60000形「MSE」
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マイクロエース 小田急60000形「MSE」レビュー
マイクロエース 小田急60000形「MSE」レビュー

●概要

2014年10月、マイクロエースから小田急ロマンスカー60000形「MSE」が発売された。

  • A7570 小田急ロマンスカー60000形MSE 基本6両セット \21,400
  • A7571 小田急ロマンスカー60000形MSE 増結4両セット \16,700
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「青いロマンスカー」がNゲージで登場。マイクロエースからリリースされた小田急ロマンスカー製品としては、3100形「NSE」、3000形「SE(SSE)」、30000形「EXE」に続く4作目。第1編成(60051F+60251F)がプロトタイプとなる。

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6両編成と4両編成のセットを用意。4両編成は「増結」という文字があるが(4両編成単独の運用が少ないからだろうか?EXEのときは「基本」「増結」の文字はなかった)、動力車が含まれるため単独で楽しむことができる。もちろん、実車同様に併結しての10両編成もOKだ。


実車は東京メトロ千代田線への乗り入れを初めて行った小田急ロマンスカーで、20000形「RSE」引退後はJR御殿場線乗り入れ特急「あさぎり」運用にも抜擢されており、愛称「MSE(Multi Super Express)」の通りにマルチな活躍を見せている。千代田線乗り入れと「あさぎり」「えのしま」の併結など、一昔前からの小田急ファンからすればサプライズの多い車両でもあり、現在の公式なロマンスカーイメージ(?)では50000形「VSE」とツートップ扱いされている。

しかし、実車の登場が2008年で模型化されたのが2014年と考えると(途中発売延期はあったにせよ)、話題性や人気の割には思ったより時間がかかったなという印象だ。筆者はもっと早く、「VSE」の実績があったのでトミックスから発売されると予想していたのだが・・・営業運転開始と同時に発売されることが珍しくない新幹線模型に慣れてしまっただけか?結果的にはいくつかロマンスカーの製品化実績があるマイクロエースから発売となった。

というわけで、久々の小田急ロマンスカー製品をレビューしてみる。模型としても実車としても同門の分割併合可能なロマンスカーということで、前作「EXE」との比較にも数多く言及してみたい。

●先頭形状

1・10号車(流線型の先頭車)は非常用の貫通扉が存在するが、便宜上「非貫通型」と称する。

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とりえあず、非貫通型・貫通型それぞれの先頭部をざっと見てみよう。


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前作「EXE」もよかったが、今回も「MSE」として全くといっていいほどツッコミどころがない、非常にレベルが高い造形であるといえるだろう。窓ガラスの精度も高く、前面窓と側面の小窓はツライチなのに対し乗務員室扉の窓はやや奥まっている点も実車に忠実だし、スカートを側面から見たときの形状や終端部の位置も問題なし。台車はスカートに干渉しないよう切り欠いてあるがやむを得ない措置だろうし、見た目にはそれほど気にならないと思う。

塗装(帯)の終端位置も忠実であるほか、ピクト化された乗務員室マークも印刷済みとなっている。

パーティングラインは貫通型のスカートに少し見えるくらいで、ボディ上にはほとんど見られないほどよく処理されている。非貫通型は乗務員室扉の後方やや上に少しだけヒケが見られるが、特に気になるレベルではないと思う。

小田急車両に見られる逆L字型の無線アンテナは「MSE」ではカバーされているため外部に露出していない。はっきりいって、マイクロエースのアンテナパーツ取り付け精度は高くないので今回は幸いだったかも。


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貫通型前面下部の曲線で描かれたエッジも忠実に再現してあるし・・・


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前面から肩部にかけての複雑なエッジラインもビシッと表現されていることがわかる。よくこれを1/150に落とし込んだなと。


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正面顔も特に問題ないと思う。貫通扉のモールドがやや濃いのは同社の伝統であるけど、この辺は好みが分かれるかもしれない。それでも、スカートにあるハッチは「EXE」よりも節度感があると思う。

前面窓上部のブラックアウトは裏側から施されており(「EXE」は表面からだった)、実車の雰囲気がよく出ている。ワイパーは一部がボディ側にモールドされているのは「EXE」と同じ手法だが、今回はボディ側にも黒が入れられているので連続感がある。

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非貫通型はスカートの開口部から内部の胴受けを「チラ見せ」していて凝っている。なお、こちらは連結の必要はないのでダミーカプラーとなる。ヘッドライト・テールライトのケーシングが実車よりもやや大きいが、それでもスカート内に違和感なく溶け込んでいると思う。貫通型は併結に対応していることもあり(後述)、胴受けが表現されていない。


●各部表現

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1号車後位海側のグラフィックを見る。モールドの濃さはマイクロエースらしく強いというか濃い印象だが、それでも「同社にしては」節度感のある表現だと思う。「MSE」は車体幅が少し狭いためか客用扉下部の靴ズリがやや張り出しているのだけど、その点もきちんと再現されている(銀色も入っている)。「VSE」にもある客用窓上下のシル・ヘッダっぽい飾り帯の表現も申し分ない。なお、この飾り帯はボディ側にモールドされている。

「EXE」は窓パーツが大きいせいかボディにしっかり固定されていたが、「MSE」は連続窓の車両にありがちな設計なので固定が甘く、ボディ中央部を持つとプニプニする。


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「EXE」では印刷表現だったドアコックはモールドになった。ただ、写真左側にあるボディ下部のハッチに対し、ややモールドが強すぎるようにも思う。


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細長い客用扉窓、ロゴや号車番号、行先表示の大きさや位置関係。実車と比べても文句ない再現度。非常に細かいが、車端には△が印刷されているのも同社らしい。


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3号車海側、9号車山側にある売店設備向かいにある窓は裏側からブラックアウト処理されている。ここからのぞき込むと売店のカウンターまで見えて雰囲気十分。


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実車のブラックアウト処理は四隅にわずかにRがあるが、そこまでは再現できなかったようだ。


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5・8号車山側にある、身障者対応トイレ向かいの窓。


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号車番号脇にある小さな身障者対応マークもきちんと印刷されている。


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上の写真のとおり、実車では下端のエッジが結構ハッキリしているのだけど、模型にもエッジはあるもののそれなりの光の当て方をしないと分からないので、もう少し強調してもよかったかも。


●屋根上・パンタ

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屋根上は実車のように空調装置をボディと同じメタリックブルー、屋根板を艶消しの明るいブルーと色を変えてメリハリをつけている。空調装置のモールドもファン部分だけでなくボルト類も表現していて細かい。


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パンタ周りの配管類は妻面山側に引き込んでいる点も含めてパンタ付き各車忠実に再現。ヒューズ箱などは別パーツになっているので、グレー塗装と相まってこれまたメリハリ付けに貢献している。


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こちらは避雷器が直付けされているタイプなのでパーツ自体は別物だが、アームは「EXE」で使用していたものに近くリフトした時の姿も似ている。ただ、集電舟を水平に保つのが結構難しい。

パンタからの配管がきちんと浮いており、こだわりを感じる。


●塗装・印刷

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「MSE」の車体色「フェルメール・ブルー」は、メタリックゆえに光に対して色調がそれなりに変化するので決定的な色というのは難しいが、今回製品は十分納得できるレベルだと思う。以前発売のBトレと比較してみると、Bトレは少々緑がかっていたようだ。ただ、メタリックの粒状感はほとんど感じられず、その点はNゲージをも上回っているといえる。もっとも、今回製品の粒状感はNゲージとしては標準的なレベルである。

赤いラインについては今回は「バーミリオンオレンジ」という感じになった。Bトレは「単なる赤」に近い。


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側面ロゴマークの印刷。実車(最下段)においても青地にバーミリオンオレンジはあまりいい組み合わせではなく、正直目がおかしくなりそうだが、模型も同様なのでその意味では忠実に再現されているのではないだろうか。光の当て方を変えて撮影したらロゴがはっきり浮かび上がった(中段)。マイクロエースらしくカスレもない鮮明な印刷である。


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2号車山側と9号車海側は当初、「ODAKYU-SUPER EXPRESS-60000」の下に「ROMANCECAR-MSE」が他の箇所より小さい文字で存在していたが、今回製品では再現されていない。


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写真は震災直後の2011年6月時点に撮影したものだが、どうやら件のロゴはブルーリボン賞ステッカーを貼った際に撤去され、その後戻されなかったようだ。その意味では、今回製品は登場時ではなく2014年現在の姿ということになるだろう。ちなみに、Bトレは登場時のロゴになっている。


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ステッカーは基本・増結セットで別のものが入っている。基本セット(6両)は「メトロはこね21」「あさぎり11」「さがみ70」「メトロホームウェイ(前面のみ)」「あさぎり/えのしま(前面のみ)」、側面用に「新宿」「北千住」「唐木田」を収録。

増結セット(4両)は「メトロホームウェイ(前面のみ)」「あさぎり/えのしま(前面のみ)」「メトロはこね21」「えのしま11」「ホームウェイ83」、側面用に 「新宿」「北千住」「本厚木」となる。

行先は上り志向なので(?)「箱根湯本」「御殿場」「片瀬江ノ島」はないのだった。


●灯火類・室内

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ヘッドライト・テールライト・愛称表示が光る。小さなライトだが、上方からでもそれなりに点灯を視認できる。貫通型は床下にスイッチがあり、併結時に消灯可能である。

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筆者所有の個体だけかもしれないが、非貫通型と貫通型でヘッドライトの色が若干違うようだ(後者はやや黄味がかってる)。ヘッドライトの光量は並みといったところで、「EXE」もそうだったが特に非貫通型は愛称表示のほうが明るいくらい。

また、非貫通型は頑張っている方だがライトが小さいので4灯表現は少々厳しいようだ。


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実車もヘッドライトが小さいため煌々と光るイメージがあまりなく、模型も今回くらいの明るさでよいのかもしれない。


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初めて実車を見たとき、非貫通型のヘッドライト表現は難しそうだなと思った。スカートにヘッドライトが仕込んである例があまりないからだけど、模型でもなんとか再現できたようだ。低い位置に設定されたライトプリズムの側面や後方には遮光テープが張ってあって、光漏れにはきちんと気を使っていると思う。


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非貫通型のスカート裏側。こちらはカプラー交換はないはずので安易な分解はしないように。ヘッドライト4灯とテールライトは裏からブラックアウトして表現していることがわかる。


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貫通型は愛称表示が上方あるため煙突のようにプリズムを立ち上げている。設計に苦労の跡がうかがえる。


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一方、非貫通型は下部で収まっているので客席まで見通せる。ただし、仕切りの表現はない。また、シート背面の派手な装飾もない(当たり前か)。運転台にはマスコン等がモールドされているが、窓越しにでも見ることができる。

なお、運転台部分の黒は塗装である。


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室内のシートはダークグレーの地に加え、同社お得意のシートカバーをオレンジで表現。「EXE」ほど窓が大きくないので室内灯を装備しないと厳しいかもしれないが、それでも相当効いていると思う。


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車端部は「EXE」同様、売店カウンターの内部とか見えないところまで作り込んでいるが、今回はさらにオレンジで塗装してあるという凝りよう。3・5・8・9号車は一部が窓から見えるので、この効果は大きいと思う。

「EXE」では幅広だった室内灯が今回は幅狭に変わったため、集電スプリング受けの形状が変更されている。


●床下・連結部

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床下機器はモールドがやや大袈裟かもしれないが、立体感がありなかなかの見ごたえ。実車と比べる限り再現度はパーフェクトに近く、使い回しによる間違いはないと思う。2段目と実車(最下段)は同じ床下となるが、実車は中央のカバーが白い点を除けばよく再現できていることがわかる。

一方、動力車は床下の色がグレーなので黒地ベースでレリーフ状にしている。ただ、メーカーの限界かもしれないが動力車は相変わらずのメタボ動力。なまじ機器の立体感があるだけに少し車体からはみ出しちゃってるよ。

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台車は忠実に再現されていると考えてよいだろう。実車では電動・付随・先頭で微妙に異なるが模型では共通。でも、大した問題ではないと思う。


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「EXE」は車高が低く揃えられてプロポーションが非常によかったけど、今回も低くてグッジョブ。ボディ下端〜レール面の高さは「EXE」よりさらに低い6.0mmとなっているが、実車も低いのかもしれない。

「EXE」はそれでも空気バネやヨーダンパ受けとボディの間に隙間が見られたのだけど、「MSE」は見てのとおりピッタリ。実車はヨーダンパがないことを問題視される向きもあるが、模型では有利な結果になったかも?


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妻面はパンタ付車の配管やはしご、貫通扉上部のダクト有無などを実車通りにきちんと作り分け。窓ガラスが偏っているデザインの貫通扉も再現している。なお、デッキと連結部が隣接する先頭車と4号車新宿寄りには扉がない。

車体幅の寸法は「EXE」とあまり差がないが、車体上部の絞り込みが大きいのと屋根高さが高い(上の写真でもわかる)ので車体断面が縦長に感じる。


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連結間隔は概ね5mmを切っており狭いといえる。相変わらず動力車前後はやや広いものの、「EXE」よりは改善され全体的に揃っていると思う。妻面に転落防止幌やドアコックが申し訳程度にモールドされているのは「EXE」と同じ仕様。

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3号車の四隅には小田急の千代田線対応車伝統装備、IRアンテナが装備されているが、模型でも転落防止幌より大きいという半端な状態ながら再現されている。

4両編成単独でメトロに入ることは想定されていないため、4両増結セットには装備車はない。


●分割併合について

基本セット・増結セットともに貫通型先頭車にはダミーカプラーがデフォルト装備されているが、「EXE」のようなアーノルドカプラーではなく、専用のマイクロカプラーが付属するようになった。

ただし、交換はユーザが行う必要がある。ボディから床下を外し、次にスカートを外してカプラー交換するのだけど、スカートの端はかなり細いので破損等に注意されたし。筆者は撮影のために着脱交換を繰り返していたこともあるが、台車と接触してしまったのか塗装が少し剥げてしまった(以下写真ではお見せしていない)。

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付属のマイクロカプラー(左)とダミー(右)の比較。マイクロカプラーは電気連結器が付いた専用品で、解放は「横方向」に引き離す。他車との併結はないはずだが(一応、従来のカプラーと連結はできる)、従来のマイクロカプラーとは扱いが異なるので注意。


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見た目はダミーの方がいいかな。ユーザにカプラー交換させるのはどうかとも思ったが、マイクロカプラーは長さも目立つし、単独運転限定ならダミーカプラーの方がいいのかも。「MSE」はスカートの開口部が小さいため、胴受けの表現はいずれにせよ厳しいようだ。


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連結間隔は予想通り広い。中間が狭いだけにギャップが・・・


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連結関係で面白いのが貫通扉が開いた状態を再現したパーツが付属すること。両面テープで貼り付けるというプリミティブなものだが、着脱式にするには高い精度が求められるし耐久性の問題もあるので、ASSYパーツがないマイクロエースならこの方がよいかもしれない。両面テープは付属するが市販品でも大丈夫だ。

このパーツ、一応「EXE」にもつけることは可能。窓の大きさは異なるし、それ以前にあの色を出すのは難しいが・・・


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貫通扉パーツを付けた状態なら、多少は間延び感が改善されるかもしれない。


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カプラーの見た目や連結間隔の改善なら、やはりトミックスのTNカプラーを検討したい・・・が、今回はスカートの開口部が小さいので「EXE」のようにポン付けできず、加工を要する

以下は自己責任でお願いしたいが、使用したのはJC25で胴受けの黄色い線からはみ出た部分をカット。これでスカート内に収めることができる(苦しいようならもう少しカットして調整)。


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TNカプラー(左)とマイクロカプラーとの見た目比較。サイズ・精度感共に圧勝という感じで単独運転でも鑑賞に堪えうると思う。長さも差があって連結間隔改善に効きそうだ。なお、JC25の場合は下段の電気連結器は切り落としておく。


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TNカプラーだとこのくらい狭くなり、中間部と比べても全く遜色なくなる。加工にはリスクを伴うが、ここまで差が出るとやはりTNカプラー化をお勧めしたくなる。


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例の貫通扉パーツ付けると貫通幌が接触するまでになり、すごい迫力に。


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貫通幌が接触してしまっているがさすがはTNカプラー。これでもR=280mmのカーブをクリアできたので走行上はまったく問題ないと思う。

なお、TN化すると開口部の大きさとスカートの厚みが相まって、カプラーの首振りが渋いことがあるかもしれない(スカートの内側を少し削って対処可能)。ただ、首振りが大きいときに問題があるだけなので、R=280mmのS字カーブならいざ知らず、渡り線レベル(ポイントのS字)なら大丈夫だと思う。新幹線の方でもよく書いていることだが、筆者は急曲線のS字カーブを走らせることには懐疑的である。


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実車と比べると、やはり扉の厚みはどうにもならない・・・

でも、連結間隔についていえば、かなり実車に迫っているんじゃないかな。


●総評

「EXE」もよかったが今回はさらによくなった、という印象だった。小田急(TRAINS)とマイクロエースのコラボも安定してきて、少なくとも新規の製品に関してはもはや安心して買える、というレベルまで来たのかもしれない。以前のマイクロエースでは考えられなかったことだ。

TNカプラーにしないと締りがないだけでなく、ユーザに交換を強いる分割併合ギミックや、相変わらずのメタボ動力には不満が残るものの、総じて問題点が少ない製品だと思う。そつのない仕上がりだけに総評といっても改めて書くことも無くなってしまったが、今回製品の良いところはここまでに書いてきた。ブルーメタリックの模型というのも珍しいし、他の小田急車両と並べても映えるので、欲しいと思ったら入手して後悔することはないだろう。

さて、これにて現用のロマンスカーはすべてNゲージで出そろった。過去に発売されたものと並べると・・・

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エクセレント!(;゚∀゚)=3 左から

  • 1910形 1949〜1951(特急車時代) 鉄道コレクション
  • 3000形「SE(Super Express)」1957〜1991 マイクロエース
  • 3000形「SSE(Short Super Express)」1957〜1991 マイクロエース
  • 3100形「NSE(New Super Express)」1963〜1999 マイクロエース
  • 7000形「LSE(Luxury Super Express)」(旧塗装・新塗装) 1980〜 トミックス
  • 10000形「HiSE(High Super Express)」1987〜2012 トミックス
  • 20000形「RSE(Resort Super Express)」1991〜2012 モデモ
  • 30000形「EXE(Excellent Express)」 1996〜 マイクロエース
  • 50000形「VSE(Vault Super Express)」2005〜 トミックス
  • 60000形「MSE(Multi Super Express)」2008〜 マイクロエース

1910形と3000形の間に1700形と2300形が入れば「ロマンスカー・クロニクル(厨二っぽい)」が完成する。どちらも鉄コレ向けの題材だと思うので(1700形は第1・2編成と第3編成の2種が欲しいな)、気長に待つことにしたい。そういえば、カトーからも3100形「NSE」の初期仕様が出るんだった。まだまだロマンスカー沼は続く・・・


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