0系
トミックス 0系大窓車+「開業ひかり1号」レビュー(2)

●塗装・印刷

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全部並べてしまった。左から、今回製品、トミックス旧(2009)、同旧(2009さよなら0系)、同旧(1996)、カトー、マイクロ旧、マイクロ新。アイボリーの色味はそれぞれ差があるが、今回製品は比較的濃いめであることがわかる(ミ○ストッ○のソフトクリームのようだ)。

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今回製品を軸にして各製品比較してみよう。

トミックス旧(2009)は発売時期が比較的近いこともあってか、アイボリー・ブルー共に色味が近いように思う。旧は床下スカート部のブルーが明るく窓周りと合っていないが・・・同社のさよなら0系(2009-R61)は最後のリバイバル塗装ということもあって少し明るめにしたようだ。同社旧(1996)はアイボリーはともかく、ブルーは色の乗りが良くなく明るいというか薄い感じがする。

カトーはアイボリーについては今回製品と似ているがブルーは鮮やかさがあまりなく、全体的にくすんだ感じの塗装が特徴。マイクロエースはアイボリー・ブルー共に明るい・・・というか血色が悪い感じ?窓周りの塗装も幅がちょっと狭いようだ。

光沢具合はどれも半光沢程度だが、今回製品はブルーに関してはやや光沢がある。それでもE7系等に比べたら控えめであり、その辺は古い車両ならではのセッティングなのだろう。


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1号車先頭部の印刷状況。今回製品の通常品とトミックス旧は基本的に印刷がないので(インレタで表現)、ここではそれぞれ今回製品の限定品とさよなら0系(2009-R61)をサンプルとした。

今回製品は大窓車のサボ仕様となるが、サボ自体は印刷表現でありモールドはない。号車番号も同様だ(左の写真のように、実車は板状に出っ張っている)。実車は後にサボを備えなくなったので、そのバリエーションを想定しているのだろう。限定品は色合い的に「ひかり1号」のサボを表現しているっぽいけど文字がない。行先を表現しない(ステッカーすら付けない)のは同社の伝統だが、これくらいは文字印刷してもよかった気がする。乗務員室扉窓の編成番号はインレタで表現できる。

トミックス旧の号車番号印刷があるかどうかは製品による。乗務員室扉窓の編成番号インレタも同様。また、第2世代(1996年)の号車番号は当初はモールドがあったが後に省略された。カトーの印刷表記は2002年リニューアル以降で、号車番号のほか1・2・10号車には禁煙車表示がある。編成番号の表現は一切ない(そもそも実在編成が組めないので)。

マイクロエースは新旧ともに号車番号はモールド+印刷。位置はずいぶん差があり、どちらかといえば旧(H65)の方が正しい気がする。新(N4)は今回製品同様のサボ仕様となるが、プロトタイプのお召列車はサボの使用をやめた時期なので枠だけをモールド+印刷で表現している。なお、初期の1・2次車製品および後の改良品はサボ内の文字も表現している。


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1号車(21形)後位。サボや号車番号の表現は先頭部に準じている。左の写真は例がよくないが、今回製品の印刷位置は忠実といえるだろう。同じプロトタイプのマイクロ新はなんだかなあと・・・ただ、これよりも後に発売された1・2次車改良品については、カタログ写真を見る限りはかなり改善された気がする。

形式番号は今回紹介したものはすべて印刷済みだが、今回製品通常版、トミックス旧製品の大部分はインレタ表現となる。カトーの印刷は2002年以降から。なお、2014年発売ロットでは番号が変更されている(21-2011→21-2002)。文字の大きさはトミックスは非常にスケールに近いが、肉眼での判読は困難なレベル。

なお、0・1000番台と2000番では形式番号の表記位置が異なっているが、模型でも再現していることがわかる。


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今回製品限定品は1等車の数字を金色で印刷(左の写真は鉄博収蔵品だが、模型を模型で比べるとか・・・)。グリーン車マークはトミックス旧・カトーはいい勝負しているが、大きさはわずかに後者が小さくスケールに近いと思う。

マイクロ旧のグリーン車マークは白い縁がなく違和感ありまくりでその後は改善されたが、それでも他社の形状と比べると・・・形式番号もトミックスの倍くらいあるし。


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写真上段が16形(1等車、後のグリーン車)、下段が22形(東京寄り先頭車)。何度か触れたとおり、今回製品は一通り印刷されている限定品とは対照的に、通常品は号車番号、車番のみならず、サボやグリーン車マークといった印刷表記類が全くないのだ。

そのかわり・・・


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インレタが異常に充実。写真は基本セットのもので2種で共通。車番のほか号車番号、1等車かグリーン車かの選択が可能で、ユーザが好みの時代や編成に設定できるようになっている。

収録編成はN4・H6(「ひかり」ではなく日立製)・K25・K30編成で、その他編成番号はないものの多数の車番を収録。インレタの組み換えや拾い番号でいろいろ編成が組めるかもしれない。ただ、車番はかなり細かいので読むのは大変だと思うが。

サボ差しがインレタになっているのは(左下)、前述のとおり装備していない車両があることに対応するため。マニュアルでは細かく触れていないので、考証にこだわるなら詳しい書籍やWebサイトを参考に。


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増結セットAにもインレタが含まれるが、基本セットのものとは異なり車番のみ収録。基本セットに収録しきれなかった番号と、さらに別の番号が収録されている(後述のコラムに収録内容を記載した)。

なお、限定品のインレタは前面窓と乗務員室扉窓の編成番号くらいしか収録されておらず、非常にコンパクトな印象を受ける。


今回製品の通常品は完成品としては異例の高いカスタマイズ性が特徴で、考証が好きな人にはかなり楽しめると思う。一方で、最近の製品にしてはインレタの施工箇所が多すぎるため(16両すべての箇所に施すとなると・・・)、面倒であることも確かだ。ここまでユーザ任せなのはどうかと思う一方、0系はバリエーションが多いことも確か。各人で評価が分かれるところだろう。

●灯火類

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ヘッドライト・テールライトは実車同様に前後方向で切り替わって点灯。写真では少し暗く見えるが、実際には光量は十分。


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ヘッドライトは電球色LEDが採用されているので色味がリアル。0系の特徴である縦型2灯が表現されているように見えるが、詳細は後述する。


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限定品ではヘッドライトのほか、実車同様に光前頭が光る。この写真は露光時間を長くしたので結構光っているように見えるが、実際には実車がそうだったようにぼんやり光る程度である。テールライト点灯時は赤く光るが、実車においてもヘッドライトの光が漏れて光っていただけなのでこれでよいのだろう。

光前頭がアクリル製からFRP製に変わった姿を再現した通常品にはこのギミックがない。また、今回紹介の他社製でもこのギミックを再現したものはない。


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今回製品以外の点灯状況を比較。いずれも縦2灯を再現したものはない。

トミックス旧はプリズム内に意図したと思われる気泡が入っており、単調に光らないようになっているが、実車と似ているかといわれれば微妙である。また、ヘッドライトに比べてテールライトが暗い気がするが、それについては後述。

カトーとマイクロエースは比較的フラットな光り方をする。


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正面から比較。一番上は今回製品。こうしてみると、今回製品とカトーは左右均等に光っているが、その他はヘッドライトとテールライトで光り方が偏っている。これは光源およびプリズムの構造が要因になっており、またまた詳細は後述しよう。


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正面から見てもやはり4灯表現は・・・マイクロエースが発売予定の1000番台は4灯表現を公言しているので、それには一応期待している。


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今回製品は実は内部的には縦2灯になっていて、プリズムにレゴブロックのような2つの突起があることがわかる。ただし、全体が透明なプリズムのせいか表面からではほとんど2灯に見えないことも確かで、メーカーの製品特長で言及していないのはやむを得ないか。突起のベース部分を黒で遮光すれば4灯になるかも・・・やってみた。結果は後述のコラムにて。


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通常品(左)は限定品と異なり中央のプリズムがグレーのパーツに置き換わっているので光らない。なお、このパーツは固定されていないのでポロリと落ちる。紛失に注意されたし。

内部はプリズムとチップ型LEDによる光源が精密に構成されている。


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他製品の光源はすべて電球で(今回製品は0系では初のLEDとなる)、トミックスとマイクロエースはヘッド・テールが逆になっているとはいえ構造は非常に近い。構造上、光り方が左右に偏るのはやむなしといえるだろう。

その点、チップ型LEDなんかなかった30年前に、電球を上下に振り分けることで左右均等に光るような工夫をしたカトーは特筆されるだろう。


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灯火類の設計が変更されたことに伴い、従来品ではダイキャストだったコクピットパーツも新規制作。公式サイトでも紹介していたが、メーター類やマスコン、各種スイッチまで表現している凝りよう。0系は見ようと思えば外からでも見えるのでかなり効いていると思う。


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実車にはコンソール中央に補助速度計(写真右上)があり、前面からでも結構目立つ存在なだけに、これも再現していたら完璧だったかも。ただ、模型の窓ガラスは厚いので難しかったか。


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トミックス旧は長らく、200系から採用されていた遮光を兼ねた大雑把なコクピットパーツが採用されていた。横から見ると乗務員室扉の窓からこの塗装されたブルーが見えてしまう。ただ、ダイキャスト製だけに遮光性はかなり高いといえる。


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カトーはこんな感じ。200系では当初客室内と一体化したコクピットだったが現行製品は分離された(参考)。0系の初期製品は持っていないので、同じ経緯だったのかどうか分からないがはたして。

なお先頭車はこのコクピットパーツとプリズムの組み合わせが結構複雑で分解には手間取る。ご注意を。


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マイクロエースは客室内と一体型。客室内はブルーの成形色だがコクピットだけアイスグリーンで塗装している。デッキや運転室後壁がきれいに分かれており、横から見ても窓の向こうが見通せるのは、失礼ながら同社の数少ない美点である。コンソールにはメーター類は表現されていないが、それでも比較的頑張っているといえそうだ。


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ボディ側のプリズムの形状と構造。今回製品は床下側のプリズムと分離されているのでかなりコンパクト。なお、こちらには片側縦2灯の凹がモールドされている。光前頭も光る前提の設計になっていることがわかる。

トミックス旧とマイクロエースはかなり大雑把な形状で、単純に中央の光を左右に分離しているだけ。光源は左右から照らしているわけで、そりゃ左右に偏るよねって。カトーは光源を上下で受けているのでプリズム全体が大きく、テールライト側は赤で塗っているだけというもの。左右への偏りは防げているものの、後述の弱点も抱えてしまっている。

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周囲を暗くしての光漏れチェック。今回製品はライトの周囲だけぼんやり光が透けているものの、ほとんど光漏れはないといっていいだろう。トミックス旧はヘッドライト周囲にプリズムの四角さがそのまま透けている。ただ、周辺に漏れているようなことはない。カトーはボディと床下の隙間、コクピットから光が漏れてしまっている。また、ボンネット内部のプリズムが大きいので、特に頬の部分は四角く透けている。マイクロ新旧は構造上トミックス旧と似ていて漏れもほとんどないが、新では旧のプリズムに巻かれていたアルミテープが省略されている。構造上ほとんど変化はないのに新のボンネットが透けてしまっているのはそのためだろう。

なお、上記は周囲が暗くしてあるうえに露光時間も長めに撮影している。通常の明るさなら光漏れや透けは気にならないと思う。

●室内表現

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それぞれ普通車とグリーン車(1等車)。今回製品の座席形状は最近の同社他製品とほぼ同じで、普通車をグレー、グリーン車は黄色としている。実車の普通車は左の写真のような感じだが(非常口の位置ですな、ここ)、今回製品はグレーをチョイスしたようだ。グリーン車はゴールドだったと考えるとちょっと明るすぎる気がするが、室内灯なしでも華やかな雰囲気が出ているので模型的なデフォルメとしてはアリかも。先にマイクロエース(新旧共通)から触れると、こちらの普通車はブルーをチョイス。グリーン車のゴールド感はこちらの方が出ている。同社ではおなじみの手法だが枕カバーを塗装しており、クオリティはまずますながら外から見ても結構効いていると思う。


トミックス旧とカトーは2000番台なので、3列席は回転できない集団離反式を再現。ただ、カトーは床下の固定ツメの関係で座席がいくつか欠けてしまっている。また、色分けも特にないし、 実車の座席の色はブラウン系なのでちょっと違うと思う。トミックスが色分けしたのは2009年リニューアルから。こちらもブラウン系かといえば微妙な感じ。室内灯による車内の違いはよく出るだろうけど。

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ビュフェ車や食堂車も見てみよう。今回製品は食堂車が連結される前なので、ビュフェ車35形のみ模型化されている。その35形の室内、とりわけビュフェ内の作り込みはなかなかのもの。カウンターや電話室、車販準備室の仕切りまで再現している。筆者は親に連れられてだがビュフェで食事をしたことがあり、座席があったのでおそらく35形だったのだろう。ちょっと懐かしい。

同じく35形を擁するマイクロエースは動力車なのでカウンターらしきものが浅くモールドされているだけである。35形は窓が少ないので都合がよいのか、マイクロ新では35形2両とも動力車に設定されている。35形が1両の旧でもやはり動力車となっている(もう片方は27形)。

トミックス旧は立食式となった37形でありカウンターなどは再現されているものの、パーツ自体は200系のビュフェ車237形の流用なので窓の数に対し座席が一部不足している。同じくカトーは37形となるが、こちらも動力車に設定されているので室内表現は無い(写真も省略した)。

ついでだから食堂車36形もチェック。現在のところ、36形を用意しているのはマイクロ旧(H65)とカトーのみ。ちなみに、カトーの36形は1000番台であり、実車では3両しかなかったレア車である。マイクロエースは色が水色なのはともかく、テーブル上面を白で塗ったりして結構頑張っていると思う。通路側にも窓が開けられた「マウント富士」工事後であることもわかる。カトーの写真が載っていないが、グリーン車の室内パーツを使用していて食堂車専用の室内パーツじゃないから。ムムム・・・


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今回製品は車端部のトイレ洗面所や業務用室の仕切りなども可能な限り再現している。さすがに26形0番台と200番台で作り分けることまではしていないが、それでも見えない個所までちゃんとやっているのは好感が持てるし、16形の車掌室のように実際に効いている個所もある。


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マイクロエースも比較的室内表現は凝っていると思う。新旧で若干パーツが異なっており、右の新は車端に2つの突起がはまるようになっている。伸縮カプラーのガイドと組み合わせるとリラッ○マのようにも見える(w。


トミックス旧製品とカトーはもともと200系と共用している古い製品なので、あまり見るべき点がなく写真も少なめになってしまった。カトーは室内に関しては食堂車にグリーン車の座席を入れるほど大雑把であり、パーツ自体も座席の書けが多くて微妙な感じ。

●床下・台車

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各製品床下の形態。まずは中間車から見てみよう。今回製品とカトーはサイドスカートを床下側に表現していて、トミックス旧とマイクロエースはボディ側に表現している。いずれも奇数形式(パンタなし)をサンプルとしたが、トミックス旧だけ左端のタンクがないなど床下が異なる。これは中間車の床下が偶数形式の1種類しかなく、奇数形式・偶数形式(パンタ有無)関係なしに同じものを使いまわしているからである。

他製品でも「床下流用のトミックス」というイメージがあるが、さすがに今回製品は完全に作り分けられている。黒い機器部分が別体になっているのは床下が若干異なる食堂車ユニット36・27形の作り分けまで想定しているのだろうか?ちょっと期待。

カトー・マイクロエースはもともと奇数形式・偶数形式で床下を作り分けている。


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上の写真で「中間車から」と断りを入れたのは、トミックス旧、マイクロエースに関しては先頭車のみサイドスカートを床下側に表現しているから。アイボリーとブルーの塗り分け部分で分割されていることになる。

トミックス旧の機器類の表現は半分埋まったような感じであり、この辺はマイクロエースの方が奥行き感がある。ちなみに、トミックス旧は先頭車も1種類の床下しかないが、こちらは奇数形式(21形)で再現している。


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床下のモールドに関しても、今回製品は「さすが」といえるクオリティだと思う。しかし、こうしてみるとトミックス旧は作り分けはダメダメではあるけど、モールドに関してはそれなりにやっていることがわかる。逆に、奇数形式・偶数形式で作り分けているカトー・マイクロエースは、ダクト以外はまったくモールドがないただの箱。結構大雑把な印象だ。

その意味では、今回製品は作り分けとモールドを両立した初の製品といえるだろう。


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これ見るとカトーのダクトはなんだこりゃ?という感じ。それにしても、200系はボディマウントだし100系もカバー付き。その後の新幹線車両は床下がすべてカバーに覆われていることを考えると、機器類がむき出しになっている0系はかえって新鮮。


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トミックス旧の床下は偶数形式のものだと書いたが、奇数形式はサイドスカートを偶数形式仕様にして床下のダクトとずれないようにしている。全体的な見た目で0系のイメージが保てればよいという考えだろう。

しかし、ビュフェ車37形だけはサイドスカートが奇数形式仕様になっているため床下機器のダクトと合わない。これは初期製品は37形(やはり窓が少ない)が動力車だったため。第2世代(1996)以降は動力車が26形に移動し、結果的に37形に偶数形式の床下が組み合わされる羽目に。


今回製品も26形が動力車になるが、業務用室がある26-0と無い26-200で室内パーツの作り分けはない。そのため、例えば限定品の動力車は4・6号車でいずれも26-200に設定されているが、いささか偏り気味なので10号車の26-0の床下と入れ替えて分散させることもできる。実際、通常品で初期の12両編成を組む場合は6(26-200)・10(26-0)号車が動力車に設定されているし、16両編成ならさらに選択の幅が広がる。デフォルトの設定でも基本的な走行には問題ないはずだけど、気になるなら動力車の位置変更も面白い。

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台車に関しても今回製品が最も似ていると思う。もっとも、2009年リニューアルで通電カプラー化された際に制作された台車であり今回が初出ではない。ちなみに、トミックスとカトーは成形色をグレーにしたものが200系にも採用されているので、こちらの比較を参考にした方がわかりやすいかも。

トミックス旧はスカートに隠れる上部がシンプル。カトーは軸ばねの表現がなく内側に踏面ブレーキのようなものがある(実車にはないはずだ・・・)。マイクロエースは台車枠や軸箱支持板の長さが足りず、個人的にはちょっと脱力感がある。


●連結部

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トミックス旧(2009)ではフック・リング式の通電カプラーが採用されていたが、今回製品ではE5系などで使われているフック・U字型通電カプラーに変更された(成形色は0系に合わせた黒)。そのため、気分だけでも大窓+小窓編成を組もうにもそのままでは連結できない。ただし、前述のとおり台車は同じものを使用しているのでカプラー交換は容易であり、車両間で揃れば連結は可能。

外幌はおなじみの可動幌で、一見旧製品の流用に見えるが実は新規制作パーツである。


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カトーは初期製品から変わらない、極めてオーソドックスなアーノルドカプラーを採用。使い勝手の良さや走行安定性には分があるものの、伸縮カプラーではないので外幌の表現はない。ただ、妻面は比較的よく作り込んでおり、外幌が無いなりにやることやってる、という感じ。


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マイクロエースは同社新幹線では標準の「マイクロエース新幹線カプラー」を採用。伸縮カプラーなので固定式の外幌を備えている。妻面は200系などにも共通する仕様でシンプル。なお、発売予定の1000番台は妻面がしっかり作り込まれるようだ。


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今回製品の連結部はボディ・床下が新規制作にも関わらず、旧製品並みの肉厚ボディで可動幌の段差も(青帯が回っていないのでなおさら)大きく目立つ仕様になってしまった。ここまで紹介のとおり、非常に素晴らしい出来の製品だが唯一ダメなポイントだ。真横から可動幌を外幌に見立てると、もうちょい下端を客用扉の下端あたりまで伸ばしたいが、床下パーツの固定用ツメを受ける穴があって伸ばせないのだろう。伸縮カプラーではないため、連結間隔は標準的なところ。

ただ、車端部床下にトイレタンク等を再現しているのは秀逸。カプラーの首振りのため奥行きはほとんどないとはいえ、連結部の間延び感の解消に大きく寄与している。

カトーは今となっては(今でも例はあるが・・・)外幌レスが寂しい。連結部の外幌がいかに新幹線らしさに寄与しているかが改めてわかる。発売された時期を考えると、アーノルドカプラーにしてはまずまずな連結間隔ではあるけど。

マイクロエースは唯一の伸縮カプラーなので狭い・・・が、同社の製品は年を追うごとに間隔がどんどん広がっているので、名誉のために最も狭いマイクロ旧(H65)をサンプルにした(つまり、マイクロ新はもっと広い)。固定式の外幌は伸縮カプラーの利点ではあるけど、いかんせん上下に長すぎるのが欠点。なお、実際にレイアウトに組み込むのは推奨しないとはいえ、R=280mmのS字は曲がれなかった(通常のカーブは問題なし)。

正直なところ、連結状態はどれも両手放しで褒めるのは難しい印象。


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可動幌は旧製品とサイズは変わらないが、肩の部分が若干角ばっている。下部の可動幌とボディの隙間が広がっているのは、分解の際にボディを広げやすくするためだろう。薄型ボディでもなく、H型断面でもない可動幌に変な隙間・・・連結部に関しては2009年リニューアル仕様よりも劣化してしまった感がある。


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ボディと床下の接合は妻面下部にツメが追加されており、最近のカトーのような仕様になっている。おそらく、車端でボディが広がってしまい床下と合わなくなることへ対策だろう。N700系やE5系で修理に出した経験がある筆者としては歓迎したい。ただ、連結部から結構目立つ気もする。

このため、分解する場合はいったん可動幌を外してからボディを広げる必要がある。組立時は逆に最後に可動幌を取り付ける。可動幌の裏側を見るとやはり新規パーツであることがわかる。内部の保持パーツはE7系と共用で、裏に「E7」の刻印も見られる。


トミックス旧や同社の100系、300系は後に通電カプラーに変更された際に連結間隔が詰められたものの、基本的には旧製品のボディ・床下を流用していたため可動幌の改善には限界があり、相変わらずボディは肉厚で外幌たる可動幌との段差が目立つものだった。今回製品は完全新規制作を謳っていたので、通電カプラー+可動幌の採用とはいえ最近の他形式(E7系とか)のようにボディは薄く、段差も小さくなると期待していた。一方で、後述の不信感から旧製品のような肉厚ボディのままでは?という不安も持っていた。

その後出てきた試作品は、やはり肉厚ボディで旧製品からの流用を思わせる可動幌。悪い方の予感が的中したか・・・と思い購入後チェックしたところ、可動幌は流用ではなく新規制作であることが判明。てことは、せっかく連結部の大幅改善ができる機会に、わざわざ旧製品と変わらない見た目にしたことになる。もはやここまで来ると、よほど何かのこだわりか強迫観念でもあるのか。旧製品(小窓2000番台)との混結を意識した?でも今回のカプラーはU字式なので従来品とは連結できないわけで。単に旧製品との格差が出ないようにしたとか? そのうえ、パンフかプレリリースか忘れたけど、これを「実感的な連結部」と言っちゃってるわけで。酸素欠乏症にかかって・・・じゃなくて、その感覚を疑う。

個人的に、トミックスの可動幌は嫌いではない。ボディが薄くなった500系等なら見た目は悪くないし、前述の100系や300系だって、ボディ流用という前提に立てばできる限りの改善はしていると思う。しかし、あの800系の連結部改悪以降、新規ボディなのに旧可動幌を流用した200系、可動幌をH型断面にしなかったE7系、そして、完全新規なのに旧製品の見た目をわざわざ維持した今回製品。なぜ、特に連結部に関してはわざわざ劣化させる方向に動くのだろうか?

「クソゲーを作ったメーカーは自分でクソゲーだと思わなかったのか?」という永遠の疑問。メーカーとユーザの壁といいますか。鉄道模型の世界でも、我々ユーザがいくら考えても詮なきことかもしれない。

●形式作り分け

0系ならではのネタとして、各形式の模型化状況を比較してみる。

  • 今回製品
    • 21(パンタなし先頭車・博多寄り)
    • 22(パンタあり先頭車・東京寄り)
    • 25(パンタなし中間普通車)
    • 25-200(パンタなし業務用室付き中間普通車・「こだま」のみ)
    • 26(パンタあり業務用室付き中間普通車)
    • 26-200(パンタあり中間普通車)
    • 15(パンタなしグリーン車)
    • 16(パンタありグリーン車)
    • 35(ビュフェ車)

    マニュアルにある通り25は25-500、25-700と、26-200は26-700と外観は同じである。9形式が模型化されており、「ひかり」「こだま(12両正規編成または16両ビュフェ2両編成)」共に必要な車両はすべて用意され形式代用はない。

  • トミックス旧
    • 21-2000(パンタなし先頭車・博多寄り)
    • 22-2000(パンタあり先頭車・東京寄り)
    • 25-2000(パンタなし中間普通車)
    • 26-2000(パンタあり業務用室付き中間普通車)
    • 16-2000(パンタありグリーン車)
    • 37-2000(ビュフェ車)

    6形式が模型化されているが、2000番台縛りのためか同番台車がない15形や食堂車ユニット(27形・36形)がなく「ひかり」編成は想定していない。また、26形は業務用室付きのみなので、そもそも実車に忠実な編成は組みようがない。ただし、「さよなら0系(2009)」では一部中間車(26-2200など)が新規制作され、6両編成とはいえ形式代用がなくなっている。

  • カトー
    • 21-2000(パンタなし先頭車・博多寄り)
    • 22-2000(パンタあり先頭車・東京寄り)
    • 25-2000(パンタなし中間普通車)
    • 26-2200(パンタあり中間普通車)
    • 27-1000(パンタなし中間普通車)
    • 15-1000(パンタなしグリーン車)
    • 16-2000(パンタありグリーン車)
    • 37-2000(ビュフェ車)
    • 36-1000(食堂車)

    9形式が模型化されているが、15形・36形・27形は2000番台がないので1000番台車で対応している。小窓車で揃えたことになるが、これらは実車では3両づつしか存在しなかったレア車でもある。食堂車ユニットがあるので「ひかり」に対応しているが、26形はトミックスとは逆で業務用室がない26-2200のみなので、「こだま」を含めてやはり実車に忠実な編成は組みようがない。

  • マイクロエース
    • 21(パンタなし先頭車・博多寄り)
    • 22(パンタあり先頭車・東京寄り)
    • 25(パンタなし中間普通車)
    • 26(パンタあり業務用室付き中間普通車)
    • 26-200(パンタあり中間普通車)
    • 27(パンタなし中間普通車)
    • 15(パンタなしグリーン車)
    • 16(パンタありグリーン車)
    • 35(ビュフェ車)
    • 36(食堂車)

    各社中、最も多い10形式を模型化。同社製品は編成を特定しているので、その範囲内では必要な車両はすべて用意され形式代用はない。なお、食堂車ユニット(27形・36形)は今回紹介の「マイクロ旧(H65)」のみに含まれる。

●収納性

今回製品はフル編成を2つのブックケースに号車順で収納することができるが、16両編成の場合は後述コラムに書いた加工が必要となる。トミックス旧は第3世代(2009)以降は今回製品と同じく。それより前の第2世代はブックケース1つにつき6両が基本なので、6両編成「こだま」以外は収納できない。12両編成ついても単品や2両増結セットを複数かき集めるという性質上、ブックケースが2つ揃わず別途調達する必要がある。カトーは2002年リニューアル以降は2つのブックケースで16両編成に対応。ただし、号車順に並び替えることはできない。マイクロエースは当初よりフル編成の収納に対応しているが、やはり号車順に並び替えることはできない。

●総評

在来線の模型では完全新規制作によるリニューアル製品はいくつもあるが、新幹線模型はライトユーザが多いこともあってか、たいてい旧製品の大部分を流用した焼き直しで終わることが多かった。そんな中、今回製品はアンテナ・台車・パンタくらいしか流用がないという、新幹線Nゲージ模型初の完全新規によるリニューアルである。

新規制作なら無条件に良いものができる・・・わけではないが、少なくとも今回製品は先頭部の造形やバランス、塗装や各部の精度を見ても、自社旧製品や他社製品よりも格段に良くなっている。単なる新規制作というだけでなく、0系初期大窓車という題材に真剣に取り組んだからこその完成度だろう。E7系のレビューでも同じようなことを書いたが、今回もあの800系を出したメーカーとは思えない、個人的には予想以上の仕上がりだった。レビューを書き終え改めてそう思う。

一方で、「ああ、この瞬間がトミックスだね」と思わせる残念ポイントがあったことも確かで、特に旧態歴然とした連結部はせっかくハイレベルな製品の足を引っ張っているし(これで薄型ボディ+H型断面可動幌だったら神だよ神!)、16両がそのままでは収納できない点も単なるポカミスっぽいだけに情けない。他にも、練り込みが足りない灯火類、限定品の文字がないサボ類、あまりにも施工箇所が多いインレタ、限定品は考証的に実車の完全再現ではない、といった欠点もある。ただ・・・連結部と収納の問題は救いようがないし、サボや灯火類も惜しいが、インレタと再現性は考え方次第かもしれない。

0系は長い歴史の中で、編成の組み替えが数多く行われてきたので時代まで特定しないと「実車に忠実な編成」を再現するのは難しい。その点で特定してきたマイクロエースに対し、トミックス、カトーは最大公約数的な車両でお茶を濁してきた。もっとも、フル編成志向、考証志向ではなかった時代では、0系の形をしているだけで許容されていたことも確かだ。そうした視点で今回製品を見ると、1〜13次車の範囲で最大公約数的な製品であるといえる。ゆえに、過去のものとは比べ物にならないくらい実車に迫ったとはいえ、例えば限定品は1・2次車としては実車と異なる箇所(前面窓上手すりや屋根ルーバーなど)も見受けられる。

しかし。これまでいくつものレビューを書いてきた立場で言わせてもらえば、よくできた今回製品とてプラ量産品なわけで、今回程度の実車との違いは他形式でも日常茶飯事であることも確かだ。金型はそう簡単には作れない・変えられないという前提に立てば、1・2次車に忠実な金型をガチガチに作られて後のバリエーション展開がなくなったり間違ったりするよりも、多数派に合わせた今回製品の手法は望ましいと考える。ディテールの違いは改造でなんとかなりそう・・・そのうちチャレンジしようかと思っているし、筆者は0系でもN700系でも、古くても新しくても新幹線車両には分け隔てなく接したいので、新幹線開業50周年!0系の開業一番列車だからこそ完全再現すべきだった・・・とも思わない。その意味では、個人的には今回製品の実車との差異は許容範囲だ。

通常品の印刷なし、表記類はすべてインレタというのは確かにやりすぎ感はある。このへんの賛否は人によるだろうし筆者も判断に迷うところだけど、0系はバリエーションが多いことは確かだし、あらゆる編成・仕様に対応しようとするのは決して間違いではないと思う。

300系や923形ドクターイエローの比較記事で書いたように、製品の発売・設計時期に大きな差があっても模型自体にはそれほど差はつかないと思っていた。しかし、もしも今回トミックスvsマイクロエースの一騎打ちレビューだったら・・・正直なところ、公開処刑レベルといっていいくらい、非常に大きな差を見せることになっていたかも。トミックスに死角があるとすれば連結部ということになるが、当のマイクロエースの連結部もそれほど褒められたものではない。勝っているのはマイクロ新(N4)のヘッドライトのリム印刷の細さくらいだろうか。

よほどトミックスが嫌いとか可動幌が嫌いといった信者系の人でもない限り、(そもそも入手が難しいが)0系大窓車はマイクロエースを選択する理由は無くなった気がする。今回製品はキャンペーンでお召列車の先頭車まであるので、マイクロエースの1・2次車製品はことごとく食ってしまうことになるだろう。方向幕仕様で食堂車入りの18次車「ひかり」(今回の「マイクロ旧」)は一線を画しているが、前述のとおり今回製品は方向幕仕様も想定しているので、こちらも食われるのは時間の問題。マイクロエースの牙城だった0系大窓車に初めて対抗馬ができたわけだけど、ちょっと相手が悪すぎた気がする

いろいろ問題がないわけではないし、今後マイクロエースの1000番台が発売されるまでは何とも言えないが、これまでの比較を見てのとおり、今回製品は現時点では最良・最高のNゲージ0系であると思う。Nゲージ新幹線模型初の完全新規リニューアルという点でも、革命的製品・・・は言い過ぎかもしれないが、歴史的にもポイント高い。そしてなにより、今回の「0系リ・ボーン」を初期大窓車だけで終わらせてほしくない。方向幕仕様は出ることが約束されたようなものだけど、やはり1000番台、2000番台、ひいては「ウエストひかり」とか「フレッシュグリーン」まで・・・時間は相当必要だし編成も複雑になって難しいだろうけど、今回製品の仕様なら旧製品を徐々に置き換える価値は大いにあると思う。ていうか、ドクターイエローT2、T3編成もYOUやっちゃいなYO!

最後に。記事の冒頭で通常品は「こだま」にするつもりであり、もう一つの基本セットはアーカイブ用に買っただけと書いた。「こだま」は今回製品、16両「ひかり」はマイクロエースで、という想定だったからだけど、レビューを書きながら今回製品の無双っぷりに気づき、その後増結セットを買い揃えて結局、今回製品は限定品と通常品「ひかり」「こだま」すべて揃える結果と相成りましたとさ・・・ま、まあ、今後への期待も込めてね。

【コラム】16両編成を収納するには

通常品は16両編成を想定しているにも関わらず、車両ケースが16両編成に対応していないので全車両を収納できないという欠陥(言い切ってしまっていいだろう)がある。※その後、公式サイトでもフォローされている。

トミックス0系大窓車レビュー10

ウレタンの一番上と下が先頭車専用になっているので、どうやっても中間車は12両までしか入らず、2つのブックケースに16両編成を収納することができないのだ。上から6段目は先頭・中間共用の形状を実現しているので、それを一番上と下にも適用すればいいのに・・・

あぶれた2両は増結セットの紙箱+発泡スチロールに入れとけとでもいうのだろうか?収納では他社より優れている同社だが、たまに抜けてんだよね(持ってないけどN700系0番台とか)。


トミックス0系大窓車レビュー12

そんなわけで、買ってきて早々ウレタンを加工する羽目に。黄色い部分をカッターでカット。切り方が雑なのはご勘弁を。

写真上段が1つめのケースで、8号車が入るウレタンの一番下の段。左側は可動幌の逃げ場を作る。右側は屋根部分の高さを増やす。また、カプラーが長いU字側になるのでその分逃げを作る。コの字形に切るのは難しいので下まで切ってしまった方が楽(収納には全く問題ない)。

写真下段は2つめのケースで、9号車が入るウレタンの一番上の段。8号車とは逆に切るが、こちらは短いフック側なのでカプラー部分の逃げを作る必要はない(作ってもいいが、筆者は必要性を感じなかった)。


トミックス0系大窓車レビュー11

かくして、16両すべて収納できた。こういうつまらない調整は勘弁してほしい。

なお、12両編成の場合は前述のとおり6段目が先頭車対応なので、2つ目のケースは上から入れても限定品のように入れても特に問題はない。


筆者は2009年リニューアル製品をフル編成購入しなかった(R編成に改造するつもりだった)ので気づかなかったのだけど、改めて見たら当時も同じ状態だったようだ。今回は当時のウレタンをそのまま流用していることになるが・・・苦情とかなかったのだろうか?

ユーザ側でなんとかするしかないと加工例を紹介すると同時に、厳しいことも書くつもりだったが、その後公式サイトに対処方法の掲載を確認したので(やはりウレタンカットだが、カット方法は当サイトと異なる)、とりあえず矛を収めることとする。なお、ウレタンはザクザク切れる反面、油断すると危険なこともあるのでカッターの扱いにはくれぐれも注意してほしい。残念ながら、収納できない2両は増結セットBのケースに収納するのが最も安全。この加工を行う場合は自己責任でお願いしたい。

【コラム】ヘッドライト4灯表現はできるか?

前述のとおり、今回製品は内部的には4灯表現になっているものの、表面には出てこない。しかし、それは透明なプリズムですべてを構成しているからであり、黒などで遮光してやれば4灯になるのでは?と思い加工してみた。

トミックス0系大窓車レビュー13

結論からいうと、残念ながら効果がなかった。この程度のことはメーカーもとっくにやっているだろうし、その意味ではあまり期待もしていなかったが・・・

最上段の正面写真、プリズムの突起部分(本文中レゴブロックと表現した)を避けて艶消し黒を塗ったのだけど、左は光源側のプリズムを、右はボディ側のプリズムを塗装とアプローチを変えてある。しかし、右はやや黒い部分が増えただけでどちらも縦2灯には全く見えない。

2段目は左側(光源側を塗装)で、2灯に見えなくもないが見える角度は限られる。3・4段目以降は右側(ボディ側を塗装)で、こちらの方が2灯がややくっきり出ることがあるが、やはり見える角度は限られる。消灯時でも2灯に見えることがあるのがこちらの方式の特徴か。

ボディ側に装着されるプリズムは中実なので、所詮屈曲した光しか出てこない。E6系やE7系のような極薄パーツにでもしないと無理というわけだけど、今回その方式が採用されなかったのは残念に思う。


というわけで、実験台となった筆者の「こだま」21形は両目が半端な状態になってしまったわけですが(涙)・・・水性塗料で塗ったのでシンナーで落として原状復帰済み。

【コラム】付属インレタの番号

群を抜く充実ぶりの今回製品のインレタだが、前述のようにN4・H6・K25・K30の各編成が窓などに貼る編成番号、1〜12・16号車分の車番が編成通りセットされており、他製品(N700系とか)と同じように施工すればその編成に仕立てることができる。

一方で、「その他」と称した車番が多数収録されている。これらは号車順では無いうえに基本セットと増結セットAで別の車番が収録されており、どう活用すればよいのか途方に暮れてしまいそうである。そこで、付属のインレタをスキャナで拡大、以下にその収録内容を記載した。7列あるうちの左3列が基本セット、右4列が増結セットAに含まれているものだ。

基本セット(共通)「その他」 増結セットA「その他」
21 21-77 21-81 21-68 21-18 21-72 21-79 21-84
H15(1)→K20(1) H16(1)→K44(1) R14(1)→K38(1) K6(1)→H18(1) T13(1)→K41(1) R16(1)→K42(1) T14(1)→K23(1)
22 22-77 22-81 22-68 22-18 22-72 22-79 22-84
H15(12)→K20(16) H16(12)→K44(16) R14(12)→K38(16) K6(12)→H18(16) T13(12)→K41(16) R16(12)→K42(16) T14(12)→K23(16)
25-0 25-168 25-173 25-135 25-35 25-143 25-171 25-172
T14(11)→K23(15) H17(3)→K47(3) R14(3)→K38(3) K6(3)→H18(3) T13(3)→K41(3) K17(3)→K46(3) K17(11)→K46(15)
25-0 25-161 25-162 25-136 25-36 25-144 25-167 25-168
H16(3)→K44(3) H16(11)→K44(15) R14(11)→K38(15) K6(11)→H18(15) T13(11)→K41(15) T14(3)→K23(3) T14(11)→K23(15)
25-200 25-246 25-247 25-228 25-244 25-232 25-246 25-247
K17(7)→K46(7) H17(7)→K47(7) R14(7)→K38(7) T14(7)→K23(7) T13(7)→K41(7) K17(7)→K46(7) H17(7)→K47(7)
25-500 25-528 25-561 25-562 25-519 25-542 25-543 25-557
H6→H30 →K44(9) →K38(9) K6(13)→H18(13) →K41(9) →K25 →K39(9)
25-700 25-728 25-741 25-762 25-719 25-742 25-753 25-762
H6→H30 →K34(11) →K38(11) K6(7)→H18(7) →K41(11) →K29(11) →K38(11)
26-0 26-141 26-167 26-135 26-36 26-143 26-171 26-172
H14(?)→H40(2)/9 T14(2)→K23(2) R14(2)→K38(2) K6(2)→H18(2) T13(2)→K41(2) K17(2)→K46(2) K17(10)→K46(14)
26-0 26-161 26-162 26-136 26-35 26-144 26-167 26-168
H16(2)→K44(2) H16(10)→K44(14) R14(10)→K38(14) K6(10)→H18(12) T13(10)→K41(14) T14(2)→K23(2) T14(10)→K23(14)
26-200 26-373 26-342 26-333 26-235 26-339 26-371 26-372
H17(4)→K47(4) H14(?)→H40(6) R14(4)→K38(4) K6(4)→H18(4) T13(4)→K41(4) K17(4)→K46(4) K17(6)→K46(6)
26-200 26-349 26-361 26-336 26-236 26-344 26-367 26-368
H15(4)→K20(4) H16(4)→K44(4) R14(6)→K38(6) K6(6)→H18(6) T13(6)→K41(6) T14(4)→K23(4) T14(6)→K23(6)
26-700 26-770 26-813 26-816 26-737 26-773 26-793 26-804
→H40(8) →K38(8) →K27(10) K6(8)→H18(8) →K41(8) →K45(8) →K39(10)
26-700 26-812 26-811 26-814 26-738 26-774 26-799 26-800
→K44(10) →K44(8) →K38(10) K6(14)→H18(14) →K41(10) →K42(8) →K42(10)
15 15-23 15-30 15-39 15-6 15-15 15-18 15-23
S5(9)→H23(11) H6→H30 H7(7)→H40(9) N6(7)→H6(9) K3(7)→H15(9) K6(7)→H18(9) S5(9)→H23(11)
16 16-87 16-62 16-59 16-18 16-64 16-74 16-81
→H40(12) H14(?)→K44(12) R14(8)→K38(12) K6(8)→H18(10) T13(8)→K41(12) T14(8)→K23(12) K17(8)→K46(12)
35 35-142 35-135 35-136 35-35 35-36 35-143 35-144
H14(?)→K44(13) R14(5)→K38(5) R14(9)→K38(13) K6(5)→H18(5) K6(9)→H18(11) T13(5)→K41(5) T13(9)→K41(13)

一番左の列(濃いグレーに白文字)は各形式で、そこから右側のセルの上段が収録されている車番(インレタと同じ並びになっている)、下段はその車両が属していた編成、()内の数字はその編成内の号車番号。着色されたセルの意味については後述する。

所属編成の「→」左側はメーカー別編成記号だった時代のもので、N(日車)・K(汽車)・R(川重)・H(日立)・S(近畿)・T(東急)、右側は列車別に変更された後のH(ひかり)・K(こだま)である。「→」の右側しかないのはその編成で初登場した車両(増結車とか)。実際には変則編成やら暫定編成を経ていたり、「こだま」はK編成になる前はS編成を名乗っていたりと、単純に「→」だけで済んでいない場合もあるが、あくまでも模型からのアプローチということで細かい経緯は省略する。大雑把にメーカー別時代は12両編成、列車別時代は16両編成という程度に見ていただければと思う。

見てのとおり、重複しているものやN4・H6・K25・K30編成に含まれている車番まであり(濃いグレーのセルにある車番がそれ)かなり雑多な印象を受けるが、先頭車がなければ編成にしようがないということで、21・22形から探ると7編成分が収録されていることがわかる。さらに、その7編成に含まれる車番をピックアップしていくと、「その他」の車番からは以下の編成が組めることがわかった。

もともと収録されている編成(N4・H6・K25・K30)は「標準」、「その他」に収録されたものは「拡張」として分類した。着色されたセルは上記のインレタ表に対応している。ロットの「増結」は模型のものではなく、実車の16両化で増結された車両、「基本」はオリジナルの車両を示す。「標準」の編成についている()はそれぞれ16両化前と後の編成(インレタには含まれない)を示す。

インレタ分類 用途 編成 ロット(基本) ロット(増結)
標準 ひかり N4→(H4) 1・2次 10次
標準 ひかり H6→(H30) 1・2次 10次
拡張 ひかり K6→H18 1・2次 10次
標準 こだま (N9)→K25 4次 13次
標準 こだま (N12)→K30 6次 13次
拡張 こだま R14→K38 9次 13次
拡張 こだま T13→K41 9次 13次

「拡張」で組める編成は編成記号・番号のインレタがないので、必要ならばどうにかして用意しなければならない。N・H・Kなら今回製品のインレタでどうにかできるが、T・Rは他製品から調達することになるだろうし(JR東海車のインレタなら国鉄時代の0系にも流用できるはず)、編成番号も同様。例えばK6編成ならば標準の「H6」「K30」の組み替えで作ることができるが、K38編成ならN700系2000番台の「X38」から流用するとか。インレタの流用や組み換えにはキリがない(何でもあり)ので、細かすぎて入れ替えは困難を極める車番はそのままとし、編成記号・番号くらいで抑えた方が無難だと思う。

まとめると、今回製品で組める編成は以下となる。":"の右側は上記一覧で該当する編成(R0編成除く)。

  • 初期共通12両編成(1964-1965)、「ひかり」12両編成(1966-1970):N4・H6・K6
  • 「ひかり」16両編成(1969-1974):N4→(H4)・H6→(H30)・K6→H18 ※1971年にH編成に統一
  • 「こだま」12両編成・正規編成ビュフェ車2両入り(1966-1973):N9・N12・R14・T13 ※1971年にS編成に統一
  • 「こだま」16両編成・ビュフェ車2両入り(1973-):K25(-1979)・K30(-1975)・K38(-1975)・K41(-1982)
  • R0編成・6両編成(1985-1986):H15→K20(先頭車21-77、22-77)から。一部車番の組み換えが必要

「ひかり」編成は16両化の際に4両増結した程度で、編成組み換えに明け暮れていたイメージがある0系にしては安定している。今回製品は食堂車ユニットがないので、それらが組み込まれた1974年までが再現範囲となる。一方、「こだま」は正規編成・変則編成・暫定編成やらとやや複雑化しているが、今回製品は26-400形、25-400形(売店車)が存在しないので、あくまでも正規編成・ビュフェ車2両入り編成のみ再現可能。「こだま」16両編成に挙げた編成の終焉がそれぞれ異なっているのは、中途でビュフェ車が売店車に置き換えられたり、小窓車への置き換えタイミングによる。その中でもK41編成は初期「こだま」としてはかなり長寿で、1979年にビュフェ車ユニットの移動(5・6号車→9・10号車)が行われた。

上に挙げた編成以外は先頭車があっても一部車両しか収録されない(惜しいのもあるけど)のと、そもそも売店車入りだったりで編成が組めないのだった。ただし、H15→K20(先頭車21-77、22-77)については初の6両編成「R0編成」であれば組むことができる(一部車番の組み換えが必要)。それ以外の車番については、先頭車がない以上どうしようもない。

1969年に1等車→グリーン車に変更されているので、15・16形のインレタには注意。また、ロット(次数)により前面窓上手すり、屋根上ルーバー、行先・座席表示サボ受けの有無などといった外観上の違いがあるが、今回製品が大窓の初期車という範囲内で最大公約数的である以上、「キメる」にはやはり時代や編成の特定が欠かせない。幸いなことに、0系実車の資料や考証は先達が書籍・Webサイトで詳細に残しているので、各自調査していただければと思う(※ここまで話振っておいて申し訳ないですが、その詳細を述べるのは当サイトの役割ではないと考えます)。

なお、「考証どおりに再現すべき」との主張ではないので誤解なきよう。だいたい、今回製品の時代は古すぎて筆者自身がリアルで見ていたわけではないし。自分なりの解釈でアレンジしたり、なにも考えずにライトに楽しむのも全然アリだと思う。その一方で、付属インレタからいろいろ考証の上カスタマイズできること、今回製品にはその楽しさや価値があるということを紹介したかった。

【コラム】0系先頭車2両セット(キャンペーン品)について

2014年に発売された、トミックスの0系、300系(後期型)、N700系2000番台の基本セット(0系は限定品も)に付属する応募券を規定通りに送ると必ずもらえる「0系新幹線 先頭車2両セット(特別塗装)」が、予定通り2015年1月下旬に届いたので簡単にレポートする。

トミックス0系大窓車レビュー113

「特別塗装」とは前面スカートにいわゆる「Vマーク」が入れられた、1966〜1971年の間に運転されていたお召し列車をモチーフにしたもの(1972年以降はヘッドライト周辺の青帯に変更)。模型ではマイクロエースの「初期お召列車」がすでに存在しているが、トミックスも同じネタを出したことになる。

今回は先頭車のみとなっているが、スカートのVマーク以外は通常品とまったく同じ仕様。先頭車を入れ替えてお召列車を再現することになる。

トミックス0系大窓車レビュー114

パッケージは同社お馴染みのEF66の装飾があるとはいえ非常にシンプル。おかげでコメントもシンプル(w。


トミックス0系大窓車レビュー115

内部は単品ケース×2となっているが一般的なケースよりも長い。発泡スチロールの形状を見ると新幹線のロングノーズ先頭車に対応するためのようだ(実際、N700系の先頭車などは通常の単品ケースには入らない)。ただ、セット売りが基本の新幹線においてはあまり活躍の機会はなさそうだが・・・

今回はブックケースへの収納を想定していないと思うので、単品ケース入りにしたのは正解だろう。


トミックス0系大窓車レビュー116

車番・号車番号・行先と座席表示のサボ枠は印刷済みとなっている。限定品とは異なり、時代的にサボ枠のみの印刷となる。

車番は21-4、22-4なのでマイクロエースのVマークと同じくN4編成が該当する。窓に貼る編成番号などは通常品のインレタ(N4編成も含まれている)から流用する。通常品の「ひかり」16両編成をN4編成に仕立てておけば、先頭車のすげ替えでお召列車とのコンバートが楽しめるという寸法だ。

いくつかの写真を見る限り、16両化された後は座席表示サボは撤去(行先サボは存置)されているっぽいがはたして。 12両編成時代のN4編成がお召し列車に充当された可能性もあるが、16両編成化(N4編成は1970年2月)後としてはどうかな・・・

模型だからイージーに考えていいと思うけど、16両編成のN4編成としてこだわるなら、他の号車はともかく7・8・13・14号車は行先・座席表示ともサボ枠のインレタは施さないのが正解。これら増結車は10次車なのでサボ枠は当初から省略されている。


トミックス0系大窓車レビュー117

Vマークの位置をマイクロエースと比較。スノープロウとの位置関係もあると思うが高さや「V」字の具合に差がみられる。Google画像検索で「0系 お召し」で出てくる画像を見る限り、「V」字の具合はマイクロエースの方が近いように見える。スカート下端との間隔はトミックスか・・・

ただ、お召列車は期間内に何度か走っていたようで、そのたびに充当編成が変わった関係でVマークの位置にも個体差があったようだ。一般的に見られる資料はわずかであるため、個人的にはどちらも正解ということにしておく。


トミックス0系大窓車レビュー118

マイクロエースの方がサイドへの回り込みが大きい。こちらも実車と比べられない以上、やはりどちらが正しいともいえない。



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