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やや下ぶくれ感があるのはE2系センパイ譲りなんだろうか。正面からでもE7系としてまったく問題ないと思う。ノーズカバー下部にある2つのボルトもちゃんとあり、カトーの方が表現が強い。カトーはブルーの部分が別パーツだという件、この写真からもわかると思う。

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ちなみに筆者はこのアングルで見るのが結構お気に入り。実車だとなかなかお目にかかれない視点だけど、模型なら簡単に。やはり稜線の盛り上がりに若干の違いがみられる。

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ノーズ先端部をアップで。この写真から語ることができるポイントは多い。

ノーズにある2つの分割線、トミックスはE5系・E6系では一部省略されていたが今回は余すことなく再現。この分割線はカトーの方が表現が強いが、その分銅色の塗り残しが少々発生。分割線の間隔にも差があり、ここはトミックスの方が近いか。トミックスはノーズ先端部のブルーにE6系にもあった塗り重ねが見られる。なお、先頭部屋根肩部にも同じような塗り重ねがある。

塗装の塗り分けラインも微妙に差があり、例えばブルーと銅色、銅色とアイボリーの塗り分け先端部はカトーは鋭く、トミックスは丸みを帯びている。分割線の間隔差に合わせて調整していることもわかる。カトーはこの部分が別パーツだが、トミックスは塗装なので個体差はあるかもしれない(ていうか、実際海側と山側で差があった)。

ヘッドライトの形状はどちらも文句のつけようがない。肉眼で確認するのは極めて難しい(写真でもわかりづらい)が、トミックスのヘッドライト周囲にはリムのモールドもきちんとあったりする(カトーにはない)。カトーはガラス周囲の映り込みが少なくスッキリした印象だが、これはガラスパーツにスモークが入ってるから。しかし、トミックスはスモークがない分内部もよく見えるし、前述のとおりキラキラした見た目は決して悪くない。

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分割線の間隔、分割線と塗装の塗り分けの位置関係、塗り分け曲線の具合など、模型といろいろ見比べてみてほしい。


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スノープラウ前のフィンはカトーはボディ一体型でモールドを工夫しているだけだが、トミックスはスノープラウ自体を別パーツすることでヒレ状にしようとしている。正面からだとあまり変わらないのが残念だけど、その意気やよし。


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前面窓は両者の設計が最も異なる箇所で、カトーはキャノピー状のブラックアウト部分をボディと一体化、窓ガラスと周囲のサッシ部分が別パーツなのに対し、トミックスはブラックアウトの塗装、サッシ、ワイパーまでをガラスパーツ一体に印刷で表現している。それぞれの500系、E6系とは構成が逆転しているのが興味深い。

カトーはサッシ部分のメリハリがあって下の実車と比べてもいい表現だと思うのだけど、周囲の光沢ある塗装に対し、サッシ部分はつや消しなので案外別パーツ感がある。前述のとおり、見る角度によってはガラスがボディから少し浮いて見えてしまうことも。一方、トミックスは写真だとやや別パーツ感があるが、普通に見る分には気にならないほどの一体感。少々シンプルすぎるのが玉に瑕か。編成記号はカトーは「F1」が印刷済み、トミックスは付属のインレタで表現できる。ワイパーはどちらも印刷だが、曲線の描き方が若干異なる。

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実車のブラックアウト部分と銅色の関係を見るとカトーの方が適切であることがわかる。トミックスはブラックアウト側に問題はなく、銅色の幅が足りない感じ。造形ではなく塗装の問題だろう。

運転台のコンソールはトミックスの方が形状・ボリュームとも近いかな。カトーはちょっと控えめ過ぎで、運転室内が広く感じる。


前面窓の構成や、ノーズ部のブルーが別パーツか塗装かという違いが一長一短につながっていると思うが、同様の設計差があった500系の時ほど違いを感じないのは技術の進歩か、単に「500系とE7系は違う」からなのか。

トミックスはプレビュー記事の時点では「文句なし」という評価をしていたものの、改めてカトーと比べると惜しい部分もわかるように。たが、どちらかというと塗装とか問題なので、(筆者が勝手に言っているだけだが)「造形のトミックス」の名に違わないと思う。一方のカトーはデフォルメで上手くまとめた感じか。

正直なところ、優劣をつけるのは非常に難しく単に好みの世界でしかないと思った。というわけで、ここは読者のみなさんに判断していただければ(あ、ブン投げた)。

●各部表現

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先頭車(1号車)の乗務員扉・客用扉周辺を見る限り、従来の両社製品に準じた「いつもの」表現といえる。ただ、トミックスが乗務員扉のドアノブを凸モールドで表現しているのは珍しいかも。どちらかといえばカトーの手法だったと思うので。そのカトーのドアノブは銀色が入っていてなかなかリッチ。また、印刷の範疇かもしれないが乗務員室扉の左側にエンド表記も印刷されていて芸が細かい。

客用窓四隅のRの具合や、ドア点検ハッチの表現はトミックスのほうが実車に近いと思うが。

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乗務員室扉のモールドはカトーくらい濃いほうがいいかな。モールドとは関係ないけど、銅色塗装のラインはどちらも実車と似ていることがわかる。

乗務員扉の窓が前方にオフセットされている点も忠実に再現。E5系・E6系では試作車と量産車で差異がある個所だったが、E7系は第1編成の時点で量産車であるためその手の差異はない。


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車掌室窓がある6号車を見ても、同門のE5系・E6系とほぼ同様の意匠となっている。トミックスのE5系では室内パーツに車掌室の壁がある程度再現されていたが、今回はそのまま向こうが見えてしまう仕様に。カトーも写真では車内に壁があるように見えるだけで、やはり向こう側に抜けている。窓自体や雨どいの表現に関しては特に問題はない。 


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身障者対応扉を持つ11号車も他の箇所と同じ意匠になっている。行先表示機の縦横バランスや大きさはトミックスの方が近いかな。 


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トミックスの窓ガラスのツライチ度は同社E5系・E6系のそれをしのぐレベルで、客用扉窓から行先表示にいたるまでとにかくビシッとはめ込まれている。思わず光に当てて楽しんでしまうほどだ。カトーもなかなかいい線いっているけど、少々及ばなかったようだ。行先表示は印刷済みながら、ボディを少し窪ませたうえで印刷していることがわかる。

客用窓下にあるハッチは同門のE5系・E6系に準じていて、それぞれのレビューで書いたようにやはりトミックスの方が実車に近い。

●屋根上・パンタグラフ

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どちらも銅色に挟まれたブルーが目を引く屋根上は車端部の黄色いマーキングがアクセントとなっている。ブルーの部分が別パーツの屋根板となっている点も共通している。

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先頭部から屋根にかけての部分、屋根板の分割線がある位置も非常に近い。写真ではトミックスの隙間が若干目立つが個体差があるかもしれない。筆者の所有品では12号車(写真は1号車)では逆転していた。


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屋根上全体の表現もおなじみのもので、カトーは滑り止め+溶接跡のラインを、トミックスは滑り止めのみをモールドで表現している。滑り止めのモールド自体はカトーの方が目が細かいが、その分あまり目立たないかもしれない(溶接後の方がよっぽど・・・)。

しかし、トミックスはブルーの光沢感がハンパない。E6系もこんな感じだったけど、E7系は銅色のメタリックと相まって高級感が漂う。カトーもそれなりの光沢はあるものの、トミックスの前には平凡に見えてくる。ただ、実車の屋根上は出場直後でもない限りここまで光沢感はないことも確か。あとは好みの問題だろう。


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先頭車後位には東海道新幹線系統のごとく検電アンテナが露出している。色はグレーで(トミックスの方が明るい)、両社の新幹線製品で従来から多数使われているパーツだ。

どちらも連結方式の都合上、2号車の高圧線が妻面に引き込まれるところまでは表現していない。また、黄色のマーキングは左右で長さが揃っていないがこれは実車通りである。

左の実車と比べても特に問題ないようだ。屋根上の号車番号についてはカトーは印刷済み、トミックスは付属のインレタで表現できる(これがあると連結時に便利)。


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シンプルなE5系、E6系と異なり、E7系は高圧線やジョイントなどがむき出しなので、屋根上は多彩な表現がみられる。

上段は一般的な車端部のジョイントで各号車全般的に採用。カトーは車端までの高圧線があるがトミックスは省略しており、これは両社の伝統的な表現。カトーの車端の高圧線はドクターイエローではストレートで表現していたが、今回は実車通り海側に向かって曲がっている(黒で塗りたい)。

中段は10号車東京寄りの高圧線終端処理で、700系やE2系でも見られるおなじみのもの。実車ではリターンする高圧線の真下に黄色いマーキングがあるのでどちらも表現が少々苦しいようだ。ちなみに、真横から撮った実車のこの部分と比べたところカトーは若干長く、微妙な差ではあるけどトミックスの方が近い。

下段は11号車金沢寄りにあるハッチ。トミックスは周囲は赤いラインが引かれているがそれだけ。一方のカトーはボルトなどのモールドがきちんとある。このへんはそれぞれ同門のE5系でも見られる差だ。


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実車の9・10号車間。個人的にはリターンする高圧線まで黄色で塗ってしまっているカトーの表現はどうかという気が・・・

なお、ここだけは車体間の高圧線が山側に曲がっているが、カトーはその点は忠実である。


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こちらは11・12号車間。赤いラインが引かれたハッチの周囲にはボルトがあることがわかる。


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4・5号車間、6・7号車間は傾斜型ケーブルヘッドになっている。ブルーで塗装されているのは新鮮だけどもやはり700系やE2系でおなじみの装備であり、それだけに模型も過去に再現されたものとまったく変わらない。どちらもガイシパーツは取り付け済み。


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4・6・8号車東京寄りのジョイントはケーブルが2本出ている大型タイプで(写真は3・4号車間)、滑り止めもそれを避けるようなラインになっているが、カトーは黄色の注意喚起が左右不等長になっている点も含めて忠実に再現しているのに対し、トミックスは通常型ジョイントしかなくここに関しては実車とは異なっている。

N700系などもそうなので、特に期待していなかったがやはり残念。トミックスで大型ジョイントを再現しているのは700系E編成(レールスター)のみである。


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パンタグラフは実車の時点でE5系と同じもの採用(擦り板が異なる程度)しているので模型も基本的にはE5系と同じだが、カトーはアームと集電舟が一体化したものに変更されていて、畳んだ時の見た目を妥協する代わりに操作性の向上を狙っている。パーツの破損や紛失対策としても有効だろう。E7系のパンタは3・7号車の2個所にあるが、E5系と異なり両方上げて走行する。

ベース部分はグレーの明るさに差がありトミックスの方が目立つ感じ。ただ、トミックスのE5系で施されていた屋根板にあるスリットの黄色い枠線(上の実車の写真で見えている)が省略されており、遮音板やカバー等がなくてシンプルなE7系では効果的だったと思うとカトーともども残念。

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どちらが実車に近いかは不明だが、トミックスのパンタのアームはやや長く、リフトさせたときの見た目はスマートかつ立派な感じで個人的にはこちらの方が好き。

しかし、屋根板部分の表現についてはカトーは分割線やボルトをモールドで表現しているけど、トミックスは全体的に滑り止めのザラザラモールドになっているだけ。E5系・E6系もそんな感じだったけど、いくらなんでも手を抜きすぎでしょ・・・勝負にすらなってないと思う。


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パンタ横の車体の肩部分(銅色のライン内)にはパンタカバーの準備工事と思われる凸があるが、ここはカトーは表現、トミックスは省略。トミックスは3号車を5・9号車のボディと共用しているためで、身障者対応の7号車は専用ボディになるとはいえ揃えるしかなかったのだろう。

カトーは3号車のボディも専用設計しているわけでエライ!・・・といいたいところだけど、別のオチ(後述)が待っているのでちょっと待ってほしい。


どちらもそれぞれ同門のE5系、E6系で採用されたフォーマットに沿っているが、屋根上(特にパンタ周り)に関しては大雑把なトミックスよりも、カトーの方が見どころが多いかもしれない。

●塗装・印刷

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ノーズから屋根にかけてのブルーはカトーが明るくトミックスは濃くて鮮やかな感じ。個人的にはカトーの方が実車に近い感じがするが、トミックスも「あれっ」というほどの違和感はないと思う。

先頭部の塗り分けにも言及できるアングルなので・・・カトーは銅色の幅が広く、前述のとおりブルーの部分が別パーツなので非常にシャープな印象。トミックスは先端付近の幅は良いのだけどそこから細くなってしまっている。ただ、サイドのエッジ部分はトミックスの方がシャープに塗装できている。ヘッドライトと銅色の間隔も差があることがわかるが、ここはトミックスの方がバランスが良いかもしれない。


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ブルーは差を感じるが、銅色とアイボリーはあまり変わらないようだ。ただ、銅色は光の当たり具合による。


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トミックスだけになってしまうが「アイボリーホワイト」の色調を比べてみるとこんな感じ。200系(クリーム色に近い)と700系(ピュアホワイトに近い)の中間くらいであることがわかる。


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ノーズから屋根にかけてのブルーの光沢はどちらも強いが、トミックスはさらに抜きんでている印象で手にした瞬間から光沢感が伝わってくる。同社の光沢が強い塗装は「ありがとう300系」からE6系、E5系と続いているが、今回のは濃色ということもありさらに強くなった印象だ。光沢塗装は下手するとクリア層の厚みで不自然に感じることも少なくないが、この節度感はさすが大手メーカーと言わざるを得ない。

ただ、この塗装はホコリを呼びやすいようで撮影の時はかなり苦労した。ブルーが濃いので、わずかなホコリでも目立ってしまうのだ。


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まだバリバリの新車ということもあるだろうけど、実車もかなり光沢が強い。特にブルーの部分は鏡面塗装っぽい感じで周囲のビルまで映り込んでいる状況だから、模型の光沢は大げさというわけでもなさそうだ。


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ブルーほどではないが、アイボリーホワイトもそこそこの光沢感がある。写真ではわかりづらいが、ここも表面のツルツル感でトミックスが上回っている感じ。メタリック塗装の銅色は光の当たり具合で色が変化が楽しめる。


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1・11号車の印刷表記類を見てみる。どちらも位置関係に問題はないようだ。ただし、号車番号や禁煙マークの大きさは若干差がある。トミックスは通常品でも全号車の形式番号(F2編成)が印刷済みとなったので、基本的にはインレタ施工の手間がなくなりありがたいと思う。それでもインレタで追加表現できるところはまだまだあるし、カトーにあってトミックスにない表記というのは、1号車乗務員室扉脇にあるエンド表記くらいだ。


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行先表示はカトーは例によって印刷済み。トミックスは伝統的にステッカーも何も付属しないので、表現したければサードパーティのステッカーか自作で。

カトーは「あさま509 長野」となっているが、金沢開業後は「かがやき」「はくたか」が看板列車になるため、その時にどうなるのかが気になる。現時点では「かがやき」「はくたか」にしようにも、色すら決まってないし・・・印刷済みの行先表示は楽なことは楽だけど、実車が暫定的に運用開始した場合などに融通が利かないのが難点だと思う。

形式番号は大きさやブルーの帯との距離感が異なるが、気になるほどの差ではない。文字はトミックスがシャープな感じ。JRマークが一部欠けてしまっているが個体差だろう。


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カトーは号車番号や禁煙マークが大きめ。号車番号は独特なフォントも含めてトミックスの方が似ていてシャープだと思う。禁煙マークはカトーの方がはっきりしているが、大きさに助けられているといえばそれまでな気がする。

グリーン車マークはそれぞれ同門の他製品と同じ。グランクラスマークはE5系と異なり白い枠線はないが色味は同じである。どちらも車体の銅色とは使い分けたゴールドとなっていて、メタリックなので光を当てると反射しリッチな印象。色自体はトミックスの方が濃い。

E5系と同じ評価になってしまうが、グリーン車マークはカトー、グランクラスマークはトミックスに軍配が上がると思う。


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1・12号車(先頭車)には「7」をモチーフにしたロゴマークが印刷されているが、 正直なところ、ここまで拡大してしまうとかなり差がついてしまう印象。

カトーは実車のグラデーションを表現しようしているが、かなり無理をしておりザラザラで色味も微妙な感じだ。普通に見る分には「まあこんなもんか」と妥協できるレベルではあるけど。一方、トミックスはグラデーションを捨てる代わりに色味とシャープさを得ている。サークル模様の上部は色が違うような気もするが気になるレベルではない。ここ最近の同社のE5系、E6系、N700Aはシャープに印刷されていたものの、肉眼でもグラデーションのドット感がわかってしまうくらいだったが、今回はクオリティが上がったのではないだろうか。

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なお、写真ではわかりづらいがトミックスの茶色に見える部分は金色(銅色?)で、やはり光の当て具合でキラリと光る。実車にはそんなメタリック感はないけど、模型ならではの演出と考えれば面白い。

「JR EAST〜」の文字もトミックスの方が濃くはっきりしている。


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トミックスは通常品でも形式番号が印刷済みのため、インレタではマスク付きとなっている。収録編成はF3〜5編成で、デフォルトのF2編成と合わせて4編成に対応している。

あとは同社他製品と同様の収録内容だが、東北新幹線系統では初となる屋根上の号車番号を収録。また、E5系・E6系では省略されていた、側面サイド下部の編成記号が復活した。


塗装に関してはトミックスは先頭部の塗り分けにやや疑問はあるものの、両者「いつもの」感じで安定している。ブルーの色調には差があるといっても、好みで片づけられる程度のものだと思った。光沢感はトミックスの方が一歩抜きんでており、一見の価値はあるレベルではないだろうか。

このところ両社の差が縮まってきた感のある印刷だが、ロゴマークのクオリティだけでなくインレタの収録内容も復活したものがあったりで、今回のトミックスはかなりやっているかもしれない。

●灯火類・室内

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E6系ではトミックスが非常に精密なヘッドライト4灯表現でカトーを圧倒していた感があったが、今回もやってくれたようだ。そして、E6系で水をあけられたカトーも今回は負けじと(?)4灯表現に。ヘッドライトの間隔は若干差があり、後述の上方からの見た目に影響しているようだ。光量はどちらも同じくらいでその量も必要十分。カトーはガラスパーツにスモークが入っているがあまり影響はなさそう。

テールライトはカトーは小粒ながらはっきり見えるが、トミックスはこの角度からではほとんど見えなくなってしまう。

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トミックスは上方からだと4灯に見えなくなってしまうようだ。ライトの形状や細かさ、間隔が原因だろうか。また、テールライトの視認性も良いとはいえない。両社の比較ではありがちだけど、やはり上方からの視認性はカトーが上を行くようだ。

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ナニコレカッコよすぎwww

ヘッドライトに関してはどちらも素晴らしいとしか言いようがない。ただでさえ精悍なE7系の魅力を、模型でも最大限に引き出しているポイントだといえよう。テールライトはカトーの方がやはり目立つが・・・

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実車と比べてもほとんど問題ないレベルといえよう。ただ、E6系もそうだけど実車はHIDにしてはやや黄色がかっているのに対し、模型は白色LEDの青白さが勝る感じがする。

テールライトは実車も奥まった位置にあるし、スケール感からしてもトミックスの方が「実車に忠実」ではあるかもしれない。

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正面から見た場合はトミックスもテールライトをハッキリ視認できるし、ヘッドライトもカトーと逆転。さすがにガラスパーツのレンズ効果で下段がやや歪んでしまっているが、それでも精悍であることには変わらない。

E5系、E6系がそうだったように、トミックスの灯火類は上方よりも正面からの見え方にこだわっているように思える。今回のE7系とE6系は上方からでも十分イケているのだけど、E5系は・・・残念ながら上方からでは論外。

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ヘッドライト・テールライトのプリズムは非常に細かく精密な印象。トミックスのE6系がそうだったが、ボディ側に装着されるヘッドライドのガラスパーツはものすごく薄いので分解の際は要注意。

ついでにコクピット表現も見てみると、カトーはかなりあっさりした印象。対し、写真は省略したがトミックスはコンソール裏側のモニタ類までモールドしていて芸が細かい。


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どちらもヘッドライト・テールライトともに遮光がしっかりしており、余計な場所からの光漏れは全くない。プリズム効果でガラスの先端部や周囲がわずかに光ってしまうことがあるが全然許容範囲。

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左からグランクラス・グリーン車・普通車。実車の普通車のシートは赤よりグレーの割合のほうが多いと思うけど、どちらも室内灯を装備した場合のカラフルさを狙ったようだ。E5系でも見られたことだが、カトーのシートは基本的に金沢向きで1号車だけ東京向き。トミックスは全号車が東京向きになっている。 

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グランクラスのシート色はE5系に準じ、カトーはベージュっぽく、トミックスはアイボリーという感じ。トミックスは車内の通路まで再現しているが、カトーは外から見えない部分は省略している。

なお、トミックスは基本セットに補足のマニュアルが入っていたが、12号車(グランクラス)に室内用を組み込む場合は少々加工(LEDの出っ張りを少し削る)が必要とのこと。


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グランクラスのシート形状もE5系に準じていて、バックシェルの形状も同様の差がある。トミックスは相変わらず座面が長い気がするが、E5系よりは短くなったと思う。


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グリーン車・普通車のシート表現も他製品に準じている。カトーは室内灯の支えや床下とのツメの関係でシートの欠けが多い。色味に関しては、グリーン車はカトー、普通車はトミックスが鮮やかな感じ。


●床下・連結部

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先頭車と中間者(偶数号車)の床下のモールドを見る。どちらもおなじみの表現で、やはりカトーは彫が深く濃い印象。ダクトの縦線が横線の奥にあるような表現も秀逸だと思う。しかし、トミックスのモールドも必要十分であり、パネルの継ぎ目や小さなハッチの表現はこちらの方が節度感があるし、細かいボルトも再現している。なによりE5系もそうだったが、カトーは床下上下のボリュームが足りない気がする。ボルトを表現していないのはそれもあるだろう。

E2系など東北新幹線系統の模型ではボディ・床下一体型が多かった中、トミックスE5系・E6系は珍しく別体になっていたが、今回のE7系は一体型に戻っている。どちらも一長一短あるだろうけど、ボディと床下の間に無用な隙間ができないのは一体型のメリット。特に筆者は精度の低さからE5系を修理に出した経験があるので、個人的に今回の判断は歓迎。カトーはもとより一体型である。

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ダクトなどの位置・数のパターンに関しては、実車の写真と比べたところカトー・トミックスともにパーフェクトに近い再現度だった。「近い」と書いたのは、奇数号車は3・7・11号車と5・9号車で一部ハッチの位置が異なっているのだけど、トミックスは前述のとおり3号車のボディを5・9号車と共用している関係で、7・11号車と3・5・9号車というパターンになってしまい、3号車だけ微妙に異なる結果に。その点、カトーは実車通りの組み合わせになっている。偶数号車および先頭車はどちらも忠実である。

※プレビュー版ではトミックスはパーフェクト書いてしまったのですが訂正します。


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しかし、カトーの床下に死角がないこともない。写真は1・2号車間の山側となるが、カトーは2号車側に車体間ヨーダンパの準備工事がないのだ。これはカトーの2号車が他の偶数号車とボディを共用しているためで、専用ボディであるはずの11号車も揃って省略されてしまっている。一方のトミックスは2号車を専用ボディとしてステップのズレまで再現しており、前述したパンタカバー準備工事の有無が逆転しているような状況になっている。

なお、その他の車端部床下は両者とも忠実に再現されている。ボディ一体型の恩恵だろう。


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トミックスはボディ一体型ということで、E2系のように300系の床下流用も考えられたが可動幌の形状が制限されるため(こちらの記事の「フックリングカプラー(改良型)」を参照)、一体型ボディ向けのシンプルな床下が新規制作された。床下パターンをボディ側で賄うなら、先頭車用、中間車用、動力車用で済むから合理的。

ようやく古い床下パーツの呪縛から解かれたと思いたいが、E7系後はフル規格の新幹線新形式が出てくる見込みがしばらくなく(H5系はE5系だし・・・)、この新しい床下パーツを活用できる新製品が当分なさそうなの悲しい(涙)。


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E5系とは異なりフルカバーではない台車カバーだが、やはりカトーは上下のボリュームが足りないかも。トミックスは空気ばね部分の膨らみはもとより、ボルトの数なども忠実に再現している。車体側にある切り欠きや穴は黒を入れてやると締りそうだ。


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カトーの台車はE5系と同じものを採用。ただし、今回は実車同様に車体傾斜は備わらない。車体傾斜は床下側で行っているので、台車は直接には関係ないのだけど。

トミックスは今回もパイオニアV(違)を採用。E5系のとは異なる新規制作された台車だが、やはり見えている部分だけで割り切りされたものである。脱線時の逸脱防止ガードが表現されているのはアドバンテージだが・・・同社のE2系では見えない個所までしっかり表現していたのに、E7系ではどうしてこうなった?


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連結方式はカトーは同社の標準となったKATOダイアフラムカプラー、トミックスはE6系、E5系に続きフック・U字型の通電カプラーを採用。こちらも標準になりつつあるようだ。

トミックスの可動幌は全周幌のE5系と異なり屋根上まで達していないタイプになったが、ドクターイエローなどで採用していたH型断面のものではなく、0系や300系などで採用されていた食パンのような形状になってしまった。薄型のボディに対応した、せっかく新規制作の可動幌パーツなのに(内部のバネ保持パーツまで新規である)、なぜわざわざ見た目を劣化させるのか・・・今回の製品で、個人的にはもっとも釈然とせず、気に入らない点である。

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連結部のイメージはどちらも「いつもの」感じである。連結間隔はやはり伸縮カプラーのカトーが狭くて有利だが、トミックスも標準的なレベルである。可動幌の形状が退化してしまったとはいえ、0系などと異なりボディは薄いタイプなので見た目はまずまずだと思う。

1・2号車、11・12号車間にある車体間ヨーダンパの準備工事と思われるカバー、前述のとおりカトーは中途半端な表現であることがわかる。


トミックスについて、確かに台車は見えている部分だけでも見栄えには問題ないし、連結部も「ものすごく悪い」わけでもない。しかし、台車は同レベルのE2系ではきちんと見えない個所まで表現していたし、可動幌も設計が古い0系や300系のものではなく、新規制作されたものを使っているのに・・・全体的に出来の良い今回のE7系だけど、台車と連結部に関しては「またかよ」と感じずにはいられなかった。一方で、カトーの先頭車次位の車体間ヨーダンパの準備工事が省略されているのも、らしくないといえばらしくない。

とはいえ、床下のレベルはどちらも総じて高いといえる。特にあの床下流用の王者・トミックスが、今回のE7系に関しては3号車の一部ハッチの位置が異なる程度という快挙。モールド表現も一歩抜きんでている。E5系レビューの繰り返しになってしまうが、偶然床下パターンが忠実になっただけかもしれないので、同社が床下にも力を入れるようになった・・・という判断は個人的にはまだまだ保留したい。しかし、今回の床下は非常にハイレベルであることは紛れもない事実である


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