1.Nゲージの連結方式 |
2.新幹線Nゲージ連結器の種類(1) |
3.新幹線Nゲージ連結器の種類(2) |
4.新幹線Nゲージ連結方式・データ編 |
5.分割併合用カプラーについて |
これまで見てきたのは、中間の連結部についての話題だった。しかし、JR東日本の新幹線車両は分割併合運転という独特な運用がある。
在来線でも数多く例がみられるが、行き先の違う列車を連結し、途中駅で分割してそれぞれの行き先へ向かう、もしくは途中駅で連結して同じ行き先に向かうというもので、山形・秋田の両新幹線開通以降、新幹線でも採用されている方式である。また、輸送量に応じて途中駅で切り離し・増結を行うような運用もある。
具体的には、山形新幹線の場合は東京〜福島間を東北新幹線の仙台行「やまびこ」と山形行「つばさ」を併結して走り、福島で切り離してそれぞれに向かう。逆方面の場合は、福島で連結して東京へ向かう、という具合である。秋田新幹線も分岐点が盛岡になるだけで同じである。分割併合作業には特に係員は必要なく、運転席から自動で行えるようになっている。とはいえ、非常に重い物体である列車を数センチ単位で操作し、衝撃のないように連結させるテクニックは神業レベルで、連結シーンがある駅では新幹線に限らずギャラリーができていたりする。
新幹線が在来線と異なるのは、高速走行のために連結器が普段はカバーに覆われているという点だろうか。なお、連結・切り離しの際にはカバーの開閉も自動化されている。
恒常的な運用で連結器が使われていて、カバーが自動開閉するような車両は、今のところJR東日本に見られるのみである。西側の新幹線では例がないが、すべての新幹線車両の先頭部には、非常用の連結器は格納されている、JR東日本の新幹線でも、分割併合を行わない形式は非常用連結器を装備している。
福島駅で連結器カバーを開けて待つE4系「Maxやまびこ」。
振り返るとE3系「つばさ」が進入。この後連結して東京に向かう。
東海道・山陽新幹線の車両にも連結器はあるが、あくまでも非常用。
模型のギミックとして面白く、見せ場にもなるため、新幹線の分割併合はNゲージでも再現されている(ちなみに、玩具のプラレールでさえ再現している)。
現在のところ、このギミックを再現しているのはトミックスとカトーである。以下、両社のギミックを詳しく見てみよう。
カタログに記載されている正式名称は「格納式伸縮密連形TNカプラー」だが、長いのでここでは「格納式TNカプラー」と呼ぶことにする(伸縮じゃないのもあるしね)。
後述のカトーに比べるとかなり早い時期に、山形新幹線用400系と、併結相手となる200系(既存の製品を仕様変更)に、当カプラーを組み込んだのが始まりである。その後も分割併合を行う形式にはすべてこのカプラーが装備されている。
車両底面にある、灯火類のON・OFFスイッチも兼ねる1本のレバーを操作し、カバーごと連結器を引き出し、カバーを取り外せばいいという簡単操作。レバーも指先で操作可能で、特別な工具は要しない。連結器はTNカプラーだが、電気連結器が上についている新幹線専用品である。
操作や仕様は200系を除き共通。200系のみは先頭形状が異なるためか伸縮機能はなく、カプラーが左右に振れるだけだ。また、操作レバーも小型で若干操作性が悪い。
欠点としては、カバーは車体から完全に分離すること、連結器周辺のプラが厚く、見栄えの点ではイマイチという点だろうか。連結してしまえばあまり気にならないが・・・車体から分離したカバーは紛失しないように注意したい。
また、E5/H5系・E6系はノーズ長さの関係で灯火類のスイッチが分離された。一応工具なしで操作可能だがE6系はカトーほどではないもののスイッチ操作が難しく、やや使い勝手が悪くなってしまった感がある。
左からE3系・E2系・200系の連結器を出した状態。200系は開口部が小さい(実車もそう)。
先頭のカバーはこのように外れる。200系は特に細かいのでなくさないように。
伸縮式TNカプラーなので伸びるが、200系のみ非伸縮式で左右に首が振れるだけである。
E3系とE2系の連結状態。
E2系先頭部の底面。黄丸にあるのがレバーで、これを矢印方向にスライドさせる。レバーはそれなりの大きさがあり、指先で操作可能。
レバーを前方にスライドさせると、連結器とカバーがせり出してくる。
上の写真から車体を起こしたところ。この状態から連結器のカバーを取り外す。
カバーを外せば連結可能になる。カバーはなくさないように。
格納するときは、カプラー上部にある2つの突起にカバーの穴を合わせて車体にはめる。
あとは、底面のレバーを引くだけで完了。非常に簡単な操作で、他の形式も同じである。
200系のレバーは他の形式に比べて小さく、指先では操作しづらい(できないわけではない)。専用の工具がついているが、スノープロウ先端がとがっていて危険なため、その対策だろう。
カトーはかなり後発となったが、E2系(1000番台はやて仕様)で初めて、「オープンノーズカプラー」という実物と同じカバーの開閉を再現した連結器を装備した。こちらも同社が発売する、分割併合を行う形式に装備されている。カプラーはKATOカプラーに準じたものを装備。
操作は2本のレバーを駆使して、カバーと連結器を操作する。灯火類のスイッチは別にあり、連結器を出しただけではOFFにならない。開いたカバーは割れて車体に格納され、カバーを「チラ見せ」しているという、実物のようなギミックである。これをNゲージのサイズで実現してしまう技術力は正直すごい。また、車体のプラも薄いので見栄えもよい。
ただし、見栄えは良い分パーツ類は極めて華奢で、非常に神経を使う。2本のレバーは指先での操作は不可能で、付属の工具(プラスチック製のマイナスドライバー)が必要である。その操作性も力の加減が難しく、筆者もこの記事の撮影中にカプラーを何度か壊している。軟質プラなので致命傷に至ることはないが、その都度組み立てを要し、積極的に使う気が失せるというのが正直なところだ。工具類がある家で壊す分にはまだ良いが、レンタルレイアウトとかでこのカプラーを壊したら、部品が細かいだけにかなりイヤだったはずだ。
N700系の全周幌カプラーにも言えることだが、見栄えも技術力も確かにすばらしい。だが、その分扱いにくくなってしまったことも否めない。
E3系とE2系の連結器を出した状態。カバーは車体内に格納され、実物のよう。
伸縮式のKATOカプラー。新幹線用なので電気連結器は上にある。
非常に細かいパーツで構成されている。写真は壊してしまったところだが、扱いが難しく何度もこんな状態に・・・
E3系とE2系の連結状態。
E2系先頭部の底面。2つのレバーがある(赤丸と黄丸)。なお、E3系は黄丸のレバーは台車前方にあるが、操作方法は全く同じだ。レバーは小さく深い位置にあるので専用の工具が必要(指先ではまずムリ)。
まずは、赤丸のレバーを前方にスライドさせる。すると、カバー部分が前方にせり出す。
続けて、黄丸のレバーも前方にスライド。今度は連結器本体が前方にせり出す。連結器カバーも分割される。
せり出したカバーを指先で写真のように整える。
赤丸のレバーを後方に戻す。この作業が曲者で、レバーの固定位置が分かりにくく、力の加減が難しい。引き過ぎると上の写真(E3系)のように壊すハメになる。
うまくレバーを引くことができればカバーが車体に格納され、連結可能状態となる。
今度は格納するときの手順。まず、黄丸のレバーを後方にスライドさせ、連結器を格納する。
次に赤丸のレバーを前方にスライドし、格納されていたカバーを出す。
カバーを写真のように整える。
あとは赤丸のレバーを後方にスライドで終わり・・・なのだが、前述の通りこのレバーは力加減に注意。カバーをそのまま押すだけで閉まることもあるので、そっちの方が安全かもしれない。
カトーの場合、灯火類スイッチは写真の位置にある。こちらも工具が必要だ。まあ、併結面のライトが煌々と光っていても気にしなければ操作する必要はないのだが。
左からカトーE2系、トミックスE2系、カトーE3系、トミックスE3系。カトーはカバーチラ見せがリアル。トミックスはE3系が特にプラが厚い。また、E2系ともにカバー固定用のパーツが目立つ。
連結器はどちらも伸縮式。直進状態ではカトーのほうが長いようだ。
トミックスの連結状態。連結間隔もカプラーのボリュームも標準的なところ。
カトーの連結状態。カバー格納スペースのせいか、連結器本体が細くて貧相に感じる。
E4系でカプラー自体を比較。トミックスのほうが形状は実感的なのだがちょっとでかい気もする。
連結間隔を計測してみると(E3系で位置揃え)、カトー(上)は7.5mm、トミックス(下)は5mmだった。
前ページで「優劣を決める気はない」と書きながら、結果的には優劣をつけてしまうことになりそうだが、格納式カプラーという同じテーマに両社が挑んだ「競作」だと思うので、あえて筆者の独断で比較してみたい。
まず、見栄えと技術力は文句なしにカトーだろう。トミックスのカバーごと外れるというプリミティブな仕様も、「まあ、Nゲージだからしょうがないよね」と妥協できる代物だけど、そこから踏み込んでカバーの格納まで行えるようにしたのは恐れ入る(初めて見たときには正直驚いた)。パーツの精度も高いのでカバーもビシッと閉まり、先頭形状に破綻をきたすようなことも一切ない。
しかし、これはあくまでも併結運転が楽しめてナンボのギミック。単体の見栄えや技術だけを評価しても意味がないと考える。その意味では、三つの理由からこの格納式カプラーのギミックは、トミックスに軍配を上げたい。
まず、トミックスは見栄えについては一歩譲るものの、連結してしまえば気になるものでもなく、致命的といえるほどの欠点ではない、というのが一点目。
二点目は、カトーは連結間隔が広すぎる。トミックスの5mmも狭いとは言えないが、Nゲージとしては標準的なレベルであるのに対し、カトーの7mmオーバーというのはNゲージ全体で見ても相当広い部類に入る。前ページにもあるように、カトーは中間の連結間隔は狭いので、余計にアンバランスである(貧相な感じの連結器も拍車をかけてしまってる)。
最後に、トミックスの工具なし・レバー1本で灯火類のON・OFFまでできる簡単操作に比べると、カトーは操作手順だけでなく、レバーの操作性なども含め、やはり使い勝手は歴然とした差があるように思う。連結装置にリアリティを求めることは間違っていないと思うが、「使う」装置はシンプルで扱いやすいことも重要。扱いづらくて連結する気が失せてしまったら本末転倒だ。
走行性については、カトー・トミックスともにE2系+E3系を連結してR=280mmのS字を走行させたところ、問題なく通過できた(S字カーブは模型にとっては過酷な走行条件なので、実際のレイアウトには避けるべきである)。通常のレイアウトであれば、全く問題ないといえるだろう。
E5系・E6系のレビュー記事も参照していただきたいが、カトーはE5系からオープンノーズカプラーは非採用となり、トミックスのような脱着式の連結器カバーが採用されている(特に命名されていない)。
使用するレバーは1本のみで、前に押し出すだけというトミックスと同じ操作である。マニュアルでは付属のプラ製ドライバーを使うようにとあるが、指先でも操作可能。ただし、トミックスと異なりレバーが華奢なので慎重に操作したい。
灯火類スイッチは独立しているため(黄丸)、トミックスのように灯火類のON・OFFを連結器の操作と同時に行うことはできない。また、深い窪みの中にスイッチがあるので工具も必要だ。この点はオープンノーズカプラーから変わっていない。
カバーが外れ、連結できる状態。トミックスと異なり連結器にカバーを保持する個所がないため、前述のレバーを押し出したと同時にカバーがポロリと外れる(無くさないように注意)。
格納するときはまずレバーを引いて連結器を収納し、連結器カバーはそのまま取り付ける。カバーを付けてからレバーを引くトミックスとはやはり異なる。
E3系と連結させてみたが、やはり連結器が長い分連結間隔も広い。計測してみると前述のE2系+E3系の7.5mmをさらに上回る9.5mmという結果に。
連結器の位置がE3系側に寄っているのを見ると、E5系のカプラーの方が長いことが分かる。
同じ構造同士のE5系+E6系に至っては、実測すると12mmという結果になってしまった(前後方向に0.5mmほど遊びがある)。Nゲージだとしても相当広い部類であり、さすがに広すぎと言わざるを得ない。
さらに間隔が広すぎてマニュアル通りには切り離しづらい。片側の連結器を爪で押さえるなどして切り離した方が安全かも。
これだけ広いので、トミックスのR=280mmのS字(茶色道床の旧タイプなのは見なかったことに)もクリアできるが・・・というか、クリアできるようにこの広さにしたというのが正しいのかもしれない。
とはいえ、車体幅分くらいずれているもんなぁ。ここまでサポートする必要はあったのだろうか。
オープンノーズカプラーの採用が見送られた理由は不明だが、使い勝手を考慮したのかもしれないし、E5系はノーズが細長いので実装が難しかったのかもしれない。あのオープンノーズカプラーがオーソドックスな脱着式のカバーになってしまったので、技術的には後退してしまった感は否めない。
とはいえ、構造や操作がシンプルになったことで使い勝手はオープンノーズカプラーよりかなりマシになったことも確かだ。一方でカバーが外れやすいとか、灯火類のON・OFFが同時にできないとか、トミックスの使い勝手にはまだまだ及んでいない。
また、連結間隔はさすがに広すぎで、特にE5系+E6系の併結はさすがに「模型だから」では流せないレベルの広さになってしまったと思う。中間部が狭いだけに、余計に違和感を感じる。なんかもう、新幹線に関しては急曲線のS字は諦めてもいいような気がするんだが・・・カーブの直後に鉄橋やホームを配置しないように、という制限はマニュアルに謳っているわけだし、「半径XXXmm以下のS字カーブは曲がれません」を追加するのはダメなんだろうか。
ただ、メーカーがサポートしているということは、我々ユーザ側にも考えるべき点があると思う。
筆者は新幹線はなるべく大円のカーブ(具体的には半径400mm以上)で走らせるべきと思っている。その方が走行条件的に安全かつ優しいし、もちろん実物と比べたらとんでもない急カーブだけど、新幹線には緩いカーブが似合っていると思うから。 とはいえ、例えばトミックスのスターターセットはR=280mmという新幹線ではギリギリの曲線だし、個々のレイアウトスペース問題もあるだろうから、そうした急曲線で走らせることを否定するつもりはない。
だが、渡り線や退避線などでできる緩いポイントカーブのS字ならともかく、通常の急カーブでS字を作って走らせてしまうのはどうだろうか。S字は模型にとって(ていうか実物でも)過酷な条件だし、新幹線には似合わないことこの上なく、百害あって一利なしだと思う。どうしてもカーブを左右に振らなければならないレイアウトだったとしても、カーブ間に直線1本入れるだけでも違う。要するに、ユーザの心がけ次第でどうにでもできるのだ。
模型の楽しみ方はそれぞれだけど、大真面目に(特に新幹線を)S字を走らせることはおかしいといいたい。リスクを承知の上でベンチマークや遊びが目的で走らせるならまだしも、(そんな人はいないと願いたいが)それでメーカーに「曲がれない」とクレームをつけるような人には、新幹線の模型はやってほしくない。過激発言かもしれないが、ユーザ側がある程度の走行制限は許容する姿勢を持たないと、E5系+E6系みたいのはなくならないんじゃないかな。
E5系+E6系の連結間隔を嘆いていてもはじまらないので、短縮化にチャレンジしてみた。その結果、
という方法を実現できたので紹介する。そんなうまい話あるわけないでしょ?という疑問もごもっとも。でも、だまされたと思って以下読んでみて。そして、興味があったら試してみて。
間隔を短縮する方法はいくつもあると思うが、筆者は最初、カプラーパーツ自体をどうにかしようと思い全バラにしてみたが、良い解決方法が思いつかなかった(シートパーツを床下パーツから外した時点でけっこうバラけるので分解はお勧めしない)。
しかし、E5系もE6系も、カプラーを操作するレバーは結構なストロークがあり、それなりのトルクがかかっているので適切な位置でレバーを止められることに着目。その状態で連結できなくもないが、やはりちょっとの衝撃で前後方向に動いてしまう。ならば、どこかにストッパーがあればいいということで、操作レバーにストッパーを取り付けるという方法を思いついた。
なお、製品自体への加工はないとはいえ、本来メーカーが推奨する連結間隔ではなくなるので、今回の工作を試される場合は自己責任のもとで実施してほしい。また、以下の写真は撮影台に入れておらず、背景にカッティングマット等映っていて見苦しいのだがご勘弁いただきたい。
ストッパーの材料には透明塩化ビニール板を使用した。実はこれ、筆者が20年前に買ったGMの小田急の板キットの余り部品(窓用)だったりする(苦笑)。
塩ビ板(以下プラ板で統一)を採用したのは柔軟性がありそう、という理由からだが、実際のところ一般的なスチロール樹脂のプラ板(タミヤ等)でも問題ないと思う。材質よりも厚さに注意すべきで、0.3〜0.5mmくらいのが適切(写真のは0.3mm)。後で分かると思うが、あまり厚いとレバー操作がしづらくなる。
@まずはプラ板を8×7mmくらいに切りだす。
A短辺側の端から1mmくらい余白を取り、ピンバイス等で1.2mmの穴をあける(下に発砲スチロールを敷くと良い)。写真ではちょっと穴の位置がずれてしまったが後で調整。
BAで引いたラインを切りぬいて「前方後円墳」のような形状にする。
CさらにBで引いたラインに切りぬく。穴の上部は切り込みだけ入れればストッパーの完成。
精度もヘッタクレもない雑な切り抜きになっているが、この程度でまったく問題ないのだよ。
連結器操作レバーを適切な位置に合わせる(左がE5系、右がE6系)。写真はだいたい4〜4.5mmくらいの間隔の位置となるが、レバーが初期位置からほとんど動いておらず、製品はものすごい余裕を持たせていることがわかる。
で、位置を合わせたレバーを先ほど製作したストッパーの穴に通して、両面テープ(「ナイスタック」の普通ので十分)で床板に固定すれば完成。簡単でしょ?テープは厚みがあるやつだとプラ板を薄くした意味がないので注意。
見ての通り、前方後円墳の「くびれ」がレバーを固定してくれる。もちろん手前側に引けば連結器は格納される。
今回の寸法ならば、E5系・E6系共通でいける。
試作版は通常のプラ板だったが、問題なく使用できた。
両面テープの接触面積を上げるため、プラ板をもっと先端方向に延ばしてもいいかもしれない。また、「くびれ」の幅も調整の余地がありそうだ(レバーのホールド性や操作性に影響)。
なにせ分解すら必要ないので簡単に自分好みの間隔に調整できるし、やり直しも簡単。気に入らなければストッパーを剥がしてしまえば元通りである(糊は残るかもしれないが)。
その結果得られた連結間隔がこちら。遊びで伸びきった状態で4.5mmくらいで、中間部と比べてもまったくそん色ない連結間隔になった。
E5系・E6系は連結器の仕様がシンプルになったが、それだけに工作もシンプルにいけるということか。オープンノーズカプラーのE2系・E3系ではこうはいかないだろう。
床板には格納時のカプラーをホールドするためだと思うが2本の突起が生えている。特にE6系は開口部ギリギリで、今回の連結間隔だとカプラーが若干干渉し、カーブを曲がる際に少々引っかかるような動作を見せることがある。
それでも、とりあえず走行には問題なさそうに見えたが、どうしても気になるなら突起を少し削った方がいいかもしれない。ただ、その場合は可逆性を妥協する必要ある。
突起を削らない場合、4.0mm以上の連結間隔を確保する必要がありそうだ。
さて、この連結間隔短縮により曲線通過性能が気になるところだが、今回筆者が設定した4.0〜4.5mmの間隔の場合、通常のカーブ(直線→曲線、もしくはその逆)であればトミックスのR=280mmを余裕でクリアできた。S字カーブの場合はR=428mmはクリアできたがR=354mmは曲がれなかった。しかし、渡り線などでできるポイントカーブのS字、例えばトミックスのR=514mmは余裕でクリアできることを確認。カトーの4番ポイント(R=481mm)もなんとかクリアできるのではないだろうか。
通常のR=280mmと渡り線のポイントS字をクリアできるなら、十分実用域であるといっていいだろう。もちろん急カーブのS字通過は諦めなければならないが、前述したように、そんなもん捨てちまえば問題ないのだ。
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新幹線Nゲージ連結部分研究
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