100系
マイクロエース 100系9000番台X0編成 レビュー

●概要

2012年12月、マイクロエースから100系X0編成が発売された。製品構成は以下の通り。

品番 商品名 両数 商品形態 価格
A3450 国鉄100系9000番台 新幹線「X0」編成 登場時 8両基本セット 8 ブックケース 23,900
A3451 国鉄100系9000番台 新幹線「X0」編成 登場時 8両増結セット 8 ブックケース 22,200
フル編成価格
8両基本セット×1 8両増結セット×1 
46,100 円
矢印
博多
東京
矢印
CarInfoItem1
1号車 123-9001
8両基本セット
CarInfoItem2
2号車 126-9001
8両増結セット
CarInfoItem3
3号車 125-9001
8両増結セット
CarInfoItem4
4号車 126-9002
8両増結セット
CarInfoItem5
5号車 125-9002
8両増結セット
CarInfoItem6
6号車 126-9003
8両基本セット
CarInfoItem7
7号車 125-9501[M]
8両基本セット
CarInfoItem8
8号車 168-9001
8両基本セット
CarInfoItem9
9号車 149-9001
8両基本セット
CarInfoItem10
10号車 116-9001
8両増結セット
CarInfoItem11
11号車 125-9701[M]
8両増結セット
CarInfoItem12
12号車 126-9004
8両増結セット
CarInfoItem13
13号車 125-9003
8両増結セット
CarInfoItem14
14号車 126-9005
8両基本セット
CarInfoItem15
15号車 125-9004
8両基本セット
CarInfoItem16
16号車 124-9001
8両基本セット

製品の詳細はアーカイブ(別窓)も参考にしてほしい。

マイクロエースはすでに、100系の量産先行試作車(9000番台)を製品化しているがJR化後のX1編成であり、パンタグラフ削減改造などが行われた晩年仕様をプロトタイプとしていた。今回は国鉄時代のX0編成、つまり登場時をプロトタイプとした製品となる。

100系はすでに引退しており特に話題もないはずだが、ここに来て、しかも登場時というのは時期的には疑問符が付く。しかし、初の2階建て車に掲げられた象徴的な赤い「NS」マークをはじめ、登場時は0系しかなかったこともあり、そのインパクトは並みならぬものがあった同形式。JR化後の姿だけではなく、登場時の製品化も潜在的に望まれていたといえよう。

筆者は数か月前に中古でX1編成を購入していたが、個人的には登場時のX0編成の方が印象が強いため、今回購入してしまったというわけだ(X1編成購入直後に発表されるとは・・・)。100系の試作車が2本手元にあることになるが、今回のレビューでは両車の差分を紹介できたので結果オーライと前向きに考えることに(w。X0編成のレビューとはいえ、基本的にはX1編成と大きく変わらないので、X1編成製品に当てはまる点も多いはずだ。

一応、X1編成の製品構成も挙げておこう。

品番 商品名 両数 商品形態 価格
A3456 100系9000番台新幹線 「X1編成」・晩年 基本8両セット 8 ブックケース 21,000
A3457 100系9000番台新幹線 「X1編成」・晩年 増結8両セット 8 ブックケース 17,500
フル編成価格
基本8両セット×1 増結8両セット×1 
38,500 円
矢印
博多
東京
矢印
CarInfoItem1
1号車 123-9001
基本8両セット
CarInfoItem2
2号車 126-9001
増結8両セット
CarInfoItem3
3号車 125-9001
増結8両セット
CarInfoItem4
4号車 126-9002
増結8両セット
CarInfoItem5
5号車 125-9002
増結8両セット
CarInfoItem6
6号車 126-9003
基本8両セット
CarInfoItem7
7号車 125-9501[M]
基本8両セット
CarInfoItem8
8号車 168-9001
基本8両セット
CarInfoItem9
9号車 149-9001
基本8両セット
CarInfoItem10
10号車 116-9001
増結8両セット
CarInfoItem11
11号車 125-9701[M]
増結8両セット
CarInfoItem12
12号車 126-9004
増結8両セット
CarInfoItem13
13号車 125-9003
増結8両セット
CarInfoItem14
14号車 126-9005
基本8両セット
CarInfoItem15
15号車 125-9004
基本8両セット
CarInfoItem16
16号車 124-9001
基本8両セット

X1編成のアーカイブはこちら(別窓)。

マイクロエース100系レビュー01

待ち望んでいた人は待ち望んでいた(?)100系X0編成。2階建て車の赤い「NS」マークが印象的な国鉄時代を再現。

マイクロエース100系レビュー02

基本セットと増結セットという一般的な製品構成。16両フル編成が2つのブックケースに収納できる(号車順に並び変えることはできない)。

基本セットに2両の2階建て車が含まれるので、無理にフル編成にしなくてもその雰囲気を味わうことができるかもしれない。でもやっぱり、フル編成の華やかさは捨てがたい!


●実車と模型

100系の量産先行試作車X0編成は1985年3月に登場、同年の10月から営業運転を開始した。当時の東海道新幹線は0系しかなかったから、まさに虎の子列車だったといえる。その後量産車(X2〜7編成)が登場し、車内設備を量産車に揃えるための量産化改造(グリーン個室の集約化など)を実施し、X1編成となった。その際に一部客用扉の増設や撤去が行われるなど外観に変化が生じたが、量産車に対し側面の客室窓が小窓だったり、ヘッドライトがツリ目であるなどの特徴は残された。1987年からはJR東海所有車となり(この際に「NS」マークはJRロゴに置き換えられた)、1991年にはパンタ削減工事やパンタカバーの取り付けが行われ、いわゆる晩年期の姿に。そして、1999年10月に廃車となった。ほとんどの車両は解体されたが、食堂車168-9001のみ浜松工場に長いこと保存されイベント時などに公開されていた。現在はリニア・鉄道館に移設・展示されている。

以上、駆け足で実車について書いてみたが、新幹線車両はたいていの場合、X0編成のような試作車が製作され、後に設備などを量産車に合わせる量産化改造を行い営業運転に入るのが定番となっている。前述の通り、100系も例外ではなくX0→1編成という量産化改造を受けているのだが、量産化改造される前から営業運転に入っていた形式は、現在のところ100系のみである

100系は車内設備は大幅に進化しているが、メカニズム的には0系や200系と大差がないので試験があまり必要なかったという見方もできるが(余談だが、X0編成は0系36次車として増備されている)、通常は1〜2年は試験する試作車の中でも、登場からわずか半年程度で営業運転に入ったというのは稀有な例といえる。試作車の模型化というのは非常に珍しいのだけど(他にはN700系Z0編成くらい)、X0編成が製品化されたのは「試作車の段階で営業運転に入っていた」という事情も無関係ではないと思う。

X0編成は過去にトミックスからも模型化された実績があるが、すぐに見た目が変わった量産車に仕様変更されたため、中古市場でプレミアが付くレア製品となってしまっていた。その結果、X0編成は長らく入手が難しい形式となっていたわけだが、ようやくマイクロエースによって、より進化した製品となってフォローされたわけだ。

●先頭形状とか

実車とは逆になってしまったが、今回の製品はX1編成をベースに、必要な車両やパーツを新規製作してX0編成に仕立てている。X1編成の時点でX0編成の発売を想定していた節もあるが、基本的な仕様は大部分共通している。

マイクロエース100系レビュー03

手前が今回製品のX0編成、奥が従来製品のX1編成。見ての通り、先頭形状などは全く同じ。実車がそもそも同一車両なので当然なのだけど。

マイクロエース100系レビュー04

正面から見ても・・・変わらないよね(w。


マイクロエース100系レビュー05

前面窓の編成番号は印刷済みだが、X1編成は真ん中くらいの高さに貼られており違和感満載だった。X0編成では改善されたことがわかる。


マイクロエース100系レビュー42

どちらもX0編成で左が16号車、右が1号車。実車同様、前面窓前方にあるフィンの形状を作り分けている。

ちなみに、量産車に採用されたのは1号車(右)の形状。


マイクロエース100系レビュー18 マイクロエース100系レビュー17 マイクロエース100系レビュー19

うーん、今回やるつもりはなかったけど・・・カトー・トミックスの100系とも比べてみた。カトーはV編成「グランドひかり」、トミックスはX・G編成(2005年ロット)だ。いずれも1号車。

3者とも全体的なシルエットは変わらないが、細かい違いをいくつか挙げると、運転室の側窓から屋根の肩にかけてのライン、モールドの濃さ(マイクロが濃い)、ヘッドライトの大きさ(太さ)といったあたり。ちなみに、100系のヘッドライトはX0(X1)編成はややツリ目であり、量産車は水平に近くなっている。カトーはその通りになっているが、トミックスは量産車の製品にも関わらずツリ目。同社の最初の製品がX0編成だった名残であり、その後の製品は先頭部の修正を行わず現在に至っている。

形状とは関係ない部分で気になったのは車高で、スカートとレール面の高さで比べるとマイクロエース>カトー>トミックスの順で高いように思う。マイクロエースの車体下部(スカートから側面にかけて)には「LCXアンテナ」があり、この部分は他社製品より太いのだけど、その部分が細いトミックスと台車が見え方がほとんど変わらず、それだけ車高に差があることがわかる。集電スプリングで上がってしまっているわけでもないようだが・・・

LCXアンテナは1号車のみに存在するが、トミックスには表現がない。カトーは一見ないように見えるが、V編成は車体中央部付近にあるので写真では見えないだけである。床下機器が台車直後まで来ているのもV編成の特徴だ。


マイクロエース100系レビュー21

100系を並べて上方から見てみたが、やはり基本的な形状はほとんど差はないようだ。前面窓上の手すりを表現しているのはマイクロエースのみである。

マイクロエース100系レビュー20

側面の客室窓のボディとの段差は標準的なところ(車両により個体差がある)。ただし、マイクロエースは窓枠にも塗装が回っているので、ほとんど段差感は感じない。カトーとトミックスは窓枠に塗装が回っておらず、見る状況によっては段差が目立つ。

トミックスは(カトーも)量産車なので大窓だが、試作車のマイクロエースは小窓であり、見た面にも大きな特徴となっている。


マイクロエース100系レビュー06

マイクロエースは先頭車のみ車体全体の肩の部分にパーティングラインが通っている。走らせているときなどは気にならないが、手に持ってしげしげと眺めていると結構目立って残念。

●塗装・印刷

マイクロエース100系レビュー08

X0編成はX1編成よりも明らかに光沢が強くなっている。近年の新幹線模型は光沢が強いのがトレンドで、300系もそうだったがX0編成にも波及した。

光沢により若干変化するものの、色調自体はX1編成から特に変わっていないようだ。


マイクロエース100系レビュー09

なかなか写真でお伝えするのは難しいが、先頭部と側面で若干光沢の強さが異なる。先頭部(うっすら見えるパーティングラインから前方)はツルツルといっていいくらい光沢が強いが、中間車も含めて側面はそれほどでもない。


マイクロエース100系レビュー22 マイクロエース100系レビュー23

印刷表記の比較。上がX0編成、下がX1編成。X1編成の「自由席」ステッカーは前オーナーが貼ったものだ。印刷クオリティはどちらも同じくらいで、禁煙車の表記や形式番号横のJRマークなど、それぞれ時代に則した表現となっている。禁煙車表示は判読は難しいものの、ローマ字表記もあって細かい。ちなみにX0編成の禁煙車は1・2号車のみである。

マイクロエース100系レビュー07

付属品は行先表示のステッカーのみ(基本・増結セットそれぞれに付属)。内容は「ひかり」の東京・名古屋・新大阪となる。


●新規製作された車両(じゃないのもあるが・・・)

ほとんどの車両はX1編成のものを引き継いでいるが、一部の車両がX0編成用に新規製作されている。

●9号車(149-9001)

マイクロエース100系レビュー24 マイクロエース100系レビュー25 マイクロエース100系レビュー26

2階建グリーン車となる9号車はX0→X1編成化の際に階下席の窓拡大、東京寄りに客用扉の増設が行われており、それなりに外観に変化があった車両。模型では順序が逆になったが、ボディを新規製作して対処している。

マイクロエース100系レビュー10

室内パーツはX1編成のものをそのまま使用している。X0編成には客用扉がないが、X1編成のデッキ部表現がそのまま残っている。もちろん、外からは見えない部分なので全く問題はない。


●10号車(116-9001)

マイクロエース100系レビュー28 マイクロエース100系レビュー29 マイクロエース100系レビュー27

10号車は平屋のグリーン車で、X0編成時代は博多寄りに個室が設けられていたが、X1編成化の際に個室が9号車の階下席に集約されたため、個室を撤去し通常の座席に変更された。また、その際に博多寄りの客用扉が廃止された。こちらも順序が逆になってしまったが、やはりボディを新規製作して対処。

マイクロエース100系レビュー30

10号車は室内パーツも新規製作されていて、X0編成ではきちんと個室を再現。しかも山側(写真左側)は1人個室が2つ、海側は2人個室というところまで再現するこだわりよう。室内灯点けるとけっこう効きそうだ。


●8号車(168-9001)

マイクロエース100系レビュー31 マイクロエース100系レビュー32

2階建て食堂車である8号車は「NS」マークがついたくらいで、新規製作ではないが・・・

マイクロエース100系レビュー33

屋根までラウンドした側面の窓ガラスが特徴的なのでちょっと比較。

階下席(厨房)の窓は同じくらいだが、2階席の窓はボディと段差があり、カトーはかなりボディより奥まっていることがわかる。マイクロエースはカトーほどではないが、やはり奥まり気味である。意外と健闘しているのがトミックスで、30年前の設計にも関わらず最もツライチに近いという結果に。窓が大きいだけに、この差は指で触っても分かるほどだ。


マイクロエース100系レビュー11

マイクロエースの食堂車の内部。階下の厨房はさすがにがらんどうだが、2階の客室はレジカウンターが再現されていたり、テーブルが白かったりで表現が細かい。食堂車は窓が大きいのでかなり効いている表現だ。

余談だが、レジカウンター内にある小型のエレベータを使用して厨房から食堂まで料理を運んでいた。


マイクロエース100系レビュー34

せっかくだから、各社の食堂車内部を比較してしまおう。

マイクロエースの山側には厨房横の通路や階段が表現されていて、さらに食堂に入るための階段や通路まで再現しており、外からは見えない個所も表現。同社のこだわりには頭が下がる思いだ。安易な分解はするべきではないが、実車の勉強にもなります。ホント(リニア・鉄道館なら本物見られるが・・・)。

トミックスは見える部分だけ表現するという思い切った設計で、特に階下席の表現はまったくなく、集電板が通っているだけだ。

カトーは海山向きが逆になってしまったが、やはり見える部分だけに割り切った設計である。階下席は厨房のはずだが何故か座席になっており、おそらくこれは他の2階建て車(178・179形)とパーツを共用しているからだと思われる。

カトーは通路部分の床が抜けていて階下席に室内灯の光が入るようになっているが、無いはず座席が目立ってしまう気が・・・窓が小さいから大丈夫?


マイクロエース100系レビュー35

座席とテーブルの表現。前述の通り、マイクロエースは白いテーブルが効いているし、座席の肩が丸いX編成食堂車の特徴も表現していて非常にリッチに見える。

トミックスは設計時期が時期なので、そこまでこだわった表現になっていない(現在設計したとしても、マイクロほどやるかは定かではないが・・・)。カトーのV編成「グランドひかり」は「食堂」なX編成に対し、「レストラン」という雰囲気だったので内装は異なる。ただ、模型では白に近いグレー1色なので、その辺の雰囲気を出すには自分で塗装するしかないようだ。


●屋根上

マイクロエース100系レビュー36

屋根上の空調装置やビード(線)のモールドはX1編成と全く同じ。滑り止めを塗装で表現しているのも同じだが、塗装のグレーは濃さにかなり差があり、濃いグレーで非常に目立つX1編成に対し、X0編成は明るいグレーで屋根全体の銀色に溶け込むような感じになっている。

実車の滑り止めが塗装されていたかは定かではないが、カトー・トミックスは無塗装(屋根の銀色そのまま)である。マイクロエースのはメリハリをつけるためのデフォルメと解釈しているが、どれが良いと感じるかは個人の好みだろう。


マイクロエース100系レビュー37

X1編成と大きな差があるのはパンタグラフ周辺。X0編成からX1編成に改造されてしばらくはパンタがむき出しだったが、後年パンタの削減と高圧線の引き通し改造が行われた際、パンタカバーが取り付けられた。

海側の肩の部分、引き通し改造されていないX0編成にも高圧線パーツが取り付けられているが、調べると準備工事だけはされていたとのこと(量産車は準備工事を省略)。高圧線引き通しによるパンタ削減はX0編成よりも前に200系で実現していたから、時系列的にも納得。


マイクロエース100系レビュー41

100系は当初6基のパンタを装備していたが、前述のパンタ削減工事で4・10・14号車のパンタを撤去した。左の写真は14号車で、X1編成はカバーは残されたがパンタがない。

高圧線引き通しは2〜13号車にしかないので、写真の14号車の肩には高圧線パーツがないことがわかる。

高圧線引き通し改造の際に車体間にケーブルヘッドが増設され、パンタグラフに至るまでの高圧線パーツも作り分けている。


マイクロエース100系レビュー38 マイクロエース100系レビュー39

2階建て車8・9号車の車端屋根形状も異なる。高圧線引き通し改造により、X1編成にはケーブルヘッドが存在することがわかる。ここは別パーツになっているので対応は容易だったようだ。

他の平屋の車両についても、X0編成・X1編成で車端屋根のケーブルヘッド有無をきちんと作り分けている。


屋根上に関しては、X0・X1編成ともに時代に応じた変化も細かく作り分けて対応しており、非常に忠実に再現しているといってよいだろう。各パーツの取り付け精度には多少不満が残るが、個人的には高評価。

●連結部

マイクロエース100系レビュー12

連結部はX1編成から引き続き、同社標準の「マイクロエース新幹線カプラー」が採用されている。妻面も同社の200系などと共通した仕様である。


マイクロエース100系レビュー14

連結間隔は5.5mmといったところで、模型としては標準的なところだが伸縮カプラーにしては相変わらず広め。


マイクロエース100系レビュー13

外幌はしっかり表現できているものの、間隔が根本的に広いのはどうにも・・・ボディマウント式のカプラーだが、車端部の床下機器類は表現されていない。


●その他

マイクロエース100系レビュー40

床下も台車もX1編成と全く同じだが、グレーの濃さはかなり異なる。実車にもこの差があったのかどうかは筆者にはわからないが、屋根上の滑り止めや妻面の幌枠も、それぞれ同じグレーで統一しているようだ。


マイクロエース100系レビュー15

ヘッドライトは電球色LED・・・にしては黄色が強いので、もしかしたら黄色LEDかもしれない(メーカー公式には記載なし)。少なくとも、他の電球色LEDを装備した製品よりも黄色が強いことは確かだ。


マイクロエース100系レビュー16

テールライトは安心の赤色LED。光量も十分。


●総評

前述したが、0系しか存在しなかった東海道新幹線において、100系(X0編成)の登場はものすごいインパクトがあった。それを当時リアルで見た者・・・要するに筆者のようなアラフォー以上のオッサンということなのだろうけど(w、それゆえにこの世代の人には100系X編成こそ至上、という人も少なくない。筆者は500系のあたりから新幹線趣味に入ったからそこまではいかないけど、今回、100系X0編成の模型を手にしてみてやはり特別な思いを感じたことも確かで、改めて筆者もその世代の人間なんだと実感した。

100系X0編成の模型というと、実車が登場して間もなくトミックスから発売されたことはある。しかし何度か触れているように、この製品はほどなく量産車仕様に改修されたため非常にレアな製品であり、現在でもヤフオクなどでフル編成の出物が出ると、とんでもないプレミアが付くことも珍しくない。しかし、発売当時の時代背景からフル編成を想定した製品ではないので、模型化されていない形式があったりするし(形式代用せざるを得ない)、その他細かい部分も含めて「所詮30年近く前の製品」であることも確かだ。

模型に限らないが、プレミアというのは品物のレア度によって付けられるものであり、その出来とは比例しないことが多い。トミックスの100系は現在に至るまでX0編成がベースになっているから、基本的なモデリングは良くできているとは思うが、それでもX0編成は一切リニューアルされたことのない、正真正銘の古い製品である。純粋にX0編成が欲しいというだけでは、コストパフォーマンスの点でもその入手にはかなり抵抗があることも事実だった。

その点、今回のマイクロエース製品は決して安くはないが、中古に出回ってもプレミアがつくまでには至らないだろう。ようやく(同社は再生産をなかなかしないので「比較的」)入手しやすい100系X0編成が登場したといえそうだ。トミックスよりも設計が新しく、実車に対する忠実度は比較にならないほど高いので、よほどマイクロエースに拒絶感があるとか、プレミア品を所有すること自体に価値を見出すのでなければ・・・X0編成はマイクロエース製を買えば十分という状況になったといっても過言ではない。

パーツの取り付け精度は相変わらずの「蟻さんクオリティ」だし、最近の例にもれず価格も高い(X1編成よりも8,000円くらい値上がっている)ことには不満が残るが、X0編成に思い入れがあるけど、X1編成では不満だった人には納得のいく製品になっているのではないだろうか。100系の国鉄時代を再現したのは現在ではこの製品くらいしかないので、その点だけでも価値があると思うし、カトーやトミックスとの差別化も申し分ないだろう。

価格的にもスペース的にもハードルが高いが、登場時の華やかなX0編成を味わうなら、ぜひ16両フル編成で楽しんでほしい思う


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